5月21日(土) 2005 J2リーグ戦 第13節
横浜FC 1 - 1 福岡 (14:04/三ツ沢/4,890人)
得点者:'67 グラウシオ(福岡)、'83 ジェフェルソン(横浜FC)
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拮抗した試合が予想された横浜FCと福岡の対戦は、激しくぶつかり合う展開から福岡が主導権を握って67分に先制。しかし、粘る横浜FCは強引に反撃に出て83分に同点ゴールをゲット。その後は互いに激しく攻め合う展開となったが、結局、決勝ゴールは生まれずに1-1の引き分けに終わった。アグレッシブに戦ったものの勝ち越せなかった横浜FC。守りきれずに引き分けに持ち込まれた福岡。ともに勝ちきれない流れから脱することが出来ないままに試合を終えた。
高い位置から激しくプレッシャーをかける横浜FCと、セカンドボールを拾って中盤を組み立てる福岡という図式で試合は始まった。拮抗した展開から攻め込むのは福岡。ワンボランチ気味の小野信義の周りにあるスペースをうまく使って前に出る。しかし、セカンドボールを支配されながらも、横浜FCは激しくボールに寄せて福岡の攻撃を潰しにかかる。特に林に対しては激しくチャージして高い位置で起点を作らせなかった。互いの決定機は1度ずつ。ボール支配率で劣りながら、福岡にシュートチャンスを与えない試合運びは横浜FCの狙い通りのものと言えた。
しかし、後半に入ると疲れの見え始めた横浜FCに福岡が襲い掛かる。横浜FCから前に出るパワーが消え、ゴール前に釘付けにされるシーンが増えていく。たたみ掛ける福岡は松下を下げて有光を前線に投入。中盤をホベルトのワンボランチにしてグラウシオをトップ下に置く。更に62分には中村北斗を下げて宮崎をピッチへ。右サイドの攻撃にパワーを加える。そして67分、ホベルトからのパスを受けてグラウシオが強引にドリブル突破。振り抜いた右足から放たれたシュートがゴールネットを揺らした。
この時点で試合の主導権は福岡。ほとんど攻め手を見つけられない横浜FCに反撃は難しいと思われた。ところが、横浜FCはここから再び前に出る。71分には内田から大友へ。76分には小野智吉から吉武。更に78分にはシルビオを下げて北村をピッチに送り出す。そして、北村を加えた3トップに加え、大友、吉武までもが前線に上がり、そこへ向けてロングボールを放り込む。次第に下がっていく福岡。横浜FCが激しく攻め続ける時間帯が続く。そのアグレッシブさが実ったのは83分、CKのチャンスにジェフェルソンが頭で合わせてゴールネットを揺らした。そして、試合はこのまま1-1で試合終了のホイッスルを聞いた。
福岡は2点目が取れず、終盤の時間帯を守りきれずに引き分けた。何度となく繰り返されるパターン。志向するサッカーに間違いがあるわけではなく、積極的に勝負しようという気持ちも伝わってくるのだが、どうしても勝利という結果が出ない。攻守にわたってディテールの部分でズレが生じ、それが今の状態を招いているように見える。そのズレはほんのわずかなもの。しかし、そのわずかなズレを福岡は修正しきれずにいる。
「京都戦の後半、今日のゲームというところで、選手の戦う姿勢というものを見ていただいたと思う」。横浜FCの足達監督は引き分けという結果にも一定の評価を与える一方で、「これが最低限の基準」とも口にした。チーム上昇の兆しは見えたが、得点力不足という課題が解消されたわけではなく、しかも勝ち星からは見放されたままだからだ。「喜んでいる選手もいるが俺たちは勝っていない。分けて喜んでいるようじゃ、まだそういうレベルなんだ」。試合後、そうイレブンに話したという城。チームが成長するためには、引き続き、厳しい中でトレーニングを積み重ねていくことが求められている。
2005.05.22 Reported by 中倉一志
以上
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