5月28日(土) 2005 J2リーグ戦 第14節
福岡 2 - 1 仙台 (14:04/博多球/7,299人)
得点者:'8 宮崎光平(福岡)、'40 林祐征(福岡)、'88 大柴克友(仙台)
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2分間のロスタイムの終わりを告げるホイッスルが鳴る。その瞬間、博多の森に大歓声が巻き起こった。第7節(4/16)の横浜FC戦以来、福岡が42日ぶりに挙げた勝ち名乗り。チームが、サポーターが待ち望んだ勝ち点3を奪い取った瞬間だった。
「勝利から遠ざかっていたが、今日はホームでの試合なので、どうしても勝ちたかった。ここから連勝したい。勝利に向けて頑張ります」。照れながらヒーローインタビューを受けた宮崎は力強く宣言した。
試合は立ち上がりから福岡のペース。そして8分、早々と福岡に先制ゴールが生まれる。グラウシオが右サイドを突破してシュート気味に中央へ入れたボールがDFに当たって宮崎の足元に。「絶妙のボールが来た」。狙い済ました右足から放たれたシュートがゴールネットを揺らす。そして、ここから福岡の攻撃がさらに迫力を増す。右サイドから、中央から、そして左サイドから。仙台はボールを追いかけるのが精一杯。福岡を止めることが出来ない。
「サイドバックが、一人、前の選手を捕まえ切れずに中盤が足りなくなる」(都並監督・仙台)。その修正のため、仙台はトップ下の大柴を左へ、そして左サイドにいた梁をボランチに下げて、中盤をダブルボランチに変更する。しかし、そんな仙台を突き放す2点目が福岡に生まれる。時間は40分、古賀からのスルーパスを受けたグラウシオが左サイドを突破。そこからのクロスボールに林が右足を投げ出すようにしてボレーシュート。そしてゴールネットが大きく揺れた。
攻めるしかなくなった仙台は後半から富田を投入。ショートパスをつないでサイドから攻める姿勢を強くする。もともと、攻撃のセンスがある選手を抱える仙台は、福岡がやや受身になったことも手伝って、いくつかの場面でチャンスも作り出した。
しかし、バランスを崩さずに守る福岡の壁は揺るがず。それどころか、仙台は不安定な守備を全く修正できずに、福岡にカウンターから決定的なシーンを作られた。ようやく終了間際に1点を返したが、試合の流れを最後まで変えることが出来なかった。
この試合を見る限り、仙台の問題は守備にあるようだ。梁が中に絞り、磯崎が中途半端な位置にいる左サイドは福岡にやられ放題。ここを起点にして、サイドチェンジから反対サイドの突破や、中央突破を図る福岡にいとも簡単に崩された。確かに、福岡の上げた2つのゴールは素晴らしいものだったが、いずれの場面でも、仙台の選手のボールに対する対応のルーズさが目に付いた。戦術的な問題もあるのだろうが、戦術以前に、ボールを追いかけるという姿勢に欠けていたように見えたのが残念だった。
さて、久しぶりの勝ち点3にも福岡・松田監督は表情を崩さない。早い時間帯に先制点を挙げられたこと。結果的に決勝ゴールとなった2点目を前半のうちに決められたこと。下がり気味だったラインを90分間を通して高い位置でキープしてコンパクトなゾーンを保てたこと。修正点はいくつも見られた。しかし、決定機を作りながら試合を終わらせる3点目を奪えず、終了間際にまたしても失点したこと等、課題も残されたからだ。
「課題はまだまだあるが、そういっぺんには解決できない。勝ち点3を苦しみながらも取りつつ前進していければいいなと思う」(松田監督)。
その言葉は、目先の勝利に一喜一憂せず、収穫と課題を整理しながら自分たちのサッカーを追求していくことに対する強い意思表示とも取れる。自分たちが積み重ねてきたサッカーを信じ、それを90分間発揮することに全てをかけるのが福岡のスタイル。その先にJ1昇格が待っていることを信じて福岡の挑戦は続く。
以上
2005.05.28 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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