7月9日(土) 2005 J1リーグ戦 第15節
浦和 1 - 2 大宮 (19:05/埼玉/50,437人)
得点者:'18 トニーニョ(大宮)、'22 桜井直人(大宮)、'44 田中マルクス闘莉王(浦和)
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「今季すでにレッズとは2回戦っているが、いずれも前半30分くらいまでに5失点している。それをどうしのぐかだった」と大宮アルディージャの三浦俊也監督は納得の表情を見せた。それもそのはず。4月28日から7試合負けなしの浦和レッズから瞬く間に2点を奪い、トニーニョのボランチ起用もズバリ的中。手堅い守備で中盤を支配し、埼玉スタジアム2002を真っ赤に染める浦和サポーターに勝利を見せつけたからだ。わずか3日前、東京ヴェルディ1969に7-0で勝った浦和と、シュート3本でジュビロ磐田に完敗を喫した大宮では「大きな勢いの差」があると見られた埼玉ダービー。しかし前節の結果が必ずしも勝敗を左右するわけではないということを改めて痛感させてくれるゲームだった。
9日19時から行われた2005年J1・第15節の浦和対大宮戦。梅雨本番を思わせる土砂降りの大雨に加え、20度そこそこの低温となったが、スタジアムには悪天候に関係なく5万437人もの大観衆が集まった。うちオレンジ軍団は約2000人。サポーターの数と熱気では圧倒的に浦和に軍配が上がった。
この試合に勝てば2位浮上もありえる浦和。ブッフバルト監督が送り出した先発はGK都築龍太、DF坪井慶介、田中マルクス闘莉王、内舘秀樹、ボランチ・鈴木啓太、長谷部誠、右サイド・平川忠亮、左サイド・三都主アレサンドロ、トップ下・山田暢久、FW田中達也、永井雄一郎。エース・エメルソンの合流はまだ実現していないが、指揮官は和製イレブンでも十分勝てると踏んだはずだ。
対する大宮はGK荒谷弘樹、DF西村卓朗、平岡靖成、奥野誠一郎、冨田大介、ボランチ・トニーニョ、ディビッドソン純マーカス、右サイド・トゥット、左サイド・久永辰徳、FW桜井直人、クリスティアン。トニーニョをボランチに上げたのは予想外だった。「過去の浦和戦の失点シーンを分析した結果、ボランチに高い選手がほしかった」と三浦監督は意図を語った。
采配はいきなり効果を上げた。トニーニョとマーカスの大型ボランチは長谷部と鈴木を激しくマーク。浦和のパスの出所を徹底的に抑えた。平川と三都主の両サイドには2人がかりで守備に行き、突破を許さない。「3度連続の負けは絶対に許されなかった」と冨田も言うように、大宮イレブンにはただならぬ闘争心が感じられた。彼らとは対照的に浦和は立ち上がりが悪く、イージーミスを連発する。前節の大勝と今季2連勝中の大宮が相手ということで、どこかしら気の緩みがあったに違いない。三都主も「起きるまでに時間がかかりすぎた」と言う。
浦和が眠っているうちに大宮は組織的守備で中盤を支配。18分にはトゥットの右CKを二アサイドに立っていたトニーニョがドンピシャリのタイミングで頭で合わせ、喉から手が出るほどほしかった先制点を奪った。その4分後にはまたもや相手のミスをついてトゥット→クリスティアンとつなぎ、最後は桜井が右足で2点目を挙げる。「このカードになると特別な力が沸いてくる」とかつて浦和から戦力外通告を受けた男は目をギラギラと輝かせながら言い切った。
この段階になって浦和はようやく目を覚ました。「これはやばい」と選手全員が痛感。ここから怒涛の攻撃を開始する。27分に田中達がフリーでシュートを放ち、40分にも田中達が永井とのワンツーで決定機を迎えるがゴールならず。このまま後半突入かと思われたロスタイム。三都主のFKを闘莉王がバックヘッドでゴール。一矢報いるのに成功し、前半が終了する。
後半に入ると、浦和の攻撃は一段と激しさを増した。前半は消えている時間帯の長かった山田や平川も積極的に攻めに参加。大宮ゴールに詰め寄った。しかし組織力に特徴のある大宮守備陣はなかなか乱れない。逆に後半30分には都築が突破してきた桜井を倒し、PKを与えてしまった。浦和にとって幸運だったのは、キッカー・トゥットがPKをGK正面に蹴ったこと。都築はこれをがっちり抑え、何とか3点目は阻止した。
この後、浦和は1点を求めてパワープレーに出る。しかしトニーニョ、マーカス、平岡と高さのある大宮守備陣を簡単には崩せない。ブッフバルト監督は横山拓也や岡野雅行らも投入して攻めに出たが、無情にもタイムアップの笛。激しい雨の中、歓喜を爆発させる大宮イレブンの姿を目の当たりにする屈辱を味わった。
「前半30分で勝負がついてしまった」とブッフバルト監督はコメントした。この日ばかりは若い三浦監督のデータ分析と戦術、采配に敗れたことを認めざるを得なかった。両者がJ2だった2000年も3戦目で大宮が勝っている。「当時はラッキーで勝っただけだったが、今回はこっちも攻めることができた」と三浦監督はしたり顔だった。そしてこの日の浦和はサッカーそのものだけでなく、大宮の闘争心にも屈してしまった。「チーム全体がもっと気持ちを入れていかないといけなかった。気持ちの問題が大きすぎる。1人1人がもっと自覚しないといけない」と長谷部も悔しさをみなぎらせた。
2位浮上に失敗し、暫定4位に後退した浦和。幸いにして今月は試合が詰まっている。彼らとしては悪夢を忘れて、いち早く気持ちを切り替えることが大切だろう。大宮のほうは、この勝利を確実に次へつなげたいものだ。
以上
2005.07.10 Reported by 元川悦子
J’s GOALニュース
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