今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【ヤマザキナビスコカップ:第3節 G大阪 vs 東京V レポート】吉原、会心の2ゴール! G大阪、主力不在でも東京Vから5点を奪って勝利(05.05.21)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
5月21日(土) 2005 ヤマザキナビスコカップ 第3節
G大阪 5 - 3 東京V (14:00/万博/5,472人)
得点者:'20 吉原宏太(G大阪)、'31 アラウージョ(G大阪)、'45 吉原宏太(G大阪)、'48 シジクレイ(G大阪)、'57 小林慶行(東京V)、'69 ワシントン(東京V)、'77 アラウージョ(G大阪)、'89 ワシントン(東京V)
----------

 大阪・万博記念競技場で行われたG大阪対東京Vの一戦は、日本代表の3選手(大黒、遠藤、宮本)を欠くG大阪が、吉原の2ゴールなどでベストメンバーの東京Vを5対3と下した。これで2勝1分けとしたG大阪は勝ち点を7に伸ばし、Bグループの首位を守った。一方、今季2度目となるワーストタイの5失点を喫した東京Vは1勝1分け1敗となり、勝ち点は4で変わらず。川崎Fが広島に勝利して勝ち点を5としたため、順位を3位に下げた。

 これまでのJ1リーグ戦では3位と好成績を残しているG大阪。その原動力は、なんといっても10ゴールを決めて、得点ランキング単独トップに立つ大黒である。その大黒が日本代表に選出されたため、得点力を不安視されたFW陣だが、その心配は試合開始とともに一気に吹き飛んだ。この試合でヒーローとなったのは、5月1日のJ1リーグ第9節・神戸戦以来の出場となった背番号18、吉原宏太だった。

 一時は西野監督と起用法について衝突し、戦線を離脱した吉原。しかし、その後に監督と和解すると、サテライトでの練習の成果が認められ、J1リーグ戦10,000ゴールを記録するなど評価を上げる前田や、ベテランの松波を押しのけて、スタートから万博のピッチに立つ権利を勝ち取った。スターティングイレブン発表時には、G大阪サポーターから「待ってました」といわんばかりに、この日一番の大声援を送られた吉原は、早速プレーで応える。

 序盤からもたつく東京Vの守備陣を相手に、9分には後方からのロングパスを難しい態勢ながら豪快に右足でダイレクトシュート。15分には二川からのふわりとしたクロスを受けて、今度は左足でシュート。ともに枠外にそれるも、吉原は調子のよさを見せ付ける。すると、3度目の正直は20分にやってきた。中央でフェルナンジーニョからのパスを受けると、少し右に流れながら、強烈に右足を振り抜き、会心のゴール。「絶対に今日は決めたかった」という吉原は、先制点を決めたあと、タッチライン際、ハーフウェーラインあたりでガッツポーズ。すぐにタッチラインに飛び出して喜びを表した西野監督ともハイタッチをかわした。

 なおも、東京Vのちくはぐなディフェンスに付け込んだG大阪は、攻撃の手を緩めない。31分には自陣ゴール前からの一瞬の隙を突いてカウンターを仕掛け、フェルナンジーニョ、吉原とつないで最後はアラウージョがゴール。リードを2点に広げた。

 対する東京Vは前半28分の段階で3バックの中心である戸田を下げて森本を、35分には平野に代えて玉乃を投入し、4バックに修正してきたが実らず。前半はこのまま2-0、G大阪リードで折り返す。

 後半に入っても主導権はG大阪。その口火を切ったのは、またしても吉原だった。後半開始直後、二川のパスを受けて中央を抜け出すと、そのまま右足で流し込み、自身2点目のゴールを決めた。今度はゴール裏のサポータースタンドまで駆けていき、吉原は全身で喜びを表現した。

 さらに、その3分後にはCKからシジクレイが押し込み、4-0としたG大阪。これで「試合は決まった」と、西野監督も、G大阪サポーターのだれもが思ったが、東京Vも意地を見せる。51分に平本に代えて戸川を送り込み、再びシステムを3バック(前線はワシントンと森本の2トップ)に戻して安定感を取り戻すと、57分にはCKから小林慶が蹴り込んで反撃の狼煙を上げる。69分にはワシントンのPKで2点差にすると、その3分後にもPKを獲得。しかし、ここではワシントンのキックがG大阪GK松代の好セーブに遭い、点差を詰められない。

 すると77分、G大阪にダメ押し点が入る。決めたのは吉原とともに好調だったアラウージョ。左サイドからドリブルを仕掛けると、ゴール前まで持ち込んでそのままニアサイドに突き刺した。J1リーグ戦でも得点ランク3位(8ゴール)に付けるアラウージョの活躍でリードを広げたG大阪は、後半ロスタイムにワシントンにゴールを許すも、5-3で逃げ切った。

 大量得点から一時は集中が途切れ、追い上げを許したことには課題の残るG大阪だが、主力不在でも層の厚さを見せ付けたことは今後に追い風となるだろう。特に吉原の存在は、チームに不可欠なものだと実感させてくれた。また、児玉、渡辺などリーグ戦で出場機会に恵まれていない選手もコンスタントなプレーでチームに貢献し、「おれたちもできるんだ」といった姿勢を見せてくれた。東京Vが機能不全に陥っていたとはいえ、様々な意味においてG大阪にとっては価値のある勝利となったはずだ。

2005.05.21 Reported by 前田敏勝
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着