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【J2:第39節 鳥栖 vs 大宮 レポート】昇格のためにも『勝ち点3』が欲しい大宮。最終クールに入り勝ち星がない鳥栖。狙う結果が勝敗を分けた対戦(04.10.24)

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10月24日(日) 2004 J2リーグ戦 第39節
鳥栖 0 - 1 大宮 (13:01/鳥栖/2,817人)
得点者:'89 森田浩史(大宮)
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監督には結果に対する責任が付きまとう。この日の松本監督はどこかに『結果』を求め続けていたのかもしれない。

今節までの鳥栖は8勝10分け20敗で12チーム中10位に着けている。9位の水戸との勝ち点差はわずかに2。11位との湘南とも2差である。23日に行われた試合で、水戸は1-0で勝利を収め勝ち点を39に伸ばしている。湘南は引き分けで勝ち点を33としている。ひとつでも順位を上げるためには鳥栖は負けられない。上位に引き離されず下位との差を広げたい。この思いは監督なら当たり前のことであり、相手がどこであろうと目先の1勝にこだわるのである。2位の大宮をホームに迎えた松本監督の胸中はこのようなものだったに違いない。

出場停止明けの小石龍臣が戻った鳥栖は、3-4-3の得意の形で試合に臨んだ。攻撃力のある大宮のツートップ、森田浩史には朝比奈伸が、下がり目でボールを受けることが多いトゥットには山道公平がマンマークで付き、佐藤陽彦は最終DFでケアするように指示が出ていたに違いない。

本橋卓巳と落合正幸の中盤には安定感が見られ、サイドに入った中村祥朗と高橋義希は攻守に冴えを見せている。ホームゲームでは4試合連続の無失点と守備に関して問題は見つからない。攻撃は佐藤大実のポストプレーとキープ力を活かし、そのサイドを竹村栄哉と小石達臣が大宮DFの裏を突く。この日の松本監督のゲームプランは前半35分までは完璧な形で実践されていた。

しかし、このプランが崩れるシーンが訪れる。それまで積極的なフォアチェックをかけていたFWに一瞬の隙が生まれる。大宮の右サイドからカウンター気味にFWの森田浩史にボールが渡ったのである。それまで森田は朝比奈に仕事をさせてもらえずボールに飢えていたのだろう、この瞬間は積極的に仕掛けてきた。朝比奈と佐藤がシュートコースを消すが、森田は構わずにその間をこじ開けようとドリブルを続ける。その強引さにたまらず佐藤がユニフォームを引っ張ってしまった。森田はシュートを打ったのだが、主審は『得点機会阻止』としてファールを取った。この判定で佐藤は一発退場となり、両チームともゲームプランを立て直すきっかけを作ってしまった。

松本監督は、3トップの一角、小石に代えてMF伊藤彰を投入し、前線からのプレスをあきらめ完全なゾーンディフェンスに切り替えた。ボールが自由に支配できるようになった大宮の三浦監督は、前半はこのままの状態で後半勝負とした。

後半に入り三浦監督は『45分で1点を取りに行く』作戦に出た。今シーズン、対鳥栖戦では3試合で2得点と苦労している。しかも80分過ぎの得点で、2勝1分けとは言え鳥栖の守備に手を焼いているからである。一人多い大宮の選手も監督の意図を読み取って、中盤で自由にボールをまわし鳥栖のDFのほころびを見つけては積極的に仕掛けてきた。

54分にはドリブルに定評のあるMF金澤慎に代えて鳥栖のカウンター攻撃に耐えられるようにMF島田裕介を投入する。あとは残り時間内に1点をあげるのみである。60分過ぎにはDFトニーニョを最前線へあげて前線にポイントを作った。72分にはスペースへの飛び出しを得意とする西村卓朗をDF斉藤雅人に代えて鳥栖のDFを崩しにかかった。三浦監督の意図どおりに後半だけで15本のシュートを鳥栖に打ち続けた。

しかし結果は両監督の意図するところとは別なところから訪れたように見えた。何としても勝利を欲しい大宮に対し、引き分け狙いかと思われた鳥栖だが、最終クールに入り勝ち星が無いチームの性なのか得点を取りに鳥栖は危険を顧みず攻撃を試みた。

負けたい監督はいない。選手ももちろんいない。戦う以上は『勝ちたい』はずだ。勝ち点3を求めて勝負をしているのは当たり前である。

でも、勝ち点は引き分けでも取れる。一人少ない中で戦っている鳥栖の状況では無失点では上出来かもしれなかった。85分にFW佐藤に代えてDF加藤秀典を投入し守りに徹したように見えた。この時点で残り時間5分。ロスタイムを入れても8分と考えられた。

が、わずかなほころびを鳥栖DF陣は見せてしまった。落合が最終ラインに入り大宮の攻撃を水際で防いでいたのだが、加藤のDFライン参加で落合がボランチの位置に上がってしまった。

『結果』を求める松本監督は、引き分けならば上出来と意図したのだろう。しかし、どんな形であれ『勝利という結果』を出せば申し分ない。慣れない最終DFラインで頑張っていた落合が一枚上がることにより皮肉な結果が訪れた。残り3分を切った時点で本橋のピンポイントクロスや伊藤の大実やボールをカットしてのシュートを見せてくれたのだが、この最後の粘りが鳥栖DFに一瞬の隙を作ってしまった。

ロスタイムの残り30秒。大宮DF冨田大介がシュートと見せかけてのセンターリングを上げた。中央で待ち受ける森田がヘディングで流すと、無情にも鳥栖ゴールへ吸い込まれていった。前半の途中から約55分間、大宮の攻撃に耐え続けた苦労がすべて消えてしまった瞬間であった。と同時に勝ち点『1』が消えた瞬間でもあった。

両監督とも『勝ち』にこだわった試合だった。大宮は昇格のために。鳥栖は来季につながるためにも・・・。しかし、同じ勝ち点でも『J1昇格』と『一つ上の順位』では選手のモチベーションに大きく差が出てしまう。勝ち点こだわるチームの差が、『結果』になって現れた試合であった。

大宮は昇格に向け、『貴重な勝ち点3』をあげた。対する鳥栖は残り時間とリーグ順位を考えると『大きな勝ち点1』を逃してしまったと言えるかも知れない。

以上

2004.10.24 Reported by サカクラ ゲン

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