5月28日(土) 2005 J2リーグ戦 第14節
山形 1 - 3 鳥栖 (14:03/山形県/4,795人)
得点者:'22 新居辰基(鳥栖)、'32 鈴木孝明(鳥栖)、'52 阿部祐大朗(山形)、'71 新居辰基(鳥栖)
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「鳥栖は勢いのあるチーム。この勢いを止めたい」。この試合にあたり、山形・鈴木監督はそう話していた。それを体現すべく、山形は立ち上がりから佐々木が右サイドを突破。根本が飛び込み、内山が右足を振り抜いたが、枠をとらえることができない。流れは次第に鳥栖へ。
前半22分、山形陣内で宮原が3人に囲まれながら粘って掃き出したボールを、高橋がワンタッチで裏へ。「あれは3人目の動き。『出てきてくれ』と信じて走った」という新居が右足で合わせて先制した。
山形の守備の安定感は、先制されても慌てないところにあったが、この試合では修正すべき部分を逆に広げてしまう。先制点の5分ほど前、ディフェンスラインの手前で高林にミドルを打ち込まれたが、その同じような位置から、やはりフリーの高林にミドルシュートを許している。
「中盤の4枚の守備ができないうちに攻めろ。できるだけ早くボールを入れろというのが、今日のうちのいちばんのポイントだった」(鳥栖・松本監督)
2トップのスピードで山形のディフェンスライン、特にセンターバックを揺さぶり裏を警戒させ、ラインが下がると今度はその手前のボランチとの間にできたスペースを突く。山形のボランチが守備に切り替えるより早くサイドやラインの前後で仕掛け、山形の守備の中核は完全に骨抜きにされた。
また、それを可能にしたのがボールへの執念。先制点を挙げたあたりから球際の強さを発揮し、1対1で競り勝ち、攻撃につなげていった。
前半32分、フリーキックのボールが左サイドの高地に渡り、グラウンダーで折り返される。滑り込んだ鈴木が足で押し込み、追加点。ここでも山形のディフェンダーはマークこそしていたが、つかまえきれずにゴールを割られた。
圧倒された前半の後、「1点取れば流れは変わる」と鈴木監督に送り出された山形。後半7分と早い時間帯にその「1点」を取る。本橋が深い位置から上げたクロスに、阿部が中央ややファーサイドで、頭ならぬ「鼻」で合わせたもの。ブロックに飛び出したシュナイダーも思いがけない緩いボールに対処しきれず、6試合ぶりにゴールを割られてしまった。
ここで勢いに乗りたい山形だったが、後半15分に内山のシュートがクロスバーに跳ね返されてからはチャンスらしいチャンスがなく、ゴールネットを揺らしたのはまたしても鳥栖。後半26分、高林の縦パスをペナルティーエリア内で受け、「振り向いて前を向いたときに、少し間合いがあった」新居が、相手5人ほどに一気に囲まれそうになりながら右足を振り抜いた。
山形は勝ち点を伸ばせず3敗目。3敗はいずれも月末のゲームだ。鳥栖から2位を奪い返すことができなかったが、それ以上に、3点ともセンター線を割られての失点という、ショックの大きい敗戦となった。さらに、2トップが裏へ走った時にパスが出ず、その直後、マーカーとともに下がって来たところにパスを出して簡単に潰されるなど、攻撃においてもちぐはぐさが目立った。次節もホームゲーム。首位・京都を迎えるが、連敗は許されない。上位に食らいつくための瀬戸際の一戦となる。
「今まで置かれていたサガン鳥栖のクラブのいろいろな問題点、それを選手とサポーターの方、我々を支えていただいている多くの方々の、再生、新生と、とにかくこのクラブを立て直そうという気持ちが選手にも浸透してきて、よく頑張ってくれている」
緻密な戦略家でありながら、こうした浪花節調の記者会見が似合うのも松本監督らしいところ。勝ち点を25に伸ばし、2位をしっかりキープ。チームやクラブだけでなく、地域も一体となった鳥栖の快進撃はまだまだ続きそうだ。
以上
2005.05.28 Reported by 佐藤円
J’s GOALニュース
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