7月30日(土) 2005 J2リーグ戦 第23節
徳島 1 - 1 札幌 (19:04/鳴門/4,012人)
得点者:'53 池内友彦(札幌)、'81 大島康明(徳島)
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試合前、鳴門総合運動公園陸上競技場は濃い霧に包まれた。このあたりでそういった光景はあまり見られない。しかし今思えば、その霧は何かこの一戦の結末を暗示していたのかもしれない。
今後を占う意味でも重要であった第3クール初戦は、徳島、札幌ともにすっきりとは晴れない1-1のドローゲームとなり、お互い「勝ち点1」ずつを獲得するにとどまった。
今節のホーム・徳島は、前節の退場による出場停止で攻撃の中心であったトップ下の伊藤が欠場。そこで、田中監督(徳島)は、これまで左サイドを担当していたMF片岡をその位置に入れる布陣でゲームに臨んだ。
すると試合は立ち上がりから効果的にそれが機能する。札幌のマークも比較的ルーズだったため、ピッチ中央でスペースを得た片岡は得意のドリブルとバイタルゾーンに入り込む早い動きで攻撃にアクセントをつけ、徳島にリズムを生み出した。またそこに、FW羽地と大島も的確なポストプレーで絡み、たびたび決定的な攻撃の形を作って見せる。
13分、左サイドで羽地と片岡の細かなパス交換からゴール前の大島へ絶妙なセンタリングは、札幌守備陣の体を投げ出した懸命の守備でコーナーに逃げられる。さらに攻める徳島は、両サイドの大場と金も積極的な動きで札幌の守備をかく乱し、時折放つミドルで札幌ゴールを脅かす。
前半は、FW中山への長いスルーパスだけを狙う単調な攻めに終始する札幌を尻目に、徳島が完全に主導権を握って試合を進めた。
しかし、徳島は十分に試合を支配しながら、以前からの課題である決定力不足が今節も顔を覗かせ得点までは奪えない。20分、羽地の中央突破から片岡へのラストパス。この決定的なチャンスもシュートはクロスバーを越え、先制するには至らなかった。
迎えた後半。先制したのは、試合の流れに反して札幌であった。
53分、DF池内の意表をつくタイミングで放った30メートルの直接フリーキックが徳島のゴールネットを揺らした。GK高橋も全く反応できず、徳島にとっては今から壁を作ろうかとしていた時の不意を突かれた失点であった。逆に、それまで攻撃の形らしい形が全く作れていなかった札幌としては、セットプレーを生かした、してやったりの先制点だったと言えよう。
そして、この先制点でようやく息を吹き返し、MF砂川にボールが集まり始めた札幌は68分、いよいよ新加入のFWデルリスを投入。取ればおそらく試合を決めることができるであろう追加点の期待を込めて送り出したに違いない。
が、次にスコアを動かしたのはそのデルリスではなく、この試合で好調なプレーを見せていた徳島のFW大島だった。81分の秋葉のコーナーキックを頭で合わせ、チームに待望の得点をもたらした。先制された後、チームがリズムを失いかけていた中で、まさにホームの意地と言うにふさわしい起死回生の同点弾であった。
上位争いの真っ只中にいる札幌としては、「1」とは言えアウェーでとにかく勝ち点は拾った。しかし、内容的には本来の出来からはあまりにも程遠く、今後への不安さえ残るものであったのは紛れもない事実。「こんな内容なら勝ち点1で十分」と吐き捨てた試合後の柳下監督の表情がその全てを物語っていた。
対して徳島は、試合のほとんどの時間で主導権を握っていただけに、非常に悔やまれる「勝ち点1」となってしまった。田中監督も「内容が良かったので非常に残念」と悔しさを隠し切れず、キャプテンの谷池も「この内容なら勝たないといけないことは選手全員わかっている」と無念さをにじませた。
以前からの課題であったゴール前での決定力や集中力の持続という部分に、いまひとつ改善が見られなかった点は見過ごせない。今日の引き分けは、それらが必然的に招いた結果とも思えてならないからだ。いい戦いをしているだけに、リーグ戦後期を迎え田中監督が掲げている『プレーの質の向上』が徳島には急務だ。
互いにもやもやとした感を残したドローゲームであったが、両チームに考え込んでいる時間はない。目前に迫った次節の戦いに、また前を向いて新たな気持ちで臨むしかないだろう。
以上
2005.07.31 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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