10月23日(土) 2004 J2リーグ戦 第39節
横浜FC 0 - 1 水戸 (14:00/三ツ沢/5,003人)
得点者:'71 吉本岳史(水戸)
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順位が接近していることもあってか、この両チームの立ち上がりは慎重さが見て取れた。ただ、そんな試合の中で、徐々に多彩な攻撃を作り出していたのは水戸だった。キープレーヤーとなったのは、左右両サイドハーフの森田真吾と関隆倫。積極的なポジションチェンジで横浜FCを攪乱し、時折最終ラインから繰り出されるロングフィードのターゲットにもなった。フォワードとの連携で水戸の攻撃の鍵となっていた。
そんな水戸に対して横浜FCは、マシューが両サイドへボールを散らしてチャンスを窺ったが、どうしても単発の印象が強かった。前半を振り返ってリトバルスキー監督は「前半はいいプレーができなかった。水戸はコンパクトに陣形を固めてきたのでなかなかプレーするスペースが見つけられなかった」と述べている。
実際のところ横浜FCの久保田学は窮屈そうにプレーしていた。彼は前半の29分にそれまでの何度かの異議が累積した形でイエローカードを受けている。思い通りに試合が進まない事でフラストレーションがたまっているように見えた。
記者に囲まれた試合後の前田秀樹監督は「うちが前から来るのか、リトリート(プレスのゾーンを下げる)してくるのか、わからないからやりにくかっただろうね」と笑顔を見せていた。これら、両監督の発言や、久保田学のイエローカードなどを根拠にすれば、少なくとも前半の主導権は水戸が握っていたと考えられる。
ボールが動き、試合が途切れる時間も少なく、非常に見応えのある試合となった前半を終えて、リトバルスキー監督は「ポジションチェンジ」の指示を出している。前半の横浜FCは、臼井幸平が中に切れ込んでいく場面を除けば、自分のポジションを捨てる場面が少なかった。それではこの日の水戸の守備を崩すのは難しい。
試合の流れを変えたのは後半62分の小椋祥平へのレッドカードだった。この日2枚目のイエローカードを受けた水戸の若き右サイドバックは、このカードによってピッチを去る。水戸にとって不利な状況になったこのプレーの後、臼井は「相手が10人になって勝てると油断したのかもしれない」と気の緩みがあった事を打ち明けている。その横浜FCは、この退場の直後の66分に、ゴール前で決定機を生み出しているが、そうしたチャンスを簡単に作れた事も、油断を生んだ要因の一つだろう。
また、センターバックとして先発出場した吉本岳史を、小椋がプレーしていた右サイドバックへ移動させなければならなかった水戸の前田監督は、そうした状況をふまえて「まさかうちが一点を取れるとは思っていなかった」と述べている。
横浜FCの圧倒的優位な状況となったが、たった一つの気の緩みが手痛い失点を生んでしまう。
後半71分。水戸がCKを得た場面でのこと。ゴール向かって右からのCKを関が右足で蹴った。ファーに流れたボールをヘディングで落としたのは水戸の柴小屋雄一。これをクリアしようとしたボールが吉本の足元に転がってきた。その瞬間を「ふかさないように気をつけた」と振り返った吉本のシュートが先制のゴールとなる。
手負いの相手に喫した失点を挽回しようと「5人の攻撃的選手をそろえて」(リトバルスキー監督)同点ゴールを狙いに行った横浜FCだが、水戸は途中出場の川前力也の老獪なコントロールによって猛攻を耐えた。
チャンスはあるのだが「アンラッキー」(リトバルスキー監督)な事にゴールにならない。水戸は逃げ切りのために固く守りに入りたい場面ではあったが「点を取った後も、やり方を変えずに行けた」(吉村・水戸)と振り返るねばり強さで横浜FCにゴールを許さなかった。
試合後の会見場で、リトバルスキー監督がつぶやくように「ポジションがstatic(変化がない)だった」と述べる姿が印象的だった。まさにそれが今後の横浜FCに必要なものだろう。
試合後に喜びを爆発させていた水戸の選手たちだったが、この勝利は勝ち点3とともに水戸に今季初の連勝をもたらしている。
以上
2004.10.23 Reported by 江藤高志
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