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【J2:第15節 湘南 vs 福岡 プレビュー】連勝で波に乗りたい福岡と内容を勝利に結びつけたい湘南の対決。勝ち点3を求め、勝負は激化する。(05.06.04)

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6月4日(土)J2 第15節 湘南 vs 福岡(19:00KICK OFF/平塚)
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昇格の最右翼と目されながら、6試合にわたって白星に恵まれなかった福岡は前節、待ち望んだ勝ち点3をホームでようやく手にした。だが2-1の勝利にも、松田浩監督に笑顔はない。「チャンスを追加点に結びつけ、無得点に抑えるのが理想的な展開だった」と、あくまで内容にこだわった。たしかに後半に入り前がかりに攻めてくる仙台の足元をすくい、息の根を止める3点目をカウンターから確実に奪っていれば、さらに楽な試合展開となっていたといえる。

ただこの勝利で3位に浮上した強さの裏には、安定した守備が潜んでいることも事実である。実際、J2に名を連ねる12チームのなかで唯一、福岡はすべての試合を2失点以内で切り抜けている。首位を独走する京都でさえ、鳥栖に3点を献上した。生みの苦しみが続いても守備だけは嘘をつかない。逆に安定したディフェンスに福岡本来の分厚くダイナミックなサイド攻撃が絡み合ったとき、相手にとって脅威となる。攻守が噛みあった前節の戦いぶりは、燻っていたチームにとって浮上の大きなきっかけとなるだろう。

「予想以上にプレッシャーが速かった」とは、第1クールで福岡と対戦した湘南の、監督をはじめ選手の多くが抱いた印象だった。パスミスも手伝い中盤で思うようにつくることができず、スペースも消され、目論む両サイドの押し上げが足りない。前線の柿本倫明が孤立し、シュート本数も相手の半分にも満たなかった。加藤望を出場停止で欠きながら辛くもスコアレスドローに持ち込んだのは、白井博幸を軸とした1対1に負けないディフェンス力が大きかった。

ここ数試合、気になるのは湘南の守備である。マークのずれから一瞬の隙を突かれ、突破を許す。ディフェンスラインの裏も再三狙われ、守備の網に綻びが顔を出した。コンパクトに保ち、両サイドを打開したい湘南のサッカーが躍動するためには、攻守の切り替えをいま一度確認したいところだ。

前節までの福岡と同様に湘南もここ6試合、勝利から見放されている。だが前回の京都戦では、敗れはしたものの首位チームを圧倒し、次に繋がる試合展開を見せた。引き分けながら内容に疑問符のついたこれまでとは一転、確実に進化がうかがえる。右サイドハーフでチャンスを演出した佐野裕哉も、「よくなっている」と、手応えを隠さない。また柿本に待望のゴールが生まれたことも心強い。シュートまでの道筋を練り直し、幾度も決定的な場面を生み出したいま、あとはいかにゴールネットを揺らすかにかかっている。

燻るチームにとって、勝利はなによりのカンフル剤となる。その意味で、福岡は湘南よりも一歩先に足を踏み出したといえよう。ただし、連勝することがさらなる裏づけとなる。そして湘南もまた、ふたたび波に乗るために結果が欲しい。昇格へ向け、越えなければならない壁を前に、両チームが激突する。

2005.06.03 Reported by 隈元大吾
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