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【J2:第20節 山形 vs 草津 レポート】またも決定力不足を露呈した山形、草津のカウンター一発でドローに終わる!(05.07.10)

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7月9日(土) 2005 J2リーグ戦 第20節
山形 1 - 1 草津 (19:00/山形県/6,074人)
得点者:'50 阿部祐大朗(山形)、'59 寺田武史(草津)
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両チームとも、ここ最近の試合をコピー・アンド・ペーストしたような90分だった。山形にとっては、ボールを支配しシュート数でも上回りながら、決定力の欠如で勝ちきれなかったという意味で。草津にとっては、先制されながらも崩れることなく同点に追いつき、ドローに持ち込んだという意味で。
 
2ヶ月以上もホーム戦勝利をお預けにされた山形サポーターが発したのは、「いつまで待てば結果が出るのか?」という気持ちを込めた今シーズン最大級のプーイング。人数は小規模ながら一団となって声援を送った草津サポーターは、選手たちに健闘を讃えるエールを送った。同じ勝ち点1ずつを分け合う結果にも、試合後の両チームのサポーターの反応は真逆なものとなった。

3時間前に勝ち点1差で2位の甲府が敗れたことで、勝てば単独2位に抜け出せるチャンスの中、山形が前半から主導権を握った。

中盤にプレッシャーを掛けると、山形の選手たちの足元におもしろいようにボールが吸い込まれた。奪ったボールは中盤でポジションチェンジをしながら仕掛けるが、「ボールを支配される率というのは多くなるだろうと予想していました。・・・その中でどれだけ辛抱してチャンスが来るのを待てるのか。そしてそのチャンスを決めるか決めないかでゲームが決まるであろうと思っていた」と語ったのは草津・手塚監督。

山形は草津の辛抱強いディフェンスの前に決め手を欠く。特に、ゴールに近い位置でフォワードにボールを当てたり、裏のスペースに飛び出してパスを受けたりすることを抑えられたことで、サイドから遠目のクロスを入れるか、やや強引にミドルシュートを狙いにいくなど確実性の低いフィニッシュを迫られることになった。

前半を0−0でしのいだことが、この試合の結果に大きく影響を与えることになる。

後半早々、先取点を挙げたのは山形。
人もボールも動きながら、徐々に草津ゴールに近づいていく。左サイドに収まったボールが右へ、右へと1本ずつ、草津の最終ラインの前を横に通過していく。最後に右サイドでオーバーラップしてきた臼井が受けると、中に斬り込むなり左足で強烈なミドルシュートを放つ。小島が懸命に弾くが、こぼれたボールを詰めていた阿部が押し込んだ。

ボールは支配していた。追加点を求めて前掛かる山形。しかし、そこには大きな落とし穴が待っていた。

後半14分、山形のフリーキックを直接キャッチした小島が下手投げでボールを転がすと、フリーで受け、前を向いてドリブルで攻め上がった寺田がそのままシュートまで持ち込んだ。寺田の前には山形のフィールドプレーヤーが3人いたが、アプローチを躊躇するうちにあろうことか堂々と中央を突破。異常事態に気付き、止めに掛かった時にはすでに遅く、強烈なシュートをゴールネットに突き刺されていた。

同点になったあと、今度は一方的な草津ペース。運動量の落ちた山形のディフェンスはボールを後追いする形となり、反撃の機会もほとんど得られないまま引き分けた。

引き分けたことで、山形は甲府、福岡、札幌と同じ勝ち点30となり、順位も3位にとどまった。決定力不足の解消という宿題が終わらないうちに、カウンター対応という新たな宿題が課されたまま、3連戦の残り2戦を迎えることになる。

一方、失点しても崩れずしぶとく追いついた草津は、山形の拙攻という運も味方に付けながら、「少しずつチームとして形になり、戦えるようになってきている」(手塚監督)という実感をまた一歩確かなものにした。その希望の中で、できることなら失点する以前に自分たちの形に持ち込み先制点を挙げたいところ。最下位脱出に向け、横浜FCの背中を追いかける日々が続く。

以上

2005.07.10 Reported by Reported by 佐藤 円
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