1月1日（祝）第84回天皇杯全日本サッカー選手権決勝

東京V 2 - 1 磐田 （13:32KICK OFF/国立/50,233人）
得点者：'35 飯尾一慶（東京V）、'53 平本一樹（東京V）、'77 西紀寛（磐田）
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○アルディレス監督（東京V）
「非常にうれしい。このステップが必要だった。ずっとよいプレーをしてきて、ここまで来た。そして、この難しい試合でタイトルを取ることが出来た。
11人対11人の時は、我々が磐田を上回っていたと思う。ゴールチャンスも作っていた。点を取ってから、前に行かなくなってしまった。それは経験不足によるものだ。磐田はそれを利用して攻めてきた。
小林慶が退場になってからは、形を崩さないようにすることを心がけた。磐田は押し込んでくるだろうと予想されたので、なんとか持ちこたえてカウンターを狙おうとハーフタイムに伝えた。その通りの展開で2点目が取れ、山田がチャンスを作れた。後半は持ちこたえるということがテーマだった。
選手たちは、ギリギリでなんとかクリアするような場面もあったが、勇敢にそれを実行した。
東京Ｖのクラブハウスには、たくさんのトロフィーがあるが、そこに新しいものを加えることができた。この優勝は、クラブにとっても大きな出来事だ。来季はさらによいチームになるだろう。勝つことに慣れ、タイトルを獲得したことをよい経験にできる。今日は特別な日で、私はとても幸せな気分だ。クリスマスも新年も日本で迎えた甲斐があった」

Ｑ：今日の試合に臨む選手の態度が非常に前向きだと感じたが？
「タイトルから遠ざかっていたため、準決勝などでも、自分たちが優勝して表彰されるかもしれないという立場にいることを選手たちが感じ取れないでいた。しかし、ポジティブに努力し、ネガティブな発言を一切しないようにした。過去にはネガティブになることもあったと思うが、今は違う。このように向かわせることは監督としてもっとも大事な仕事で、特に若手に対しては大事なことだった。この6か月で大きく成長した若手がたくさんおり、相馬、小林大、小林慶は日本代表に推薦できる。平本や森本もおり、これから明るい将来が待っていると感じている」

Ｑ：経験と盛んに発言されているが、それはどのようなものだと考えるか？
「たとえば、イエローカードの枚数だ。我々は6枚で、磐田は後半に1枚もらっただけ。
1人少なくなって、磐田はあらゆる手を使って仕掛けてくるだろうと思った。経験というのは、たくさんのゲームをこなすこと。それによって、その状況で何が有効かがわかるということだ。磐田がロングボールを入れてくるだけだったら、我々としては楽だっただろう。しかしＤＦラインからつないで、最後には東京Ｖのゴール前まで攻め上がってきた。
我々は若さゆえの無知という強味で勝った」

Ｑ：林や米山など、ベテラン選手の働きについて
「賞賛されるのは若い選手が多いが、チームのベースは経験豊富な選手たちだ。特に、林はポジションからいってもキープレーヤー。今季の林は特にハイレベルで、チームの支柱になってくれた。若手は意識せずにいろいろなことを行うが、それだけでなく経験のある選手は必要だ」

Ｑ：これまでＪリーグで多くの優勝を経験しているが、成功の秘訣とは？
「運です（笑）
コーチングスタッフやチームに関わるすべての人が協力してくれ、清掃をする人や調理をする人までがファミリーとして仕事をできる環境にあれば、このような結果になるということ」

Ｑ：天皇杯での「経験」を生かし切れないチームが、時々あるが？
「不吉なことは言わないでください（笑）。この経験はしっかり生かさないといけない。
EUROを見ても、ギリシャの優勝は予想していなかっただろう。サッカーという競技から我々へのメッセージというのは非常にシンプルなもので、それは『何が起こっても不思議ではない』ということだ。だからこそ、絶対勝つんだという信念を持つことが重要になる。天皇杯でも名古屋、Ｇ大阪とアウェイの状況下で戦った。非常に難しい試合だったが、絶対に勝つという自信を持って臨んだ。
私は来季に対しても楽観視している。ワシントンというブラジルの得点王を獲得できた。これはよい補強になると思うし、他にもよい補強ができればリーグで上位もねらえると思っている。もちろん成長している若手もいるので、楽観視できるのだ」

以上