8月2日(火) 2005 J2リーグ戦 第24節
水戸 1 - 1 徳島 (19:01/笠松/2,213人)
得点者:'6 大島康明(徳島)、'46 磯山和司(水戸)
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今日の後半だけ見ていたら、「水戸って何て面白いサッカーするんだろっ!」って素直に思える。1試合通してそれが見られないところが、水戸らしいといえば水戸らしいのだが・・・。今節、水戸と徳島の3度目の対決は、前半は徳島のためにあり、後半は水戸のためにあった、そんな形容がしっくりはまる内容だった。
☆それでは徳島のための前半回顧☆
キックオフ直後のチャンスは水戸の須田が演出。右サイドに抜けたこの日スタメンの岩舘に絶妙のボールを通す。岩舘は抜け出るもシュートを躊躇。このちぐはぐさが前半の水戸を如実に表している。その後6分に、徳島・片岡の突破を須田が思わずファウル。そのFKを大島がヘッドであわせ徳島が先制した。大島のマークをはずしフリーにさせたのも須田だった。思い切りと集中したプレーが身上の須田が作った気の途切れ。これは須田だけでなく水戸の大半の選手がそうだった。前節、三ツ沢での敗戦を引きずっているかのように。
徳島はFW大島にボールがよく収まり、比較高い位置で攻撃の基点を作ることに成功していた。停止明けの伊藤も攻守にバランスよいパフォーマンス。そして特に目を引いたのが片岡の好調ぶりだった。今日は従来の左サイドでプレーした片岡は、水戸ディフェンスの裏をつくプレーやドリブルでの突破で再三決定機を演出した。「形は出来ている。後は決定力だけ(徳島・片岡)」というように、チームとしてどう攻撃していくのか明確で、自信の下にプレーしているのがよく分かる。
一方、「前半は0−0で折り返す目論見だった(水戸・前田監督)」という水戸は、先制された展開に、たまらず岩舘をあきらめ磯山にスイッチ。前線での基点を作りにかかるが、一度傾いた流れを引き戻すことは出来なかった。今日、徳島が勝つことが出来なかった決定的な要因のひとつに、この前半で追加点を上げられなかったことがある。もうひとつは、43分に大島が大和田からファウル(イエローカードが出たが、背後からのもので一発退場でもおかしくなかったように見えた)で負傷、途中交代したことだ。代わりに入った小林は、第3節で水戸から得点もしていて「遜色なく出来る選手(徳島・田中監督)」であることは確かだが、結果的にこれが後半、水戸にペースが移っていくきっかけになったような気がする。
☆水戸の面白いサッカー、後半を振り返る☆
後半スタート時点で、水戸は2枚目のカードを切る。森田OUT→眞行寺IN。決して悪い出来ではない森田に代えることで、指揮官はリズムの奪還を目論む。そして開始早々の1分。マルキーニョから縦パスを受けた関が鋭く反転。ゴール前へのクロス(というよりはシュートが徳島ディフェンスに当たりゴール前にこぼれた)を磯山がスライディングしながら押し込んだ。この同点ゴールで、その後45分間、水戸の楽しいサッカーは展開される。決定力が無いばかりに逆転ゴールとまではいかなかったが、何がどう面白いのかその一端を紹介しよう。ひとつは後半23分のシュートシーン。右サイドをオーバーラップした須田が上げたクロス、ゴール前飛び込んだのは左サイドバックの大和田だった。4バックのサイドバック両名によるシュートシーン!?右も左もオーバーラップ!?『常識』『一般論』では有り得ない水戸ならではの不思議な展開。3分後の後半26分、その左サイドバック大和田が中へ切り込むドリブルからミドルシュートを放つ。大和田はこの後半、ディフェンスの仕事はもちろんこなした上で、トップの位置でのポストプレーも見せる奔放ぶり。後半29分、秦のシュートのこぼれ球に負けじと須田もゴール前まで詰めに行く。
デルリスなき今、目下チームの得点王は今日も積極的にゴールを狙う姿勢を崩さなかった。波及するように眞行寺、マルキーニョもミドルシュートを狙う。この試合、水戸が放ったシュートは17本。そのうち実に13本を後半に固めた。「前半は無感動、後半は皆さんをがっかりさせることの無いゲームだったのでは(水戸・前田監督)」と指揮官が総括するように、前半とはまるで違うチーム、サッカーを見せてもらった。徳島は大島を欠いたことが結果的に大きく影響していたように見える。ボールの収めどころを失い、前半のいいところが全くなりを潜めてしまう形なった。後半29分に金を投入したものの、リズムを奪還するまでの効果は得られなかった。
結果としては1−1のドロー。順位の入れ替わりは無かった。だが、今後の過酷な連戦に向けて成果を残したのはどちらか?と問えばそれは「水戸だろう」という答えになる。まず徳島は大島の怪我の具合が気になる。試合後ミックスゾーンに現れた彼は痛々しく、とてもコメントを求められる様子ではなかった。連戦ゴールのストライカーを欠くのは、はっきり言って厳しいものだ。水戸の最大の収穫は、デルリス移籍後でもオリジナルのスタイルで戦えるということを証明できたこと。これは、今後の20試合を戦うにあたり大きい。デルリスの抜けた痛手から、1試合半かけて立ち直ったというところか。「今後は連戦になるし、走れる、そして勇気のある選手を起用する(水戸・前田監督)」というように、水戸のサッカーは今後さらにアグレッシブに、面白さを加速させていくに違いない。今日の入場者数は2213人。願わくはこの『面白いサッカー』を、もっと多くの人にライブで堪能してもらいたい。そう思える一戦だった。
以上
2005.08.03 Reported by 堀高介
J’s GOALニュース
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