7月2日(土) 2005 J2リーグ戦 第19節
徳島 2 - 1 草津 (19:04/鳴門/3,008人)
得点者:'26 伊藤彰(徳島)、'43 籾谷真弘(草津)、'70 小山拓土(徳島)
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ホームの意地。また、順位争いに食らいついていくという意欲。そして何より、第1クールの対戦で敗れた雪辱を必ず晴らすという決意。それらを原動力として勝利への強い気持ちを見せた徳島が、昇り調子だった草津を2ー1で退け、うれしいホーム2勝目を飾った。
徳島は、その気持ちを表わすかのように、開始から攻勢を見せた。雨上がりのスリッピーなピッチをものともせず持ち前のパスサッカーを展開し、再三FW羽地にボールを収めてリズムよく攻撃を組み立てる。また、シャドーストライカーの役割を担うMF小山が素早い飛び出しを見せれば、両サイドMFの片岡と金も積極的な仕掛けて攻撃にアクセントを加え、チームが見事に連動した積極的な攻撃を立ち上がりから披露した。
その徳島の攻撃が最初に実を結んだのは前半26分。ドリブルで草津ペナルティエリア内へ割って入ったMF伊藤が、草津DFの執拗なプレッシャーに体勢を崩しながらも自ら強引にシュートを放ちネットを揺らした。“しぶとくねじ込んだ”と言えるそのシュート。それは、チームの今節にかける気持ちが乗り移ったようにさえ感じられた一撃だった。
さらに、その後も徳島は攻撃の姿勢を貫く。前半終了間際に草津に同点を許しはしたが、自分たちのサッカーである『しっかりとしたつなぎ』を選手ひとりひとりが自信を持って遂行し、チームとして果敢に追加点を狙った。それが、結果、後半25分の2点目に結び付く。伊藤が右サイドから出したボールを、金、羽地が早いタイミングで経由すると、最後は小山が豪快に叩き込みゴール。まさに徳島の追求するサッカーが表現されたと言えるような、これ以上ない組み立てで待望の追加点を奪った。
そして、この追加点が貴重な決勝点となり、徳島がホームで勝利を手にすることとなる。
今節徳島に勝利をもたらしたもの、それは積極的な攻撃の姿勢に他ならない。そして、それを引き出したものは、何より勝利への強い気持ちだったと言えるだろう。さらなる決定力の向上や、集中力の持続などチームとして改善すべき問題点ももちろん見られたが、この勝利で徳島は選手個々にも、またチームとしても大きな自信を掴んだに違いない。
逆に、敗れた草津は、最近の数試合で見せていた安定感が今節失われていたように思われる。特に守備面で、徳島のボールの出所を抑えられず、後手後手に回っていた感が否めない。手塚監督も「個の力とチーム戦術の両面で守備力を上げていかなければ…」と今後への修正点を語ったが、次節に向けてその立て直しは急務だ。
また攻撃面でも課題は残った。MF山口にボールが入っている時には可能性を感じるが、それが寸断された時にはなかなか攻撃の形を見い出せない。今節の同点ゴールもセットプレーからであったが、勝利を収めた第16節・18節でもPKによる1得点しか奪えていないことがその根深さを物語っている。
いずれにしても、両チームにはまだまだこれからも厳しい長丁場の戦いが待っている。昇格1年目とは言え、どちらのチームにもリーグを盛り上げる健闘を祈ってやまない。
以上
2005.07.03 Reported by 松下 英樹
J’s GOALニュース
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