5月28日(土) 2005 ヤマザキナビスコカップ 第4節
新潟 1 - 1 大宮 (15:00/新潟ス/40,092人)
得点者:'40 藤本主税(大宮)、'70 ファビーニョ(新潟)
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試合後、新潟のメンバーは4万人のサポーターの「アルビレックスコール」を受けながら、場内を一周した。大宮はゴール裏の一角に陣取ったサポーターに深々と頭を下げて引き揚げた。どちらも笑顔はない。とりつくろったような無表情が、不完全燃焼の内容を物語る。
「全体的には悪くない」。記者会見の席、こう切り出した新潟の反町監督は、「相手の4バックの裏を突けなかった」と続けた。大宮の三浦監督は「押せ押せの新潟の攻撃を最後はよくしのいだ」と言いながらも、「勝点1は悔しい」と本音を口にした。
前半40分、ペナルティーエリアに進入した大宮のクリスティアンがシュートを放つ。新潟のDFに当たったこぼれ球を藤本が拾い、ほぼフリーの状態からゴールを奪った。
新潟は前節・浦和戦でもこぼれ球を奪われて先制点を許している。「こぼれ球はケアが難しい状況もあるが、常に意識している。悔しいですね」。新潟のDF高橋直樹は話した。ゴール前で一瞬の隙を突かれる失点パターンは、開幕当初からなかなか解消しきれていない。
一方でプラス材料も見えた。後半25分ファビーニョがゴール前中央付近、ペナルティーエリア外から同点のミドルシュートを決めた。「中盤とディフェンスラインの間に入ってシュートを狙うことを意識していた。ミーティングで確認していた通り」と胸を張る。2試合連続スタメンフル出場の海本幸治郎は「慣れていてやりやすい」という右サイドの中盤で、たびたび突破を見せた。これまでの新潟には見られなかった、守備を固めてくる相手を力で打ち破ろうとするシーンを作り出すことができた。
大宮は前節神戸戦に続いて3ボランチ。トップ下に入った藤本が3トップ気味に前線に顔を出す。ゴールへの意識の高さが、先制点につながった。ただ、三浦監督が「カウンターを仕掛ける場面で、時間をかけてしまった」と言うように、ミスにつけ込めないシーンも目立った。
4節までを終了してAグループ3位の新潟は予選突破が厳しい状況だ。次節、海本幸治郎が出場停止、加えて船越優蔵がこの試合、故障で途中退場し長期離脱の可能性が出てきた。それでもモチベーション
が低下することはない。「うちはアウエーで勝っていない。次節の神戸戦で勝点3を奪って帰ってくることが自分たちの使命」。反町監督はこう言い切った。
一方、Aグループ2位ながら決勝トーナメント進出の計算ができる大宮は、新しいシステムの精度を上げることが重要になる。
ともに今後の課題が浮き彫りになったドローだった。
以上
2005.05.28 Reported by 斎藤慎一郎
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