8月13日(土) 2005 J2リーグ戦 第26節
札幌 2 - 1 仙台 (14:04/札幌厚別/9,345人)
得点者:'71 シュウェンク(仙台)、'82 中山元気(札幌)、'85 池内友彦(札幌)
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快晴と暑さが続いた今週の札幌市。週末のこの試合も、ハーフタイムにスタジアムDJが「水分をよくとってください。直射日光に当たり過ぎないように」と熱射病予防を呼びかけるほどの突き刺すような日差しのもと、行なわれた。
まず前半は両チームの中盤のパスミスをついて、相手の中盤陣が鋭くカットして攻撃に挑むという様相が続いた。
その中で、札幌は中盤で鈴木が多くボールを持ったり、金子が拾おうとするが、FWのシュート数がデルリス0本、相川が1本というように、仙台にきっちり詰められて、なかなか前線にいいボールが渡らない。
一方の仙台の2トップ、大柴とバロンは、甲府、市原(当時)在籍時からもう十年来の呼吸の合ったコンビ。大柴が左サイドに流れて受けて起点となり、そこからクロスを出して中央のバロンにという展開や、バロンが自在に動き回ってくさびとなり幅広くボールを動かすなどで、仙台は前半の優位をつかんでいく。それでも仙台にゴール枠内を脅かす決定機はなく、またあったとしてもオフサイドで消え、0対0のまま後半へ。
優位をつかみたい札幌は、「攻撃では落ち着いて組み立てること」という柳下監督のハーフタイム時の指示にあるように、ていねいにつなぐことで支配率を高めてリズムを得ようという意図が表れた。それが後半4分の上里のクロスからデルリスのヘッドや、19分の右サイドからのクロスがデルリスへ、デルリスはシュートを選ばずヘッドで相川にパスをし、急角度から相川がシュートというように、フィニッシュまでたどり着けるようになった。
ただ仙台も前半につかんだ自信を手放さない。ボックス型でスタートした中盤の陣形が、後半になるとシルビーニョを底に残し、村上が高めに出て梁がより中へ入るようになり、菱形に。中盤の高めの人数が2人から3人に増え、前へいこうという意思がよりクッキリ見えた。同時に仙台は、破られていた左サイド富田に代えてシュウェンクを前線に投入、大柴を2列目に、後半押し上がってチャンスを数度作っていた村上を左サイドバックに移し、スコアレスの均衡を破ろうと挑む。
そしてそのチャレンジが、シュウェンク投入わずか4分後に実った。加賀が熊谷を倒して、仙台は左斜めの位置でFKを得る。シルビーニョのキックはシュウェンクのヘッドへとピンポイントで飛び、先制点。時は後半26分。シュウェンクはチームメートを引き連れてゴール裏に飛び出て、仙台サポーターに向け喜びを全身で表す。相手の心をへし折るのに、ほど良い時間帯のはずだった。
しかし、残り19分という時間は、仙台には扱いにくかったのかもしれない。前節・鳥栖戦では先制点を守って1対0の逃げ切りに成功した。その残像をこの試合でも追い求めたが、都並監督が、「逃げ切れるんでないかというような感触」をつかんでいても、大柴が、「相手にやらせても点を取らせないという守りではなかった」というように、きっちり守り逃げしようという割り切り感は、そうすぐには出なかった。そうした統一感が醸成される前に、札幌が反攻ののろしをあげた。
仙台の先制から11分後、札幌の同点劇は皆、途中投入の選手たちによって演じられた。後半37分、右サイドの西嶋からのボールを受けた2列目の石井が、パスからシュートへとアイデアを切り替えて、思い切ってミドルシュート。惜しくも(石井から見て)右ポストに当たったが、はね返りはまっすぐ、詰め寄っていたFW中山の前へ。ダイレクトで打った中山の右足は見事にジャストミートし、ゴールネットを揺さぶり、1対1の同点。
動揺する仙台を尻目に、終盤なのに身体がキレキレになる札幌。同点から3分後、和波のクロスをDFがクリアしてつかんだ左CK。キッカーの鈴木が思いっきり蹴ったボールは中央の曽田に向かっていたが、これは仙台の選手を引きつけたスルーのような形になり、ファーサイドにいた池内に。前節もセットプレーから点を入れている池内がヘッドでチーム得点王に並ぶ8ゴール目を決め(デルリスが水戸在籍時に8ゴールを決めている)、ついに逆転。池内もシュウェンクに負けじと、ゴール裏に飛び出し、両手を広げながら駆け、サポーターへ猛烈にアピールした。
残り5分プラスロスタイム。仙台は後半43分に関口、中田を入れるも、もう再反撃する力は生まれなかった。
停滞の前半からうってかわって、後半の26分から40分という短い時間の中に凝縮された、先制、同点、逆転というスペクタクル。仙台は選手のポテンシャルは高いものの、流れを素早く読んでつかんでの逃げ切りという組織的な構築の課題を残した。札幌も2連勝で3位とはいうものの、もっと攻撃のつなぎを高めてボールを支配する時間を長くするのが、次の山形戦など上位との直接対決に向けての課題。それが見えた一戦だった。
以上
2005.08.13 Reported by 永井謙一郎
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