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【第83回全国高校サッカー選手権大会 準決勝:星稜 vs 市立船橋 レポート】白熱の一戦。PK戦を制し、市立船橋が決勝へ(05.01.08)

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第83回全国高校サッカー選手権大会 準決勝
2005年1月8日(土)国立霞ヶ丘競技場
14:10 Kick Off
第二試合:星稜(石川)2 (4 PK 5)2 市立船橋(千葉)
得点者:3分田宮(星稜)、29分小山(市船)、69分白山(市船)、大畑(79分)
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 またもPKだった。これまでの選手権で市立船橋を苦しめ続けたPK戦にまた入ってしまった。「PKはみんな落ち着いていたけど、ボクはハラハラでした」と中村勇紀(3年)はその心境を素直に吐露した。

 国見の敗戦で、にわかにざわめく国立のピッチに、真っ白なユニフォームの星稜と、真っ青なユニフォームの市立船橋が登場した。試合はいきなり動いた。
 
 前半3分、右サイドに上がっていた星稜の大畑将徹(2年)が前線へ速いパスを送る。そこに反応した田宮裕之(3年)のシュートが先制点となった。カギを握るであろうとされていた先制点だったが、それはあまりにも早い時間であった。「(先制されても)崩されてなかったし、早い時間だったから取り返せる」と市立船橋の主将、渡邊広大(3年)は冷静だった。

 むしろ、その1点で浮き足だったのは星稜だったのかもしれない。本田圭佑(3年)を中心に素早くパスを回して行くも、市立船橋の固い守備はなかなか崩れない。中盤の薬袋克己(3年)や鈴木智博(3年)がサイドをしっかりケアしながら、星稜の攻撃の芽を摘んでいく。今か、今かとチャンスを狙いながら。

 前半29分、星稜ディフェンスのクリアボールを壽透(3年)が拾うと、鈴木を経由し最後は、小山泰志(1年)へ。GKの位置を確認しながら小山は落ち着いて右隅に蹴りこんだ。1-1。試合が振出しに戻った。

 ややこう着状態が続き、攻め手に欠く両チーム。先に動いたのは星稜の河崎護監督。後半開始に田宮に変え那覇西戦で前線をかき回した塩原晃司(1年)を投入する。しかし流れを引き寄せられないまま。一方、市立船橋は我慢の時間を続け、星稜の選手たちにやや疲れの見え始めた後半25分、俊足のFW白山智一(2年)をピッチに送る。すると、その起用がずばり的中する。後半29分、鈴木からの緩いパスに白山がディフェンスより少し早く反応。快速で星稜ディフェンス3人を振り切ると、GKを一度見て右足でゴール。自らが気合いを入れるために切ったという、市立船橋ではめずらしい坊主頭は、勝ち越しゴール後真っ先にスタンドへ走って行った。「やったぁ!って思いました」と白山は会心の笑顔で振り返る。2-1の逆転。残りは10分もない。あとはこの1点を守ればいい。

 しかし、決勝への道は、そう簡単に開かない。あと1点。必死でボールを追う星稜に押されるように、市立船橋の選手が全員、自陣に戻り懸命に跳ね返していく。それでも、後半ロスタイム。3分の表示の、まさにその3分に入ろうかとした瞬間だった。気迫でもぎ取ったCK。左サイドから橋本晃司(3年)の蹴ったボールはファーにいた大畑の下へ。「きたって思ったら体が動いていた。あまりよく覚えてないんです」と無我夢中で動かした右足で、起死回生の同点弾を叩き込んだ。「笛が鳴るまで、気を緩めないでやってほしいと話したんですが、甘さがでて、セットプレーを与え同点ゴールになってしまった。そこが残念」(石渡靖之監督)。直後、試合終了のホイッスルが鳴った。

 市立船橋は初戦に続き2度目のPK。星稜にとっては「流れはきたと思った。PKになったら勝つと思っていた」(本田)と勝利に近づいたはずだった。

 陽が傾きかけた国立で悲鳴のような歓声とどよめきが2度起こる。互いに1人ずつの失敗。この日のゲームを表すかのように2人目で星稜が外し、4人目で市立船橋が止められるという展開に、スタジアムも静まり返る。そして、運命の6人目。市立船橋の壽がきっちり決めたのに対し、星稜の三木卓哉(2年)が蹴ったボールは無情にもバーのはるか彼方へ。

 最後に勝者となった市立船橋。一戦一戦強さを増し決勝へたどり着いた。2年ぶりの王座奪還へ。日本一への扉が見えた。

以上

2005.1.8 Reported by 青柳舞子
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