今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第19節 鳥栖 vs 水戸 レポート】ボールを支配するも決定機を活かせなかった鳥栖。狙い通りのサッカーに徹した水戸。少ないチャンスを活かした水戸の勝利。(05.07.03)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
7月2日(土) 2005 J2リーグ戦 第19節
鳥栖 0 - 1 水戸 (19:00/鳥栖/10,109人)
得点者:'22 デルリス(水戸)
----------

試合前に雨は止んで、湿った芝と蒸しばむ暑さがピッチの上に残った。中盤での速いパス交換と両サイドDFのスピードを身上とする鳥栖には、有難くないコンディションとなったこの日の鳥栖スタジアム。今節も一万人を超す多くのサポーターが集まってくれた。試合前から声援を送るサポーター。早くホームでの2勝目を見たいと意気が上がる。
しかし、先手を取ったのは迎え撃つ鳥栖ではなく、敵地へと乗り込んできた水戸だった。
鳥栖は、第15節甲府戦で引き分けて以来、先制されると追いつくことができず、逆に先制しても追いつかれて逆転される悪い流れが続いている。この日の鳥栖も先制されて追いつくことはできなかった。

試合開始直後から両者とも積極的にボールを奪いに行った。引いて守るものと考えられた水戸も前線からボールを追いかけた。その結果、鳥栖陣内で水戸は立て続けにFKを得た。このFKは得点にこそならなかったものの、鳥栖の出鼻をくじくには有効な手段だった。この水戸の積極策は、鳥栖に自由なスペースを与えず、流れを水戸に引き寄せていた。流れを引き寄せればミスも誘う。22分、マルキーニョがボールを奪うと右サイドの須田にグラウンダー気味のパスを通す。須田はワンタッチで鳥栖のゴール前へセンタリング。そこへ鳥栖DFのわずかな隙を突いてFWデルリスが走りこんでヘディングシュートを放つ。ボールはGKシュナイダー潤之介の手をかすめてゴール左隅に突き刺さった。水戸にしてみれば、狙いどおりの得点パターンであり、鳥栖にしてみれば気をつけていた失点パターンである。
前半の中で水戸の唯一の得点機だっただけに、この1点は試合終了までの70分間、鳥栖イレブンには重くのしかかる結果となってしまった。鳥栖にしてみれば、悔やみきれぬ失点だった。

この失点以降は、徐々に鳥栖ペースとなっていった。29分にはスローインから右サイドでボールを受けた高橋が中央の宮原へショートパスを通した。折り返したボールからビジュがシュートを放つ。このシュートは水戸GK本間の正面を突いたが今季の鳥栖の好調さの片鱗を見せてくれた。中盤でのポジションチェンジとタメを作ることができ始めた結果、ボールの支配率は圧倒的に鳥栖へと流れていった。ハーフタイムまでの間に幾度となく水戸ゴール近くまでボールを運ぶことはできた。

後半開始から鳥栖は動いてきた。FW鈴木に代えて氏原を入れてきた。DFから押し上げて氏原の高さを利用した作戦を試みてきた。宮原が長短を織り交ぜたパスを送れば、スピードのある新居は所狭しとパスコースを作り、ビジュ・飯尾・奈良崎が積極的に仕掛けて行った。しかし、ボールは支配してもバイタルエリアでのプレーが見られない。後半のFWのシュート数はゼロに終わった。FWがゴールに向かってボールを運ぶシーンが見られないのだ。言い換えると、鳥栖はボールを持たせてもらってもフィニッシュまではいかせてもらえなかったのだ。中盤以降の選手のシュートはいずれもペナルティエリアの外からで、最後まで水戸GK本間をあわてさせることはなかった。逆にカウンターを受けて追加点を奪われそうなシーンが2度もあった。

水戸のシュートは前後半3本ずつの計6本。うちFWデルリスとMF関で4本を放っている。対して鳥栖は計14本を放つもFWのシュートは前半の3本だけに留まる。数こそ少ないが、自分たちの狙い通りに運んだ水戸に対し、数は放つが自分たちのサッカーをさせてもらえなかった鳥栖。この違いが得失点となって勝敗を分けた。

今季のJ2は首位京都を除いては混戦模様を呈している。2位争いは、わずかな勝ち点差でひしめき合う。この混戦の原因は、チームのプレースタイルを出せているかどうかではないだろうか。鳥栖もここでもう一度立て直す必要があると思われる。一方の水戸は前節福岡戦から立て直しが見えてきた。開幕直後こそ出遅れたチームも徐々に陣容と戦術が揃い始めている。好調時を思い出して、再度2位争いの主役を演じて欲しいと、鳥栖スタジアムのサポーターは思っているに違いない。

以上

2005.07.03 Reported by サカクラ ゲン
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着