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【J1:第15節 鹿島 vs 川崎F レポート】経験の差で、勝ち点3を手に入れた鹿島。翌日試合のG大阪にプレッシャーを与える暫定勝ち点10差。(05.07.10)

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7月9日(土) 2005 J1リーグ戦 第15節
鹿島 2 - 0 川崎F (18:30/カシマ/15,484人)
得点者:'47 オウンゴ−ル(鹿島)、'79 小笠原満男(鹿島)
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 川崎フロンターレの選手たちは口をそろえて「勝てた試合だった」と悔しさを隠さなかった。2-0というスコアだけを見れば一方的にも思えるが、内容は僅差。ただし、僅差でありながらも鹿島アントラーズらしさがよく出た試合だったと言える。試合後のトニーニョ セレーゾ監督の言葉を借りて川崎Fが健闘した前半を振り返ってみよう。

 連戦が続く中、セレーゾ監督はいかに体力を温存しつつ試合を進めるのか、という部分を重視して試合に臨んでいた。そしてその方法論として「技術の高い選手がいればその技術をうまく出す状況を作り出し、守備になったときにコンパクトになる。そうすれば体力を消耗することが減ってくるし、余計な動きをせずに済む」ということを会見で口にしている。ところが前半は、特に守備の部分で狙い通りの動きができていなかったと振り返っている。
「鈴木選手、野沢選手、小笠原選手、本山選手。彼ら4人が前に残っていて、ちょっと間延びした形で、その後ろに青木、フェルナンドと4人のディフェンスライン+曽ヶ端選手、という状況が作られていた」(セレーゾ監督)
 こうした状況によって鹿島は全体が間延びした形になり、中盤にスペースが生まれる状況になる。セレーゾ監督に言わせれば全体が2つのブロックに分離した状態である。そしてその結果として中盤に生まれたスペースを効果的に使ったのが川崎F・中村憲剛だった。
「特に14番の中村選手が自由にプレーしたりボールをさばいていたりという状況を作り出した。ベンチから、14番に対して絞るように指示を出したんですが聞いてもらえなくて、かなり前半は手こずりました」(セレーゾ監督)

 こうした背景もあって、前半はアウェイの川崎Fが鹿島に対して同等の戦いを挑んだ。もちろん、間延びするというリスクを負いながらも、それによって前線に枚数を割いていた鹿島も川崎Fゴールに迫っていた。特に左サイドの新井場徹の前への飛び出しによって何度かのチャンスを作り出したが、決定的な形を作るところまでには至らず。展開的には互角のまま、試合は後半を迎えることとなる。
 関塚隆監督はこの試合のポイントを、試合の入り方とセットプレーと位置づけていたが、無難に乗り切った前半を終えて迎えた後半。その両方が一気に破綻してしまった。
 47分。ゴールからの距離はまだある地点からのFKの場面で、川崎Fは痛恨のオウンゴール。さらに追い打ちをかけるかのように、55分にはその直前に負傷していた中村を交代せざるを得ないという状況に陥ってしまった。
「鹿島は先制すると、固い守りからのカウンター」(関塚監督)という必勝パターンに加え、ハーフタイムにはセレーゾ監督による全体をコンパクトにするための修正が伝えられ、それらの相乗効果もあって鹿島が盤石の試合運びを見せる。
 川崎Fは55分のフッキに続き、80分にはケガから復帰の我那覇和樹を投入し得点を狙ったが、ゴール前を分厚く守る鹿島守備陣は崩れない。かろうじてペナルティエリア付近で何度かFKを手にしたが、それも得点には結びつけることができなかった。

 そうした試合展開の中、鹿島は79分に小笠原満男がゴール前の直接FKをねじ込み2点目を手にする。その後も試合は続いたが実質的にこの時点で試合は終わったと言っていい。鹿島は苦しい前半を乗り切り、自分たちの特徴を出し切って勝ち点3を手にした。
 一方、前半を互角に戦いながら後半崩れた川崎Fは「経験」の重みを痛感させられた一戦となった。負けはしたが、選手にとっては次につながる貴重な戦いとなったはずだ。


以上

2005.07.10 Reported by 江藤高志
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