7月9日(土) 2005 J1リーグ戦 第15節
名古屋 1 - 1 横浜FM (19:02/瑞穂陸/13,544人)
得点者:'52 中澤佑二(横浜FM)、'53 藤田俊哉(名古屋)
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「戦術、技術とも良かった。両サイドのバランスも良く、勝つために両サイドが戦った結果だ」(ネルシーニョ監督)。「勝ち点3を取りたかったができなかった。しかし、試合内容を見れば引き分けは妥当な結果だった」(岡田監督)。対照的な監督のコメントが物語る試合内容で、名古屋がドローに持ち込んだ。
序盤は、両者ともゆっくりとしたペースの試合運びで、相手の出方を探っている状態。そんな中、まず横浜FMが攻撃の一手を切り出す。楢崎の好セーブで切り抜ける名古屋。ここから徐々に両チームの攻撃がスピードアップ。何度もゴール前に迫っては、チャンスを作り出す。
名古屋は、清水戦(7/6)に続き右サイドバックで出場したFW杉本を使い、サイド攻撃からチャンスを作ろうとするが、なかなかゴールが割れない。対する横浜FMも、いいところまで持ち込むがゴールを割ることはできなかった。ネルシーニョ監督は「ビルドアップをうまくマークされ、後ろからボールをつなげなかった」。岡田監督は「前半はDFラインが下がりすぎ、ウチのサッカーではなかった」と両監督が語った通り、両チームともゲームを支配しきれず勝負は後半へ持ち込まれた。
そして後半、早々に試合は動いた。CKを得た横浜FMが、前節逆転ゴールを決めた中澤のボンバーヘッドで先制。しかしその直後、左サイドバックの中谷からのクロスを、ゴール前に走り込んで来た藤田がダイビングボレーで、J歴代3位の通算95得点、移籍後初ゴールを決め、ゲームを降り出しに戻した。
そこから一気にムードが高まり、名古屋はサイドから次々と攻撃を繰り出す。後半30分前後には中谷に代えて渡邊、杉本に代えて井川と、サイドバックの守備を固める一方、最近途中出場でいい働きを見せているFW豊田を本田に代えて投入。前線で高さとスピードを活かし、攻撃のリズムを作った。
後半は、10本のシュートを放って横浜FMのゴールを脅かし続けた名古屋。「ラストパスでツキがなかった」とネルシーニョ監督はこぼしたが、あのシュートが決まっていれば…という決定機もあっただけに、やはり決定力の向上はこれからのカギとなるだろう。
もちろん、守備の面でも課題は残る。失点の場面は相手の選手をフリーにさせてしまった。しかも今回は、絶対に注意を払わなければいけなかった中澤のヘッド。しかし完全にフリーの状態で打たれてしまっていた。
「質がいい、面白いサッカーをしている」とネルシーニョ監督はチームの成長を讃えている。もちろんその通りだが、名古屋の『堅守』がなかなか戻ってこないのが、不安材料となりはしないか。中断明けからは3試合、中断前も合わせると7試合も勝ち星から遠ざかっているが、「焦っていない。このまま行けば結果が出る」というネルシーニョ監督の言葉を信じて、チームの成長が結果になって現れるのを、今はただ、待つしかない。
「(左サイドバックの)ドトゥラが(出場停止で)いなかったのが攻撃に響いたかもしれない」という横浜FMの攻撃は、若干決め手を欠いていた。後半残り15分、12節・浦和戦以来の久保を投入。決めの一手を託したが、逆転ゴールは生まれなかった。それでも岡田監督は「腰を痛め体調は良くなかった。無理矢理使ったが、良くやってくれた」と、チームのエースを気遣った。しかし、3連覇を狙う横浜FMにとってこのドローは痛かった。順位を5位(7/9時点暫定)にひとつ下げ、首位・鹿島は勝ち点3をきっちり稼いだため、またその差は広がり、12となってしまった。
以上
2005.07.10 Reported by 茂木美佐子
J’s GOALニュース
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