6月4日(土) 2005 J2リーグ戦 第15節
仙台 4 - 0 札幌 (14:04/仙台/13,754人)
得点者:'5 シュウェンク(仙台)、'10 オウンゴ−ル(仙台)、'20 バロン(仙台)、'78 大柴克友(仙台)
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今季の仙台、得点経過と勝敗の相関性だけでいえば、とてもわかりやすいチームである。先制点を許した試合では、引き分けに終わった2節の甲府戦を除けば、仙台は全敗。それゆえに仙台にとって、ゲームの入り方というのは勝敗を決するほどの重要性を持っていて、事実(積極性を欠いたまま、相手の勢いに飲み込まれていった)ここ2試合では、後半に若干盛り返すもののビハインドを返せず…という試合が続いている。
さてそんな仙台が、サポーターの大声援を受ける仙台スタジアムで、これまでとは逆に、開始5分という早い時間に先制点を奪おうものならどうなるか。結論から言うと、余裕すら垣間見える試合運びでの大勝である。
戦前の予想では、札幌・柳下監督が狙っている「高い位置でのプレス」をベースに、札幌が序盤から積極的に仕掛けてくることが考えられた。
ところがキックオフからの5分間で、それを体現したのは仙台のほうだった。これが久しぶりのホームゲームとなる熊谷が、ホイッスルと同時に鬼神の如き獰猛さを持って、札幌のボール保持者を追い回したかと思えば、球際の競り合いにも躊躇せず飛び込み、足をかけられ倒されるのも厭わぬ激しさで、ルーズボールを次々とマイボールにしていく。そして右サイドハーフの位置での責任をまっとうしつつ、逆サイドまでも張り出す広範囲の動きをもって、チーム全体の良い流動性をも生み出していた。エンジンのかかりが遅いと揶揄されていた仙台にとっては、最高のスパークプラグが今日の熊谷だった。
彼の動きもあって、スタートからフル回転状態となった仙台にさらに追い風となったのが、冒頭で述べた前半5分のゴールである。梁からのパスを受けたシュウェンクが、ペナルティエリア内左サイドから「左足で」キック。センタリング的な弾道のボールは、そのまま札幌GK林をあざ笑うかのような軌道で、ネットに吸い込まれていった。さらにその5分後、右サイド深い位置から放たれたシュウェンクのFKが、ファーサイドにいた札幌・徐のオウンゴールを誘発し、開始から10分間で仙台が2点のリードを奪うと、もう止まらない。
本来自分たちがやるべき高い位置でのボール奪取を恐れ、2トップを残して中盤の全員が自陣深くに張り付いてしまった札幌を尻目に、仙台は前半20分、左サイドにいた大柴からのクロスを、ファーサイドに逃げながら頭で合わせたバロンが3点目を決める。バロンとって15節目にして今季の初ゴールであり、それが甲府、市原と共に渡り歩き、先々でホットラインとしての名コンビぶりを見せていた大柴からのお膳立だったことが、喜びに沸くサポーターのムードをより盛り上げた。
もちろん、90分フル回転のままというわけにはいかない以上、流れが札幌に傾きかけた時間もあった。前半の入り方を反省したのか、後半からは札幌が攻勢に転じ、カウンターやサイドチェンジからチャンスを生み出した。実際にこの時間帯には、左ポスト直撃という中山の惜しいシュートも見られた。
しかし後半21分に、この試合で復帰となるシルビーニョがピッチに入り、的確なゲームメイクを披露したことで、仙台に落ち着きが戻る。
そして後半33分、札幌のセットプレー崩れに乗じ、自陣でボールを受けたシュウェンクが右サイドを独走。絶妙の低いセンタリングをニアに入れると、飛び込んだ大柴が上手く右足でファーサイドに流し込んで、ダメ押しとなる4点目。これで勝負あった。
後半に入り、黒い雲に覆われ強い雨が降り出した仙台スタジアムだが、試合終了にタイミングを合わせるかのように、空は明るさを取り戻す。
光が差し込むその下には、あのテンションの高いプレーを90分続け、MVPとしてサポーターからの声援に応える熊谷の姿があった。
以上
2005.06.04 Reported by 佐々木聡
J’s GOALニュース
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