12月4日(土) J1・J2入替戦 福岡 vs 柏(13:00KICK OFF/博多球)
2004J1・J2入れ替え戦-Jリーグ公式戦初! NET LIVE中継特設コーナー
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98年に川崎FのGKとして入れ替え戦(参入戦)に出場していた浦上壮史と、同じく川崎Fの一員として出場していた大塚真司(現山形)が当時の試合の印象を振り返って全く同じ言葉を口にした。それが「異様な雰囲気」というものだった。
当時、JFLの中にあって準会員という立場だった川崎Fはシーズン2位以内を確定したことで入れ替え戦へ進出する権利を勝ち取っていた。同じく準会員だった仙台は、7位とふるわず、この入れ替え戦にすら進出できなかった。つまり98年当時の川崎Fにとって入れ替え戦は、1年を費やして勝ち取った最大のチャンスであり、と同時にそれを失う可能性を秘めた極限の戦いでもあった。だからこそ、彼らはその試合から「異様な雰囲気」を感じ取り、そして勝てるチャンスを潰し続け、ごく平凡なプレーの選択をミスし、敗退したのである。当時の福岡対川崎Fの試合のみが博多の森での一発勝負であり、今回の入れ替え戦のようにホームアンドアウェイ方式ではないという点で当時とは状況が違うのだが、トップリーグでの戦いをかけて戦うという部分に類似点は見いだせるだろう。
イングランドのトップリーグであるプレミアシップでは、プレミアの下位3チームと1部リーグ(実際は2部リーグ)の上位3チームが自動で入れ替わる仕組みになっているが、3番目の昇格チームを巡ってすさまじい戦いが繰り広げられる仕組みになっている。
1部リーグの3位〜6位のチームがプレーオフを戦い、最後の決戦はウェンブリースタジアムで行われるのだ。そしてこの試合はイングランド最大級のウェンブリースタジアムが満員になるのだという。100年を超える「見るサッカー」の歴史を持つサッカーの母国のファンも、入れ替え戦のおもしろさを知っているということが言えるだろう。
サッカーを見るものにとって心に響くものはいくつかある。もちろん華麗なプレーもそうだが、それと同時に必死さも感動を呼び起こす力を持っている。例えばそれは自分が失ったボールを取り返そうと死力を尽くす姿であり、ルーズボールを競り合う厳しさだったりする。そしてそうしたプレーは、魂が込められていなければ見ることのできない姿でもある。
死にものぐるいという言葉がある。これは生死をかけて戦う、という意味の言葉だが、入れ替え戦に進出した選手たちにとって、この試合の勝敗はまさに彼らの生活を左右するものとなる。降格したチームの選手は、厳しい査定が待っているだろうし、中にはプロとしてのサッカー選手の人生にピリオドを打たざるを得ない選手も出てくるだろう。そうした生活をかけたギリギリの戦いの中に、サッカーの母国の人達が喜びを見出すのは当然のことだといえる。
98年以来、6年ぶりに開催される入れ替え戦だが、サッカー選手が人生をかけて戦うその姿が楽しみである。そしてその試合の行方を注視したい。どちらが笑うのか。そして悲しみの涙に沈むのか。
以上
2004.12.3 Reported by 江藤高志















