今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第44節 鳥栖 vs 川崎F レポート】チームとサポータが一体となった鳥栖。年間王者の川崎Fに堂々と戦いを挑んだ最終戦(04.11.27)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
11月27日(土) 2004 J2リーグ戦 第44節
鳥栖 0 - 3 川崎F (14:04/鳥栖/5,650人)
得点者:'39 マルクス(川崎F)、'74 飛弾暁(川崎F)、'77 黒津勝(川崎F)
----------

長かったシーズンも、今節の川崎F戦で終了する。優勝を決めている川崎Fに勝てば9位でシーズンを終了する可能性が残っていた。しかし、この9位でシーズンを終了することより、松本監督はじめ選手たちはもっと違う意味をこの試合に感じていた。
今シーズン、鳥栖スタジアムに足を運んだファンは延べ7万人を超える。一試合平均3300人強である。この日の鳥栖スタジアムには、5000人を超えるファンが足を運んでいた。盛り上がるスタンド。この状況で、発奮しない選手はいない。その気持ちがプレーに見られた試合だった。

前節、鳥栖は3位争いをしている福岡相手に善戦している。先取点をあげて福岡を慌てさせた。このような試合を前節だけではなく、第31節川崎F戦で大敗(0-5)を喫して以来続けているのである。この12試合中、1点差で勝ったゲームが1試合。逆に1点差で敗れたゲームは6試合。引き分けが4試合と僅差で戦ってきているのである。結果は伴っていないが、確かな手ごたえをファンやサポータは感じ取っていた。おのずとチーム・選手は自信を深めていたようだ。

この試合、鳥栖はDF朝比奈伸とFW佐藤大実を出場停止で欠いていた。攻守の柱が不在となっている。それでも誰もが不安を感じることはなかった。代わりに入ったDF井手口純とFW鳴尾直軌の活躍を誰もが信じていたからである。前節、井手口は最終ラインからチームを鼓舞し、福岡の攻撃を食い止めてきた。鳴尾も数々の修羅場を経験してきたベテランである。今までの鳥栖の戦い方である前線からの激しいプレッシャーと自由なポジショニング交換には定評のあるプレーヤーだ。パートナーを組む竹村栄哉も絶対的な信頼を置く。
一方の川崎Fは、現段階でベストと考えられる布陣で臨んできた。ジュニーニョ、我那覇和樹、佐原秀樹を欠いていたとは言え、年間勝ち点を102点あげているチームだから侮れるわけがない。

試合は序盤から双方が持ち味を発揮する。鳥栖はFW陣が所狭しと動き回り、それに中盤の選手が絡みボールを前に運ぶ。DFも川崎FのFWに加藤秀典と山道高平がピッタリとマークし仕事をさせない。攻撃の要であるマルクスには落合正幸が張り付いている。川崎Fも奪ったボールはすばやく前線に送り、DFラインから押し上げるスピードある展開を試みていた。
しかし、両監督のゲームプランは、前半の30分を境に大きく変わってきた。それまで絶対的に仕事をさせなかった落合(鳥栖)が相手選手と接触し、負傷退場となったのである。中盤に起点が出来た川崎Fは徐々にゲームを支配し始めた。そのマルクスからボールを受けた黒津勝(川崎F)が、前半39分に鳥栖ペナルティエリア内で倒されてPKを得た。キッカーはもちろんマルクス。落ち着いてゴール右隅に決めた。鳥栖の頑張りに手を焼いていた観のある川崎Fが先制点をあげたのである。決めるときはきちんと決める。J2王者の成せる業を見せ付けたシーンである。

後半に入ると鳥栖はさらなるアグレッシブなサッカーを見せてくれた。後半のシュート数はJ2王者の川崎F同数の5本。43試合で101点を叩き出した攻撃力と同等の力を見せてくれた。
両チームの順位の差は、この日のチーム戦術よりも個人の技術の差なのかもしれない。一進一退のゲームの中で、追加点を奪う実力は、J1昇格内定を早々に決めただけのものはある。
後半29分に鳥栖のボールをカットした川崎FのDFが素早く右サイドで待つ長橋康弘にパスを通す。そのままドリブルで駆け上がると中央で待つ飛弾暁にセンタリング。GK富永康弘(鳥栖)が守るわずかなコースを突いて追加点を奪った。続いて後半32分には黒津が25mの距離のFKを直接ゴールへ叩き込んでしまった。個人の技術を見せつけた得点シーンであった。

残り時間は少なくなっても、この日の鳥栖は最後までボールを追いかけた。スタジアムに駆けつけてくれたサポータたちの声援を受けて・・・。
試合後のコメントで松本監督は選手を褒め称えた。スタジアムに集まってくれたサポータに感謝の念をあらわした。そして結果を出せない自分を責めた。
でも、スタジアムには松本監督の続投を望む大合唱がいつまでも続いた。0−3と敗れたチームに惜しみない拍手が贈られた。後半戦22試合で1勝しかあげていないチームに紙吹雪が舞った。これは、チームとサポータが一体になっていることの証明であろう。来年こそやってくれるに違いない。そう思わせる試合であった。

最後に特筆させていただきたい。
鳥栖の選手がスタジアムを一周し終わってからのことである。
スタジアムDJの掛け声で、J2王者になった川崎Fにスタジアム全員でエールを送ったのである。単なる拍手かもしれないが、FIFAが掲げる『フェアプレーとマナー』の精神を鳥栖スタジアムに集まった全員が表明したのである。
百年構想に基づいたJリーグの運営が、サガン鳥栖にも活きていることを知ってほしい。

以上

2004.11.27 Reported by サカクラ ゲン
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着