6月4日（土）J2 第15節 草津 vs 水戸（14:00KICK OFF/群馬サ）
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「北関東ダービー」と名付けられた草津対水戸の第2ラウンド。群馬県と茨城県の北関東同士の戦いは、ホーム・アウエーの年間4試合を通じて最も活躍した選手にMVPが贈られることになっている。第1ラウンド（7節）は、デルリスがゴールを奪い、水戸が1−0のスコアで先勝。第2ラウンドでは、デルリスの活躍を超える選手が登場するのか？

第1クールの対戦は、11位だった水戸と12位の草津との最下位をめぐる争いであったが、水戸はその後に順位を上げ、現在8位。粘り強いサッカーで勝ち点を拾っている。対する草津は、水戸との対戦のあと、積み重ねた勝ち点はわずかに2。前節・札幌戦でも1−3と良いところなく敗れた。

札幌戦では、ケガで戦列を離れ4試合ぶりのゲームとなった山口と、水戸戦以来6試合ぶりの出場となった氏家の経験豊富な両選手が先発した。久しぶりにゲームに戻った2人のコメントから、現在の草津が抱える問題点が浮き彫りになってくる。
終了間際に意地のゴールを決めた山口は「ゲームごとに、チームの『波』があり過ぎる。100％から20％になってはどうしようもない。また、1対1の場面や球際での競り合いで負けている場面が多い。あれだけやられたら組織が崩れるのは当たり前。力がないチームは、相手以上にがんばらなくてはいけないのに…」と振り返った。また、氏家は「前がプレスに行っているのに後ろが引いていたり、守備の意志統一が曖昧。守備の組織を一から作り直さないと厳しい。相手も分析してきているので、選手全員が同じテーマで動かないと勝てない」と話した。

手塚監督は守備の整備を優先課題に掲げて第2クールを迎えたが、結果だけをみれば3試合で7失点と、守備システムが安定したとは言えない。また、3バックに変えた影響からか、光が見えてきていた攻撃の形が薄れてきている。それに加えて、今節は攻撃の柱である山口が前節のレッドカードで出場停止。代役には樹森が有力だが、高須も調子を戻しており、選手起用、フォーメーションを含め、手塚監督は頭を悩ませているようだ。

水戸は開幕から4連敗はしたが、それ以降は4勝3分3敗と健闘。チーム力は確実に上がってきている。両サイドハーフの秦、関を始め、中盤の選手が良いパフォーマンスを見せ、デルリスに頼らないチーム作りが進む。草津の守備陣がデルリス1人に気を取られるようだと、長い距離を走ってくる2列目の選手への対応に苦労しそうだ。

現在、最下位の草津と、11位の徳島との勝ち点差は8。水戸や仙台らが形成する8〜11位までの集団からも離されつつある。これ以上、差が広がると順位争いから完全に「蚊帳の外」になりそうだ。
順位争いは選手のモチベーションを刺激する要素の一つ。それを失うことになると、意欲の低下を招きかねず、草津にとっては踏ん張りどころ。ここから脱出するためには、一つ一つ勝利を重ねていくほかに道はない。初勝利（4/2）以来約2カ月間、勝利から遠ざかっている草津は、この「北関東ダービー」で白星に飢えるサポーターに2勝目をプレゼントしたいところだ。


以上

2005.06.02 Reported by 伊藤寿学