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【ヤマザキナビスコカップ:第4節 東京V vs 広島 レポート】チーム力の底上げを目指す広島。ロスタイムで同点に追いついた東京V。どちらもストレスの残るドロー。(05.05.29)

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5月28日(土) 2005 ヤマザキナビスコカップ 第4節
東京V 2 - 2 広島 (19:03/国立/8,906人)
得点者:'19 平本一樹(東京V)、'78 ガウボン(広島)、'86 ガウボン(広島)、'89 ワシントン(東京V)
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「勝ちにこだわりつつ、どれだけ新戦力が融合してくるか。それがナビスコカップを戦う上でも、その後のリーグに向けても非常に大きなポイントだと思っていました。大幅に若手に入れ替えてしまうと、チームの質、ゲームの重みが変わってしまうので、少しずつ融合させていこうと思っていた」
名スカウトであり、分析のプロフェッショナルでもある広島・小野監督が、ある程度のテストが許されるこの機会を逃すはずがなかった。この試合、堅守を支える広島の砦・ジニーニョが出場停止となったが、今後も考えられるこのシチュエーションに小野監督はいつもの4−4−2ではなく、3−5−2という方法を用意。先週の川崎F戦、欠場した選手の役割を求めすぎ、「ひとりひとりの選手のよさを発揮させてあげられなかった」との反省から、今回は短所を補うのではなく「ひとりひとりのよさがかみ合うように」と長所の発見にかけ、さらにケガはもう問題ないという駒野をあえてベンチに置き、頼れる右サイドバック不在のシミュレーションをプラスしてこの試合に臨んだ。

結論から言えば、その解法の答えはそれほど魅力的なものではなかった。小野監督がハーフタイムで語ったように「いい飛び出しや3人目の動き」はある程度できていたが、広島の特徴である高い位置からの積極的なプレスと攻守の早い切り替えは影を潜めた。
その最大の要因はサイドの攻防戦で劣勢を強いられたこと。いつも2枚で対応していたところが1枚に減り、右サイドの茂原、左の服部がそれぞれ東京Vの平野、久場に押し込まれたことで、ダブルボランチを務めた森崎兄弟がそのフォローに行かなければならなくなった。これではアグレッシブな守備と速攻は期待できない。19分には東京V・平本にワシントンとのワンツーから、プレッシャーの緩い中盤を崩され先制点を喫してしまう。

結局、広島の抱える問題が解決したのは駒野が入ってからだった。これで通常の4バックに戻し、東京Vのサイドアタックを封じると、逆に広島が横から攻められるようになった。そして78分、その駒野のピンポイントクロスからガウボンが同点ヘッド。その8分後には、今度は左の服部が同じようなアーリークロスを入れ、またもガウボンが決めて逆転に成功した。試合はその後、ロスタイムの東京V・ワシントンの劇的な同点弾で2対2の引き分けに終わり、これで1分3敗・勝ち点1でBグループ最下位の広島の予選突破の道はさらに険しくなった。

「3バック自体はそこそこできたと思います」。小野監督はそう評価したが、4バック移行後のパフォーマンスと比べると、まさに「そこそこ」だった。ジニーニョ欠場の穴は、小村の奮闘もあってある程度埋まっていた。底上げという意味ではこの試合、ユース出身のMF桑田がチャンスを与えられたこと。前に飛び出していく動きやFWのフォローに回るプレーで小野監督も好評価を下し、それは新たな発見だった。
しかし、改めて判明してしまったのが駒野の絶対的な存在感。今回は駒野不在をシステムで補おうとし、前回は代わりとなる選手の発掘を目指したが、ともに満足な成果は挙げられなかった。前回の川崎F戦の場合は茂原が不在だったこともあるが、現状の広島は駒野ありきのチームという色が出てしまっている。駒野がいなくなった時の対処をどうするか、小野監督はもう少しこの問題に頭を悩ませなければいけないようだ。


以上

2005.05.29 Reported by 神谷正明
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