5月28日(土) 2005 ヤマザキナビスコカップ 第4節
清水 3 - 2 C大阪 (15:00/日本平/10,743人)
得点者:'19 ゼカルロス(C大阪)、'27 斉藤俊秀(清水)、'33 西澤明訓(C大阪)、'54 平松康平(清水)、'59 高木和道(清水)
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この2チームの対戦としては予想外の打ち合いの展開。その原因については、くしくも両監督が同じ問題を指摘した。それは、チームが良い流れで来ている中での気持ちの緩みという点である。ただ、その緩みが出た時間帯は、両チームの間で異なっていた。
少し暑さが気になる中での15時キックオフ。立ち上がりはほぼ五分の展開で、ホームの清水も絶好調の平松を中心に攻撃はよく機能したが、守備にいつものような厳しさがない。「チーム状態が良かった分、過信ではないが、今日は少しフワッと感じで試合に入ってしまった」と長谷川監督が振り返ったように、C大阪のターゲットマンである西澤に対するチェックが甘く、自由にポストプレーをさせてしまう。
逆にC大阪は、中央からのスルーパスやワンツーを匂わせて清水のサイドバックを中央に絞らせると、そこで空いたサイドのスペースに展開してチャンスを作る。とくに、右サイドの久藤の切れが素晴らしく、狙っていた清水の左サイドを何度も突破した。
ただ、先制点は意外な形で生まれる。17分、C大阪が中央からワンタッチで素早くつなぎ、西澤のスルーパスから古橋が飛び出したところに、清水のDF斉藤がショルダーチャージからボールを外に蹴り出す。しかし、岡田主審はこれをファウルとしてPKスポットを指さした。清水にとっては不運な判定だったが、そこに至る展開は、マークの甘さをつかれたものだった。このPKをゼ・カルロスが決めて、C大阪が先制(19分)。
その後は、判定に対する不満でスタジアムが騒然となる中、清水が反撃に出て、27分にはリスタートからの久保山のシュートがこぼれたところを斉藤が押し込んで、きっちりと借りを返す同点ゴール。
しかし、その後も清水の守りはピリッとせず、33分のカウンターから久藤が山西をきれいに抜き去って西澤のゴールをアシストし、再びC大阪がリード。
後半は、長谷川監督の喝で清水が本来のディフェンスをかなり取り戻したのに対し、C大阪のほうは「2−1ままいけると思ってしまった」と小林監督が言うように、これまで通り守りきれるはずという安心感と緩みがどこかにあったかもしれない。
9分に清水がカウンターでチャンスを作り、平松が角度のないところから見事なシュートを決めて同点に追いついたが、C大阪の球際の守りにあまり激しさが感じられなかった。
これで勢いを得た清水は、盛り上がるサポーターの声援を背景に、さらにたたみかけるように攻める。そして同点とした5分後に、ボランチの高木和がペナルティエリアに強引に侵入し、こぼれ球を豪快に蹴り込んで逆転に成功した。
だが、打ち合いの展開はここまで。リードを奪った清水は、その後は攻め急ぐことなく、冷静に守りを整えて今年の清水らしいサッカーを展開。C大阪は、積極的な交代策で反撃に出ようとするが、前半のようなテンポの良い攻めはできないまま、じりじりと時計の針が進む。ロスタイムにC大阪が2本チャンスを作ったが、シュートはいずれもGKの正面に飛んで、結局3−2のままタイムアップ。
清水はこれで今季初の逆転勝利を果たし、勝ち点を10に伸ばして予選突破目前(2位のC大阪とは4差)。しかも、今日ゴールを決めた斉藤、平松、高木和は3人とも今季初ゴール(高木和はJ初ゴール)。攻撃のパターンも勝ちパターンも増えて、本格的に上昇気流に乗ってきた。
一方のC大阪は、この後きっちり兜の緒を締め直せるかどうか。この敗戦を「良い薬」(小林監督)にできれば、さらにチーム力を高めることも可能なはずだ。
以上
2005.05.28 Reported by 前島芳雄
J’s GOALニュース
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