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【J2:第37節 札幌 vs 京都 レポート】一進一退の末に、両チームがつかんだ実は…(04.10.02)

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10月2日(土) 2004 J2リーグ戦 第37節
札幌 0 - 0 京都 (14:04/札幌厚別/5,682人)
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 札幌・柳下監督は志高く、細かい部分もきっちりしようというパーソナリティの持ち主。毎日の練習後の、記者に囲まれての談話においても、常に表情は険しく、言葉は厳しい。そうした真摯な姿勢は開幕から半年以上経ってもなお不変だ。

 そんな監督だが、京都戦2日前という差し迫った日の表情は、どこか穏やかだった。ここ2試合、水戸に横浜FCといった下位に位置するチームとの対戦を1勝1分けで終え、次は昇格争いをするチームとの対戦。ワンランク上の相手に対し一層引き締めてかからねばという焦りからくる険しさは、その日はなぜか外にはにじみ出ていなかった。

 試合当日。キックオフ1時間半前に厚別に到着した札幌のチームの様子を見て、札幌の運営スタッフがこう語った。「いつもは何も言わないのに、今日はすれ違うスタッフとかに、監督の方から挨拶の言葉を交わしていた」戦いに向け、いい準備ができたという手応えを感じ、不意に穏やかさがにじみ出たのだろうか。

 試合は、そうした柳下監督率いる札幌のペースで始まった。

 選手に落ち着きがあり、つまらないミスがなく、皆きびきび動く。ボールがつながり、ルーズボールも札幌の選手がおさえるとなると、試合の流れがどちらのもとへ行くのかは明白。

 3バックの曽田や西嶋から確実に攻めが始まり、ボランチの田畑や権東が軸となったりFW相川がいったん下がってくさびとなり、そして左右に展開。守りもダブルボランチのところで食い止めが効くので、3バックの負担が減り、ラストパスにもきっちり対応でき、崔のマークも放さない。なるほど、札幌はこの1週間でいい準備ができたのかもしれない。前節と同じスタメンということで、選手間の連係の糸が強靭になった様相だ。

 一方、京都はなぜか序盤から動きが鈍く、崔、黒部、熱田といった好調なはずの前線にボールを託すところで、なかなか札幌の守備網を破れない。この日の厚別は気温14.1度(昼1時半測定)。前日の京都の気温は最高29度、最低15度。寒さの影響もあったのだろうか。

 それを振り切るように、13分に黒部と熱田のワンツーや、33分に渡邉が右サイドから中へ切り込んできてのシュートを挑んだり、また左斜めから2本あったFKのチャンスを皆がものにしようとしたが、いずれも点には結びつかず。ただ札幌もペナルティエリア内に相手の対処より早く進入することはかなわず、シュート数自体は前半3本と少なく、それも決定機と呼べるほどゴールマウスに向かった弾道ではなかった。

 後半。いいプレイがなかなか90分続かないという札幌のパターンはこの試合でも表れた。15分くらいまでは京都の反撃を食らう。打たれて、弾き返してもまた京都ボールという展開に、札幌は自陣に京都選手の侵入を多く許してしまい、チャンスは前半のようには連続できなくなった。

 後半21分、両チームが動いた。札幌は右ウイングバックを市村から砂川に交代。京都はトップ下を熱田から六車に代えて、そして渡邉を右から左のウイングバックに移し、美尾がピッチ外に退いて、右ウイングバックに冨田が入った。お互い、サイドにフレッシュな選手を入れて、試合前には狙っていたはずのサイドをあらためて突破口にしたい。そんな両チーム指揮官の意図が全く同じ時間に発露した。
 
 ところが後半28分、京都にアクシデントが起こった。黒部がイエローカード2枚で退場。これで京都は前線が薄くなり、札幌は攻撃時には西嶋か西澤のいずれかが前に上がれるようになり、再びセカンドボールを拾えるようになり、押し返す。

 だが、とっておきの武器だったはずの砂川は、先週の発熱から明けて、まだ体調が完璧でなかった。彼のところでどうしても攻めが遅くなり、京都にゴール前を固める猶予を与える。

 10人となった京都も、崔が前線で、1人でまるでFW2人分の仕事をしようという存在感を維持。他の選手も、札幌が上がりきった背後を狙おうという、シンプルながらもひやりとする攻めを見せ、札幌守備陣に気の緩みを許さない。

 時間は無限ではない。一進一退を繰り返しているうちに、1分という短いロスタイムも食いつぶし、試合終了。

 その瞬間は、スタンドはどちらのチーム側からも歓声もため息も嘆きも聞かれず、ただ無音。監督記者会見の雰囲気も温度の低いもので、京都・柱谷監督は理論家らしからぬ言葉数の少なさ。札幌・柳下監督はまたいつもの険しい表情、厳しい言葉に戻った。

 0対0というスコアが表すように、両チームとも、もっとその手につかめる果実は多くなれたと思っていたのに、実際に掌に残った実はごく小さく、わずかだった。札幌としては今季3試合(全て敗戦)ずっと痛手を受けてきた京都の前線を抑えきったことが収穫だろうが、京都としては、残り試合が少なくなったこの終盤で勝ち点1では絶対足りないだろうし、黒部の次節出場停止も痛いだろう。リーグ戦という道に平坦なスポットはない。

以上

2004.10.02 Reported by 永井謙一郎

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