今月3日に来日し、福島のJヴィレッジで周到な準備を進めてきたオンセ・カルダス。都内に移ってからも、練習中に報道陣をシャットアウトするなど、情報が漏れないように注意してきた。試合前日の会見でも、記者の質問をはぐらかすなど、ほとんどわれわれに情報を与えてくれなかった。そんなチームが公開した最後のトレーニングからも多くを知ることができなかった。夕方6時からスタートした最終調整は、終始リラックスしたムードの中で行なわれたからだ。
まず、注目したいのはルイス・フェルナンド・モントジャ監督だ。タイトルと縁がなかった地味なチームに2002年の12月に就任。すると、03年のコロンビア・リーグ前期でいきなり優勝し、04年のリベルタドーレスカップの出場権を獲得した。リベルタドーレスカップでは、ブラジルのサントスや昨年の世界王者ボカ・ジュニアーズを倒すなど、フロックではなく実力でトーナメントを制した。
現地の記者が一番に勧めるのは、長髪をなびかせるGKのフアン・カルロス・エナオだ。リベルタドーレスカップでは2度のPK戦で相手のキックをいくつも止めてチームに勝利をもたらした。反射神経が抜群で、ポルトの攻撃陣も手を焼くことだろう。攻め込まれれば、攻め込まれるほど彼の活躍が見られるだろう。
11月に行なわれた国内のゲームの成績は2勝1分け3敗で、決していい状態にあるとは言えない。だが、1年以上もの間ほぼ同じメンバーで戦ってきたので、お互いの癖や特徴は知り尽くしており、チームの完成度では、ポルトに勝っているだろう。
コパ・アメリカを若手を試す場にしたコロンビアは、リベルタドーレスカップを制したことで注目されたオンセ・カルダスの選手が多く試された。だが、そのほとんどがいまの代表に生き残ることができなかった。このようなエピソードからも、オンセ・カルダスが個々の能力ではなく、チームの力で勝ちあがってきたことが分かる。
一方のポルトは日本で多くの時間がなかったので、前日も引き締まった雰囲気の中でトレーニングが行なわれた。その中で行なわれたハーフコートのゲームではマニシェの豪快なヘッドが決まるなど、非常に高い集中力が保たれていた。レベルの高さを改めて感じさせられた。
気になるのは、11月20日に国内リーグのボアビスタ戦で負傷し、12月7日のチャンピオンズリーグ最終節のチェルシー戦を欠場したGKビトール・バイア。しかし、この横浜での一戦に照準を絞って調整してきたようだ。前日練習でも好セーブを見せるなどまったく問題はなさそうだ。
国内リーグでは7勝4分け2敗で暫定2位につけている。攻撃に爆発力はないが、失点は13試合でリーグ最少の8。チャンピオンズリーグは2勝2分け2敗で、4得点、6失点。最終節でチェルシーに逆転勝ちしたのは見事だったが、他会場の結果に助けられての決勝トーナメント進出で、運もあったことは忘れてはいけない。
また開幕前に監督が二度代わるなどしたため、チーム作りは順調ではなかった。だがここにきて、ようやくチームの形が見えてきた。7日のチャンピオンズリーグでは劇的な逆転劇でチェルシーを下した。そこでは、今までのチームになかった自信が徐々に芽生えてきたのだ。チームは明らかに上り調子だ。経験豊富なポルトガル代表も多く、先制点を奪えれば、コンディションのハンデも大きな問題ではなくなる。両チームとも攻撃よりも守備のチームなので、ロースコアのゲームになることが予想される。
以上
2004.12.12 Reported by 増田拓弥
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