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【第84回天皇杯決勝:東京V vs 磐田 プレビュー】若さという武器を活かし、東京ヴェルディ1969としての初タイトルを狙う(04.12.31)

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1月1日(土)第84回天皇杯全日本サッカー選手権決勝
東京V vs 磐田 (13:30/国立)
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いよいよ東京Vが元日決戦に挑む。

準決勝G大阪戦での勝利後、MF小林慶行は「素直に嬉しい。ずっと昔のヴェェルディと比較されてきましたから」と呟いたが、まさに「自分たちがヴェルディにいたという歴史を刻む最高の舞台(小林慶行)」が整った。

天皇杯では過去4回の優勝実績を持つチームだが、前回の優勝は第76回大会と8大会遡る。当時の呼称はまだ「ヴェルディ川崎」で、優勝メンバーのうち現在もヴェルディでプレーをしているのはMF林のみ。この8年の間にチーム名が変わり、選手も大幅に入れ替わった。しかしタイトルはおろか、降格の危機に晒されるなどの低迷期を迎え、いまだ「ヴェルディ」のスター選手といえば三浦カズ、ラモス、北澤らの名前が違和感なく挙げられるのが現状。現存の選手達にとっては「読売」時代を含め、名だたる先輩達の存在は目標であると同時に越えなくてはいけない壁として常に意識せざるを得ないものだった。

しかし、若手が急成長を遂げた今年、ようやく「東京V」としての初タイトルを手にするチャンスが巡ってきた。「今、チームは一歩変わる節目にいる」と話すのはMF相馬。ここでタイトルを獲れば、この若いチームに必要だと感じていた「絶対的な自信」を手にすることができると彼は確信している。

その決戦の相手は天皇杯連覇を狙うジュビロ磐田。

この一戦をアルディレス監督は「経験対若さの戦い」と表現した。準決勝での先発の平均年齢は磐田より4歳ほど若く、24.5歳だった東京V。そして大部分の選手達が「決勝戦」に挑むのは「大学2年生以来」(小林慶行)、「全日本ユースの決勝以来」(MF小林大悟)、「ジュニアユース以来」(FW飯尾、平本)と、プロになって初めてだと口を揃えるのに対し、数々のタイトルを手にしてきたベテラン選手達を擁する磐田との経験の差は歴然。

確かに今季2連敗となったリーグ戦でも、「経験」は勝敗を分けた。とくに2ndステージでの対戦では試合を優位に進めながら、少機を活かした磐田にリードを許し、そこからはいい流れをことごとく磐田に切られる展開で、結局追いつけないまま試合終了。試合後「勝てた試合だった」と肩を落とす選手達は「経験の差が出た」という言葉を繰り返している。

当然、決勝戦という独特の雰囲気の中にあっては、経験というアドバンテージは大きな意味を成すものだろう。しかし、逆に「思い切りの良さ」、「勢い」も磐田にとっては充分脅威になるはず。自身がその「若手」である小林大悟も「相手が経験豊富なのはわかるけど、その分思い切りいける」と話す。夢見ていた五輪代表に選ばれることができなかったFW平本も「山本監督が率いる磐田とは早くやりたいと思っていた」と力強く語る。

更にアルディレス監督は「若さゆえの愚かさ」も武器のひとつにあげた。「考えすぎると違う方向にいったりするが、彼らは長く考えない」とし、「だから彼らは恐れていない」と語った。実際、前日の練習でも選手達は「特別な年越し」を楽しんでいる様子で、殆どの選手が初体験となるこの大一番に向けた過度の緊張や気負いは感じられない。これも「怖いもの知らず」だからこそなせる業というわけだ。

となるとキーになるのは「先制点」か。いい試合の入り方をし、先手をとることができれば勢いを持続させることができるが、一旦リードを許してしまうと試合巧者である磐田を相手に若い選手達のもろさが出でしまう危険性は大きい。先制点はどの試合でも重要なものだが、この試合でのそれは更に大きな意味を持つだろう。

「若さが勝つか、経験が勝つか」。私たちはこの試合を観ながら、2005年のサッカー界に思いを巡らせてみるのも楽しいかもしれない。

以上

2004.12.31 Reported by 高木聖佳
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