今年で12回目を迎えたJユースカップ。いよいよ残すところは後3試合である。今回は23日に長居第二陸上競技場で開催される準決勝2試合について展望していいきたい。
【準決勝第一試合】鹿島アントラーズユース vs 浦和レッズユース
2004年12月23日(木・祝)11:00 Kick Off/長居第二陸上競技場
鹿島のこの年代はタレント揃いの世代として彼らが小学生時代からよく知られていた。現役時代、浦和南高校のMFとして全国を制した河崎淳一監督は、その彼らの加齢に合わせて、ジュニア、ジュニアユース、ユースと指導する年代を変えてきた、まさに鹿島のこの学年のスペシャリストというべき人物である。小中学生年代からの生え抜き選手が多数を占めていることもあって、チームとしての完成度の高さは恐らく四強で随一。攻守のバランスという意味でも秀でており、十分に栄冠を勝ち取るだけの資質を秘めている。
タフで最後までファイトできる選手が揃っているのも鹿島の特徴だ。特にボランチの吉澤佑哉(3年)はチームの心臓ともいうべき選手。ハードワークを苦にせず、的確に相手の攻撃をつぶしていく。準々決勝で決勝点を奪ったように、ここぞという局面での勝負強さも光る。トップ昇格が内定しているのも当然だろう。右MFでプレーすることの多い山本拓弥(3年)は元U-16日本代表でトップ昇格内定。彼もまたクレバーでタフ。攻撃の起点となるが、同時に守備でも効果的な仕事をこなせる選手である。この2人が核となる中盤のバランスのよさが鹿島の最大の売りだが、最終ラインも役者が揃っている。左DFの鈴木寿毅(3年)は素早いオーバーラップからのピンポイントでの左足クロスが光る好選手。右DFまたは右MFでプレーする滝川敬祐(3年)は縦への抜群のスピードを生かしてサイドを突破していく。中央はトップ昇格内定の大型CB後藤圭太(3年)とファイターの野本泰崇(3年)が堅牢な壁を築くのだが、準決勝はその野本が出場停止。その穴を埋められるかどうかが準決勝の鹿島にとって最大のテーマとなりそうだ。一方で攻撃陣は負傷者の多さもあって不透明だが、ここは二回戦で途中交代から活躍を見せた黒澤光士(2年)に期待したい。今年は負傷に苦しみ、夏以降出場機会が減っているものの、スピードに乗ったドリブルは一級品。浦和守備陣を脅かす存在となれるはずである。
対する浦和は今夏にそれまでチームの指揮を執っていた菅野将晃監督が辞任。大きく揺れたチームだったが、夏以上の力を蓄えて今大会に参戦。台風の目となっている。
その原動力となっているのは何と言ってもセルヒオ・アリエル・エクスデロ(1年)だろう。夏までの基本システムだった4-4-2が監督変更で3-5-2になったことにより、彼の個性がもっとも生きる「トップ下」のポジションが生まれたことが大きかった。両手を巧みに使いながらパワフルなドリブル、ゴール前でのセンス、そして決定力という強力な武器が遺憾なく発揮されるようになった。このアルゼンチン人の覚醒と時を同じくして、周囲も活性化している。特に同じ1年生のFW鈴木竜基はここまで9得点と残っているチームでは最多得点を記録。持ち前のスペースへ抜け出るタイミングのよさは磐田戦でも際立っていた。2トップを誰と組んでも対応できる応用力の高さも魅力だ。もう1人、右サイドの西澤代志也(2年)の存在も忘れてはなるまい。彼が自慢の突破力で鹿島の左翼に穴を開けられるかどうかは、エクスデロと吉澤のマッチアップと並ぶ試合の行方を大きく左右する要素となりそうである。守備面は二回戦で安定感抜群の守護神・大橋基史(2年)が大忙しとなったことでも分かるように課題が満載だが、広島に次ぐ攻撃力を誇る磐田に「攻め勝った」チームである。準決勝でも数少ない3年生である川嶋正之を中心に粘り、エクスデロを起点にした速攻で鹿島を攻め破りたい。
【準決勝第二試合】サンフレッチェ広島ユース vs ヴェルディユース
2004年12月23日(木・祝)13:30 Kick Off/長居第二陸上競技場
広島は強い。間違いなく強い。もはやおなじみとなった森山佳郎監督の熱血指導に牽引されたチームが目指すのはもちろん連覇である。
昨年のチームは組織、グループとしての強さが際立っていたが、今年のチームはとにかく「個」が目立つ。中でもやはり傑出しているのはU-19日本代表の前田俊介(3年)だ。基本的に3トップシステムの中央に位置しているが、状況に応じて中盤に下がったり左右にも流れるが、どの位置でも相手にとって大きな脅威となる。ダイナミックなひらめきと傑出したスキルを生かしたプレーは必見。足の状態が万全でないこともあって動きの量は少ないが、それでも1試合のどこかで必ず一つはビッグプレーを見せてくるはずである。
ただ、前田は確かに凄いが、前田だけのチームというわけではもちろんない。左FWの平繁龍一(1年)のパワフルなプレー、右FW木原正和(2年)のスピード、そしてトップ下に位置する桑田慎一朗(3年)のシャドーストライカーにもゲームメーカーにもなれるプレーも注目である。Wボランチを形成するU-19日本代表の高柳一誠(3年)とU-17日本代表の柏木陽介(2年)のコンビも面白いが、日本代表経験者をズラリと揃えた守備陣も強力だ。GK佐藤昭大(3年)を中心によくまとまっており、大きな隙はできそうにない。これほど強力なタレントを揃えたチームはここ数年のユース年代で類例を見ない。精神面のタフネスも特筆に値するレベルで、クラブユース選手権、高円宮杯に続く「三冠」の可能性は高そうだ。
ヴェルディにとってはこの試合は「リベンジ」である。10月の高円宮杯準々決勝。広島と対戦したヴェルディは0-6という完膚なきまでの大敗を喫してしまった。今大会の目標は自然と「広島ともう一度戦うこと」と定まったのである。
今大会のヴェルディは決してチーム状態がよいわけではない。一回戦の愛媛戦でもスコアこそ4-1だが、相手の狙いにまんまとはまって振り回された後の逆転。二回戦の大分戦では内容で圧倒された末の辛勝だった。ただ、見方を変えれば、狙いどおりのサッカーができずとも粘り強く戦えているとも言えるわけで、元より思い通りにいく可能性の低い広島戦へ向けて貴重な経験を積み上げたと言えるかもしれない。
この試合のヴェルディの鍵を握りそうなのは中盤の中央でコンビを組む須藤右介(3年)と富田晋伍(3年)の2人だ。須藤は正確なキックと冷静な判断力が光る選手で、来年から名古屋入団が内定している。一方の富田は攻守で粘り強いプレーを見せるマルチプレーヤーで、仙台入団が内定済み。両選手ともに高円宮杯では広島の攻撃に振り回された末に退場してしまっており、この試合へ賭ける意気込みは人一倍。広島の攻撃をJユース屈指のこのコンビが寸断できるかは勝敗の分かれ目となりそうだ。
攻撃面では2トップの一角を占める大型FWの林陵平(3年)が好調を維持しており、ポスト役として広島陣内へ楔を打ち込み仕事を期待したい。彼がMF陣に「前を向かせる」仕事をこなせれば、広島に対する勝機は大きく増すはずだ。出場停止から復帰するU-17日本代表の弦巻健人(2年)の存在もポイントだろう。「勝ったらいじるな」の原則通り、スタメンは大分戦から変更しない可能性も高いが、たとえ途中出場でもドリブル、パス、シュートの3拍子を揃えた彼がキーマンとなることに変わりはない。高円宮杯で激突した時とは異なり、ヴェルディはある程度リアクションサッカーになることを覚悟して試合に臨むはず。広島があの時のイメージのままヴェルディと対峙するなら、そこに隙が生じそうである。
以上
2004.12.22 Reported by 川端暁彦
J’s GOALニュース
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