10月23日(土) 2004 J2リーグ戦 第39節
札幌 0 - 0 湘南 (13:05/札幌厚別/5,061人)
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札幌市内は試合前日から雨または曇り。試合当日も会場開門後まで冷たい雨が降りしきった。午後1時のキックオフまでには雨は上がり、晴れ間が見えたが、9.2度という寒さは残り、それにあわせるかのようにこの試合も総じて、シュート数の多さのわりには熱を帯びたシーンが少なかった。
札幌ボールになるとDF、MFの8人がサッと引いて札幌の選手の動ける範囲を狭めて、奪取したら相手の守備が整う前に素早くゴー。こうした湘南の実直なスタイルが試合の流れを牽引した。
対峙する相手全体が引き気味になるので、札幌はFW、MFだけでなく3バックの右・西澤や左・西嶋にも前方へいくスペースが与えられた。そのままフィニッシュまで到達できれば「圧倒的猛攻」と称されるのだが、この日は金子、権東や上里という中央の所で窮屈になって大きな展開ができず、道半ばで攻撃が寸止め。そして札幌DF陣が上がりきったところをつけるのだから、湘南も少ない手数で反撃できる。
特に前半25分のシーンが象徴的だ。札幌がパスコースを探しながらゆっくり後方で回し、中央で中盤めがけて縦のグラウンダーパスを出したところを白井が狙いすましたようにカット。そこから真ん中の佐野を経由して右サイドを走る高田に広げて、クロス。これは藤ヶ谷がキャッチしたものの、守から攻へ、シンプルかつ早くゴールを狙う湘南の狙いが明快に見えるものだった。
かくして、「人数を割いてこっちが攻撃したい」(柳下監督)という、札幌が試合前に抱いていたプランが具現化できない時間が続いた。
後半について札幌の選手が、「後半はボール回しがよくなって、主導権が握れて良くなったと思う」(金子)「前半はミスがあったが後半はだいぶウチのペースでできた」(田畑)というのは後半の立ち上がりからというより、むしろ64分の権東から田畑へのボランチの交代、70分の上里から桑原へのトップ下の交代起用が、チームとしてのパワーアップに結びついたことが大きい。
まずディフェンスからという意図を持って入った田畑は、ピッチ外でのゲームの観察がよくできたのか、ボールの持ちどころ、拾いどころをよく把握していた。桑原は決定的パスやシュートを狙おうという意欲を発し、まだごく小さなものだが、同期の上里が実戦で見せる存在感のレベルに届くくらいのプレイができた。だから終盤には攻撃の次にまた攻撃というシーンも生じ、試合にも熱が帯びるようになった。
けれども湘南もパワーダウンしたわけではない。右サイドバックに加藤が入って2試合目、左サイドバックに先発から北出が入るのは初めてとなる試合だったが、11人の中に特に穴のない、整備された攻守は、終盤までガス欠しなかった。サイドよりもCBが本職の北出の起用は、最終ラインの守備をがっちり整えるという、落ち着きある効果へと結びついたのだろう。上田監督就任後のリーグ戦の白星は今回もお預けとなったが、「上田流」はすっかり選手たちに浸透し、いい連係を見せた。無失点と17本ものシュートがそれを物語っている。
ただ湘南の17本のシュートのうち、枠内に飛んで札幌GK藤ヶ谷の身体を跳躍させたものは少ない。それがこの一戦の熱の低さにもつながった。あとはゴールという一押しだけ。
札幌としても、前節の福岡戦から続く個々のイージーミスで、狙いのサッカーを長時間続けられず、1シーズンを通して見てもずっと小さな歩幅での一進一退というもどかしさが残る。
両チームとも、あともうちょっとだけ高まれば、という事柄を持つ。それはごく小さなものなのだが、でもそれで白星が遠ざかり、この試合でも0対0という熱気に欠けた結末になる。今季J2もあと1ヶ月あまり、残り5試合と少なくなり、寒さも日々増すが、次こそは高い熱を帯びたいい試合をして勝ちたいという思いは、引き分けた両チーム共に持っていることだろう。
以上
2004.10.23 Reported by 永井謙一郎
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