7月9日(土) 2005 J2リーグ戦 第20節
福岡 3 - 1 徳島 (19:04/博多球/6,620人)
得点者:'3 松下裕樹(福岡)、'18 片岡功二(徳島)、'24 有光亮太(福岡)、'26 宮崎光平(福岡)
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博多の森が久しぶりに熱狂に包まれた。ホームでの勝利は5月28日の仙台戦以来42日ぶり。勝ちに飢えた博多の森のサポーターは、勝利を告げるホイッスルの音とともに歓喜の声を上げた。
口火を切ったのは松下裕樹だ。開始直後の3分、アレックスからのパスを受けて右足を一閃。約25メートルの地点から放ったミドルシュートが鮮やかな軌道を描いてゴールネットを揺らす。18分にはセットプレーから同点に追いつかれたものの、福岡の攻撃的な姿勢は崩れない。24分には勝負を仕掛けた有光亮太がGKと交錯しながらゴールに流し込んで再びリードを奪うと、その2分後には、中村北斗の力強い突破から、最後は宮崎光平がヘディングシュートを叩き込んだ。内容もスコアも圧倒した前半。この時点で大勢は決した。
何より、福岡の勝利に対する強い気持ちが現れた試合だった。前線では林、有光が積極的に勝負を仕掛け、両ワイドの田中佑昌と宮崎はスペースへ飛び出して徳島の守備陣を翻弄。ホベルトに代わってボランチの位置に入ったグラウシオも攻守にわたって精力的にボールに絡んだ。特に、徳島との間に大きな差が現れたのは1対1の局面での勝負。競り合いではほとんど福岡がボールを奪取。ボールの奪い合いで徳島の選手が飛ばされるシーンも随所に見られた。「もっと局面のところで、ボールに行ってもいいから身体を潰すような守備とか、仕掛けていって迫力のある攻撃とかを、もっとやっていかなければいけない」と田中真二監督・徳島も振り返る。
また、この試合に向けて福岡が周到な準備を積んできたことも見逃せない。徳島がサイドに展開するボールに対してSBとMFが前方と中へ切り込むコースを塞ぐようにして囲い込み、徳島が後ろに戻したボールにプレッシャーをかける。羽地に合わせてくるボールは千代反田と宮本が、ほぼ完璧に対応した。攻め手を封じられた徳島はなす術もなく中盤で不用意なミスを連発。福岡はこのボールを奪って、素早くカウンターを仕掛けた。全てはトレーニングのメニュー通り。福岡にとっては狙い通りの、そして会心の試合運びだった。
その一方で、福岡は決定機を決められないという課題も残した。後半は足が止まった徳島を翻弄して決定的なチャンスを山のように作り出したが、結局、ゴールに結びつけることが出来なかった。「後半の5点くらいのチャンスを全部取っていれば勢いも出ただろうが、その辺が最後まで分からない試合という意味では、まだまだ課題が残った試合」と、松田浩監督・福岡も厳しい表情を崩さない。しかし、結果を出せなかったことこそが福岡の最大の課題。その「結果」をもぎ取ったことはチームに勢いを与えるはずだ。大切なことは、この結果を続けること。まずは第2クールの残り試合を勝利で終えることが混戦から抜け出す最低限の条件になる。
さて敗れた徳島。「見ての通りの完敗」と田中監督は試合を振り返ったが、その言葉どおり、全くサッカーをさせてもらえなかった。最大の武器であるサイドアタックを封じられた徳島は攻め手を見つけられず。なんとなくボールをキープするところに、福岡のプレッシャーをまともに受けてしまった。Jリーグ初参戦ながら健闘を見せていた徳島だったが、攻撃面でのバリエーション不足が感じられた試合だった。
しかし、試合はすぐにやってくる。福岡が勢いを持続させることが必要なら、徳島は気持ちを切り替えて次の試合に備えることが重要。後に引いているようでは長いリーグ戦は戦えない。「腐っていてもしょうがない。気持ちを切り替えてみんなでやろうと話し合った」(片岡功二)。次節は2位争いの只中にいる仙台との対戦。上位進出の足がかりを掴むためには負けられない。
以上
2005.07.10 Reported by 中倉一志
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