8月20日(土) 2005 J1リーグ戦 第19節
鹿島 1 - 2 広島 (18:34/カシマ/15,736人)
得点者:'44 佐藤寿人(広島)、'70 アレックスミネイロ(鹿島)、'89 前田俊介(広島)
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J1再中断明けの大事な一戦に、主将・小笠原満男が出場辞退するという予期せぬ出来事に揺れ動いた首位・鹿島アントラーズ。「その分、勝たなきゃいけなかった」と本山雅志も話したが、チームには少なからず影響があった。加えて岩政大樹と大岩剛という守備の要が前半16分と後半44分に退場。サンフレッチェ広島に先行されながら、いったんは追いついたものの、若武者・前田俊介の後半ロスタイム弾に沈む結果となった。開幕からトップを独走してきた鹿島だが、次節・アルビレックス新潟戦にはディフェンスラインを担う2人が出場停止。今季最大の苦境に立たされることになる。
J1第19節・鹿島対広島の一戦が20日、カシマスタジアムで行われ、アウェーの広島が2−1で勝利。勝ち点を31に伸ばした。鹿島は勝ち点39のまま。幸いにして2位・ガンバ大阪が新潟に敗れたことで勝ち点4差は縮まらなかった。が、3位・浦和レッズが32、5位・ジュビロ磐田も31と勝ち点を伸ばしつつあり、優勝争いはいよいよ混沌としてきた。
負傷で長期離脱していた名良橋晃、アレックス・ミネイロが実戦復帰し、ようやく戦力が充実しつつあった鹿島。ところが広島戦前日に衝撃が走った。移籍問題に悩む小笠原が自ら出場辞退を申し出、トニーニョ・セレーゾ監督も了承したのだ。代役候補には増田誓志らもいたが、指揮官は経験を買い、柏レイソルからレンタル移籍してきたばかりのリカルジーニョを抜擢する。しかし「満男さんが出ないと決まったのが急だったし、リカルジーニョも紅白戦ではほとんどAチームでプレーしていなかった」と青木剛が言うように、連係面にはやはり不安もあった。注目された名良橋とアレックス・ミネイロは大事を取ってベンチスタート。不調が懸念された鈴木隆行はスタメンでピッチに立った。
そんな鹿島とは対照的に広島は北海道キャンプでチーム完成度を高めてJ1再開を迎えた。右ひじ脱臼の服部公太も強行出場。ほぼベストといえる布陣で挑んできた。
ボールポゼッション力と攻撃の創造性に勝る鹿島が主導権を握り、広島がカウンターで応戦するという展開が予想されたこの試合。だが蓋を開けてみるとペースをつかんだのは広島だった。ガウボンや大木勉にクサビを入れて、速さのある佐藤寿人らが前線に抜け出すという形を序盤から積極的に試みる。駒野友一、服部の両アウトサイドにも前へ出ようという高い意識が感じられた。
迎えた16分、鹿島にとって痛すぎるプレーが出てしまう。フリーで抜け出しかけた佐藤の飛び出しを止めに行った岩政が一発退場を食らったのだ。小笠原を欠いたうえ、いきなり10人での戦いを強いられた鹿島。指揮官は青木を最終ラインに、野沢拓也を2列目に下げ、鈴木の1トップに修正したが、これでますます攻撃の形が作れなくなる。逆に広島の勢いは増し、前半ロスタイム、ガウボンがドリブルからシュートしたところに佐藤が飛び出してゴール。先制点を挙げた。ハーフタイムにはゴール裏からブーイングと「オ〜ガサワラ」コールが飛び交うなど、鹿島サポーターも苛立ちを抑えられなかった。
後半の立ち上がりも広島の攻勢が続く。開始1分にガウボンが決定機を迎え、直後には右サイドを上がった駒野が強烈なシュートを放つなど、いつ追加点が入ってもおかしくない状況。が、鹿島としてもこのまま負けるわけにはいかない。トニーニョ・セレーゾ監督は後半16分、満を持して名良橋とアレックス・ミネイロを投入。4−3−2の布陣にして巻き返しを図ろうとした。
この策はズバリ的中。名良橋の果敢な上がりやアレックス・ミネイロの個人技をきっかけにチャンスが生まれ始める。そして25分、フェルナンドの左CKからアレックス・ミネイロが頭でゴール。しぶとく同点に追いついた。この後、登場した深井正樹も得意のドリブルで広島守備陣を翻弄。一時は勝ち越し点さえ入りそうなムードになった。
とはいえ、「今日は負けないことが大事だった。最低でも勝ち点1でよかった」と新井場徹が言うように、鹿島の選手たちは守備意識が強すぎたのかもしれない。それが災いしたのか、痛いミスが出てしまう。終了間際にもう1人の守備の要・大岩が2枚目のイエローを受け退場。堅守を誇ってきた2人のDFがいなくなったのだ。
こうなれば自然とペースは広島に傾く。広島は後半30分すぎに出てきた切り札・前田俊介が一瞬のスキを突いてぺナルティエリアの少し外側から右足シュート。これがGK曽ケ端準の頭上を超えてゴール左スミに入ってしまった。この日、4〜5回にわたってセーブをし続けた守護神も、若きストライカーの勝負強さの前に、最後まで持ちこたえられなかった。
終了のホイッスルが鳴った瞬間、歓喜を体いっぱい表現する広島の選手たちとは対照的に、鹿島の新井場と青木はピッチに倒れこんだ。名良橋とアレックス・ミネイロの復帰という明るい材料はあったものの、大事なゲームを落とし、首位固めを失敗したショックは大きい。小笠原の動向もハッキリせず、守備の要を2人も欠く状況のもと、中3日で新潟戦を戦わなければならない。今季最大の苦境に立たされた常勝軍団はいかにこれを乗り切っていくのか。今こそチームの総合力が問われるところだ。
一方、この勝利で勢いと自信を得た広島。「トーナメントの決勝戦だと思って臨んだこの試合に勝ったことは大きい」と先制ゴールを挙げた佐藤も満面の笑みを浮かべた。これを機に優勝戦線に力強く参戦してくる可能性は高い。
以上
2005.08.21 Reported by 元川悦子
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