12月12日(日)2004J1・J2入れ替え戦 第2戦
柏 2 - 0 福岡(15:04/柏/13,149人)
得点者:57' 宇野沢祐次(柏)、61' 波戸康広(柏)
-試合公式記録-
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「まだJ1でやるには早かったと思うしかない」(有光)
「J1のチームより何かが足りなかったと思う」(太田)
「僕たちに実力が足りなかったということが負けた原因」(山形)
ミックスゾーンに顔を見せた選手たちは、口々に力負けであったことを認めるしかなかった。自分たちが追い続けてきたサッカーを実践し、持てる力も十分に発揮した。試合の入り方も狙い通りのものだった。前半0−0も許容範囲。十分に戦えるはずだった。しかし、結果は0−2の敗戦。2点のビハインドを跳ね返そうと乗り込んだ柏サッカー場で、目の前に突きつけられたのはJ1のチームとの間にある差だった。
バランスの取れた守備とボールをシンプルに繋ぐサッカー。福岡はいつものサッカーで試合を進めた。リズムも軽快。第1戦で負った2点のビハインドによるプレッシャーもなく、伸び伸びとプレーしている印象だった。だが、逆に2点のリードを奪った柏はリスクを犯さずに巧みに試合を進めていく。ハーフウェイライン手前にゾーンを引いて福岡を待ち構え、カウンターから反撃のチャンスをうかがう。攻める福岡と試合を落ち着かせる柏。中盤の主導権を争う両チームの戦いは一進一退のまま時間が経過していく。
どちらが先に痺れを切らすか。試合は我慢比べの様相を呈していく。そして30分を過ぎた辺りから柏にミスが続く。勝負は次の1点。そんな緊迫した空気の中での試合が柏にプレッシャーを与えたのかもしれない。振り返ってみれば、この時間帯が福岡にとっては最大のチャンスだった。33分には有光のミドルが、37分には千代反田のヘディングシュートがゴールを襲う。そして43分、ペナルティエリア内にこぼれたボールに宮崎が右足を一閃。このシュートはGK南のファインセーブにあったが、柏をあと一歩まで追い詰めた時間帯だった。
最大のチャンスを逃した福岡とは対照的に、柏は第1戦同様、福岡が見せたわずかな隙を突いてゴールを奪う。後半から太田を投入した福岡が上手く太田を使えないと見るや、太田の落としたボールを奪って逆襲。そのすばやい出足に戸惑う福岡を確認すると、全員が連動して前に出る。そして57分、千代反田のキックをカットしてチャンスを広げると、最後は宇野沢がゴールネットを揺らす。さらに61分、チームのバランスを立て直せずに混乱状態にある福岡に襲い掛かり、福岡にとっては絶望的とも言える2点目を奪った。
この30分から61分にかけての時間帯は、両チームの力の差を見事なまでに浮き堀にした。ほんのわずかな隙を、ここが勝負とばかりに鋭い嗅覚でゴールに結びつけた柏と、攻め込んだものの同じリズム、同じパターンでゴールに結びつけられなかった福岡。これこそがJ1とJ2の差だった。偶然に思えた第1戦の柏2得点も、実は勝負所をかぎ分ける能力と、それを結果に結びつける能力の差に他ならない。
また、細かいところで少しずつ差があり、それが結果として大きなチーム力の差となって表れた試合でもあった。特に顕著だったのがスピードの違い。ボールに寄せる速さ、判断力の速さは柏が一枚も、二枚も上。ギアチェンジをしてスピードを上げたときの柏のプレーに福岡は付いていけなかった。シュートも然り。ほんの一瞬の躊躇があだになってシュートに持ち込めない福岡と、一瞬の判断でシュートを放つ柏との間には大きな差があったと言わざるを得ない。
しかし、それも福岡が力の全てを出した結果。いまは、その現実を正面から受け入れる以外にない。むしろ、全てを出し切っての敗戦は、自分たちの足りない部分を鮮明にし、福岡の課題が明確になったという点では意味のある試合だったとも言える。わずかに見えたが、実は大きな差が存在した柏と福岡。それを厳しい戦いの中で肌で感じられたことは来シーズンの大きな糧になるはずだ。もちろん、組織力をキープしつつも、個人の力の差を縮めることも重要な要素であることを忘れてはならない。
2004年の福岡の挑戦は終わった。「まだJ1でやるには早かったと思うしかない」(有光)。サッカーの神様は福岡に合格点をくれなかった。それは、もう1年J2でやり直せというメッセージでもある。J2のリーグ戦では経験することが出来ない多くのものに肌で触れた福岡。これを来年に生かしてこそ、今回の敗戦の意味がある。しかし、J2で優勝できるチームを目指したのでは、この差は埋まらない。J1で戦えるチームを目指すことで福岡はさらに大きく羽ばたくことが出来るのだ。
「我々にとって、J1への挑戦という戦いは終わってはいない。この経験から学んで突き進もう」。松田監督は試合後、選手たちにそう話しかけた。「サッカー選手として、これから先もある。来シーズンに向けて基礎からやり直したい」と水谷も決意を新たにする。悔しい思いと、貴重な経験は来シーズンの糧。福岡はともに戦ったサポーターとともに、さらに上のレベルを目指して、今日から新しい挑戦を開始する。
以上
2004.12.12 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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