●FIFAワールドユース選手権オランダ グループA 第1戦
6月10日(金)27:00キックオフ(日本時間)
オランダ・ケルクラーデ
U-20オランダ代表 2-1 U-20日本代表
得点者:7' アフェライ(オランダ)、18' バベル(オランダ)、68' 平山相太(日本)
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あきらめた瞬間はなかった。
前半7分、18分とこれまでさんざん警戒してきた立ち上がりの失点にも慌てることはなかった。それでも最後まで追い付くことはなく、試合終了の笛がなった。
スタジアムへ続く一本道は、早い時間帯から渋滞した。第1試合、ベナン対オーストラリアの最中にもスタジアムはオレンジに染まり始めた。
19時10分すぎ、すでにオレンジ一色になったスタジアムに日本選手が登場、アップを始める。若干硬い表情で、前日確かめた芝の感触を再確認するように体を動かした。およそ5分後、ストレッチ中の選手たちが一方向に視線を集中させた。満員の19,500人が一斉に拍手を送る。オランダ選手たちが姿を現した。「おおって思いましたよ。」と兵藤(早稲田大)。それでも日本選手たちはやるべきことに集中すべく首を戻した。
「会場の雰囲気にのまれた部分もある」。試合後、平山(筑波大)は振り返る。かつて経験のないほどの満員のスタジアム、それも本場ヨーロッパで。「ブーイングでもうれしかった」と兵藤。ゾクゾクするようなサッカー専用スタジアムの熱気の中、キックオフの笛がなる。
序盤、完全にオランダのスピードにやられる。パスのスピードも速ければ、一旦中盤を介し左サイドのクインシーに渡ると、そこだけが高速レーンのような直線的なスピードに持っていかれる。「あのスピードは未体験」と、監督・選手が口を揃える。生まれたシュートは2本とも左サイドの突破から。1点目は折り返しにアフェライが中央に飛び込み、2点目はバベルがセンターバックのマークのずれからゴール前でそれぞれ決めた。自陣半ばからの独走、それでもスピードが落ちることなくまっすぐ前に向かうアーセナル仕込みのドリブルは、1対1を得意とする右サイドバック中村(福岡)でさえ止めきれず、「もっと前で止めなきゃいけないんだけ、小林、増嶋と抜かれて…」と指揮官も悔しさをにじませる。わずか18分での2失点。
それでも「あきらめを感じた瞬間はなかった」と兵藤、平山。中盤で起点となっていたマドゥロのケアに兵藤が入り、クインシーと1対1にならないなど、自己修正を行いながら試合を進めた。
前半41分、日本は「本当はハーフタイムに」(大熊監督)と思っていたカレン(磐田)を早くも苔口(C大阪)に代えて投入。何が何でも0-2のまま前半を終える意志を見せた。
「これなら行けると思った」と、ハーフタイムを指揮官は振り返る。
後半は運動量のおちたオランダに対し、日本は64分水野を、78分森本を投入。引き分けに持ち込むべく戦った。
「家長(G大阪)を前にあげ、平山、カレンと3人で4バックに対応させる」(兵藤)ことで、ロングボールを蹴らせ相手のリズムを崩した。また、「縦をきろうとしても切れなかった」クインシーのドリブルへあらためて人数をかけて対応。後半は西川(大分)のファインセーブも続出。手応えはつかみはじめた。
日本の得点は68分、水野が蹴った右斜め45度の位置からのフリーキックに、ファーサイドから中央へ抜け出してきた平山が合わせた1点に止まった。
ボールポゼッションは90分を終えオランダ65%対日本35%。しかし後半、ペースをつかみ、相手を翻弄した。何よりの証拠に試合終了のホイッスルと同時にオランダ選手はへたり込みながら喜びあった。
「試合中に自分たちが伸びていく」と感じた、と兵藤。キャプテンマークを巻いた彼は試合後、下を向く選手たちを鼓舞。失点直後も、手をたたき奮起を促し続けた。
試合後、水本はその場でピッチをたたき、平山は足早にロッカーに向かった。それぞれににじませる悔しさは、後半得た手応えの証。
「これを次に活かします。勝ちたいっていうか、勝ちます」と兵藤は続けた。
中4日で迎える第2戦。対戦相手は第1試合でオーストラリアに引き分けているベナン。何が何でも勝利を、願うのはそれだけだ。
以上
2005.06.11 Reported by 了戒美子
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