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【J1:第15節 千葉 vs 新潟 レポート】選手が布陣変更に柔軟に対応し、役割をまっとうした千葉。セットプレーを生かした新潟に競り勝つ。(05.07.10)

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7月9日(土) 2005 J1リーグ戦 第15節
千葉 3 - 2 新潟 (18:34/市原/6,681人)
得点者:'40 エジミウソン(新潟)、'53 佐藤勇人(千葉)、'59 上野優作(新潟)、'61 巻誠一郎(千葉)、'86 要田勇一(千葉)
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 新潟の5本を上回る7本のシュートを打ちながら、またもや決定力を欠いてノーゴールだった前半の千葉。ナビスコカップ予選リーグ第5節から5試合連続で対戦相手に先制点を許し、0-1で迎えたハーフタイムにオシム監督は動いた。

 オシム監督にとって、システムは選手を単に配置するものではなく、対戦相手や状況によって変化する選手の役割を実行するのに最適なポジションをとらせるもののようだ。そのため、出場停止選手を除けばほぼ変わらないスタメンでありながら、リーグ戦再開後の3試合の千葉のシステムはすべて変わっていた。
 FWハースを出場停止で欠いた今節の新潟戦では、新潟の3トップに対してDFストヤノフが余る形で、FWエジミウソンをDF斎藤大輔が、FW海本幸治郎を左アウトサイドに入った羽生直剛が、MF鈴木慎吾を右アウトサイドに入ったMF坂本將貴が、そしてトップ下のMF岡山哲也をボランチのMF阿部勇樹が基本的にマークする形の2バックを採用。前線は真ん中にFW巻誠一郎、右にFW林丈統、左にMF山岸智を3トップ気味に置き、トップ下にはMFポペスク、中盤のバランスをコントロールするボランチとしてMF佐藤勇人が入った。

 しかし「林は攻撃中心の選手なので、彼の後ろに守備ができる選手を置きたいと思った」(オシム監督)ため右サイドに入った坂本は、前半の展開で次のように考えていた。
「(左サイドバックの)喜多(靖)まで前に上がってくれば、僕ひとりに対して鈴木、喜多の2人という状況を作られる。でも、思っていたよりも鈴木は前に出てこなかった。うちは林をうまく使えていなかったし、新潟は逆サイドのアンデルソン リマが上がってくることが多くて、(自陣の)左サイドから攻められることが多かった」

 オシム監督は後半から林を前に上げて2トップに変え、坂本と山岸の位置を入れ替えて対応。結果的に、このシステム変更が奏功した。前半の新潟は中央をしっかり固め、千葉の攻撃に対処していた。しかし、後半の千葉は焦ることなく、ポジションチェンジを繰り返しながらパスを回して新潟を揺さぶり、その時点で空いたサイドのスペースから得点チャンスを作った。
 53分の佐藤の得点は左サイドの羽生から、61分の巻の得点と86分の要田の得点はいずれも右サイドにいたポペスク、羽生のパスから生まれた。そして、巻と要田の得点は「ニアサイドで潰れ役になったり、シュートを狙う」という役割をまっとうした巻のプレーが実り、今シーズン初出場のチャンスを生かすべく最後までゴールをあきらめなかった要田の執念の賜物だった。

 2度もリードを奪いながら逆転負けを喫した新潟。しかし、セットプレーから少ない決定機をモノにした得点力と、スピーディーなカウンター攻撃は千葉に脅威を与えていた。それだけに、18分にDF海本慶治が負傷退場するアクシデントがあったとはいえ、気をつけていたはずのサイドの守備から崩れたことが悔やまれる。
 一方、リーグ戦再開後初のホームゲームで勝ち点3を獲得した千葉。選手が状況に応じた布陣変更に柔軟に対応し、自分がやれることを信じたプレーが生んだ勝利は評価できるが、積年の課題であるセットプレーから2失点。次節はセットプレーの得点が得意なうえに堅守を誇る横浜FMと対戦する。ストヤノフが累積警告で出場停止のという状況で、レベルアップできるか正念場の一戦だ。


以上

2005.07.10 Reported by 赤沼圭子
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