6月7日。現地での最初で最後の紅白戦は、本番とほぼ同じシチュエーションで行われた。初戦のキックオフ時刻20時に合わせ、この日は練習場に20時に集合。試合日と同じアップのメニューをこなし、約40分ハーフの紅白戦を行った。
先発が予想されるビブス組に入ったのは
GK:西川
DF:中村、増嶋、水本、小林
ボランチ:伊野波
右サイド:水野、左サイド:家長、トップ下:兵藤
FW:カレン、平山
「攻撃時には2トップに、守備時は1トップに」という布陣。4-2-3-1のボランチとも、ダイヤモンドの中盤のトップ下とも考えられる兵藤のポジションは、攻守に運動量が要求され、90分間は体力がもたない可能性がある。そのため前半20分でサブ組に入っていた本田をその位置に投入。水野をサブ組に下げ、兵藤が右サイドに張るパターンを試した。
初戦3日前の紅白戦とあって、サブ組のアピールも最高潮。
開始早々の2分、サブ組陣内でディフェンスに戻った本田がゴール前でボールをクリア。そこからロングボールが右サイドに抜け出した森本に入り、早くもサブ組が1得点。森本がゴール前に抜け出す上手さとキレを見せたシーンだったが、決められたビブス組にとっては、壮行試合のU-20チリ戦(5/24)と同じく左サイドで慣れない4バックでの連係ミスを見せたシーンでもあった。
その後もオランダを想定したサブ組(4-3-3)に対し、ほぼ4-2-2-2で臨むビブス組が中盤をつかまえきれず本田、梶山、船谷というテクニシャンたちに翻弄される。「回させてるくらいになれば、いいんですけどね」とビブス組センターバックの水本。
ボールを持たれても、その後に決定的なパスさえ出させなければ問題はない。ただ、この日はそこから本田が常に右サイドの裏を狙うボールを入れてくる。水本は、こう続けた。「あとはポジショニングの問題だけ。コミュニケーションを取りながらやっていかないと」。U-20チリ戦とは逆に、左サイドバックに小林が出た形だが「最後の適性を見られてると思う」と小林。3月末のブラジル遠征以降、本格的に着手した4バックだけに、さらに綿密なコミュニケーションが求められる。
テストを兼ねているため、小刻みにメンバー交代をはさみながらゲームは進んだ。
後半開始10分、ビブス組が1-1の同点に追い付く。ディフェンスラインで回すボールを平山、本田で挟みこんで取り、ビブス組に入っていた森本へおとす。右足シュートを決めた森本が、ゴール前の動きに冴えを見せた。この日は下がって守備にも貢献、疲れもなく前線に戻る。フィジカル強化の成果を感じる出来。
そして25分。前田のスルーパスに抜け出した平山が、GKと1対1のシーンで丁寧に枠に収める。メンバー交代を繰り返してはいるが、結局スコアは2-1でビブス組が勝利した。
この日の紅白戦試合前、ハーフタイム、試合後、目立ったのは大熊監督が攻撃陣と話し込む姿。これまでは、前線に対してベンチからの指示はこれといってなく、大熊監督にしては珍しいことだ。
そして前日の練習で確認し合った、相手中盤をボランチとサイドバックとで追い込むやり方について話し込む守備陣の中に必ずいるのが兵藤。現地入りしてから大会を通じてのキャプテンを任命され、誰に気兼ねすることなくチームを引っ張ることができる状況になった。代表ともなると、高校時代、中学時代のキャプテン経験者は山ほどいる。その同世代の集合の中でキャプテンマークを巻くことは、所属チームでそうすることとはまた違った意味合いがありそうだ。
また、この日80分中70分プレーし、終盤ではビブス組に入った梶山。
「これだけプレーしてもケガの症状が出てこないので、楽しくなってきました。あとは試合までコンディションを上げていくことだけ」と、ようやくひざのケガを気にせずプレーできる状態だ。まだ持ち味の豪快なミドルシュートはないものの、中盤のボールキープの際、上手さを見せつけた。
大熊監督が最後までこだわっただけのことはあるテクニシャン。「レベルが上がると試合の流れ、主導権なんて関係ない。一人にやられるからね」と常々話す大熊監督。梶山にはその役割が期待されているはずだ。
またこの日はオランダのテレビ局が取材に訪れ、地元紙でも「ジャパニーズ・ロナウド」と報道されている森本と女性レポーターがキャミソール姿でユニフォーム交換をお願い!するシーンも…。森本は一度は断ったものの、演出上それに応じた形で一度はユニフォームと女性のTシャツを交換。テレビカメラの前で笑顔を見せる大胆さ、かつ大物ぶりを見せた。
さて、本格的なトレーニングはこの日までで終わり。8日は17時からの1回練習のみ。9日は試合会場でわずか45分の公式練習を行う。いよいよ本番。選手たちは口を揃える。
「もうすぐ試合、楽しみです」
こちらも意義なしである。
以上
2005.06.07 Reported by 了戒美子
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