8月20日(土) 2005 J2リーグ戦 第27節
徳島 2 - 1 鳥栖 (19:04/鳴門/3,596人)
得点者:'70 新居辰基(鳥栖)、'75 羽地登志晃(徳島)、'78 羽地登志晃(徳島)
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プレビューでも触れたことだが、このカードは過去2度の対戦において同じ構図の試合を展開した。その構図とは『鳥栖が先制、徳島が追いつく、結果引き分け』というものだ。また、全チームと2度の対戦を終えた第2クール終了時点で、徳島が1度も先制できなかったのはこの鳥栖と札幌だけである。上位の強豪相手にも2戦のうち必ず1度は先手を取っている徳島と、それを唯一許さなかった鳥栖。それを考えれば、この構図が単なる偶然ではないように思えて仕方がなかった。
そして今節も、『鳥栖が先制、徳島が追いつく』と、その構図は繰り返されるかに思われた。しかし、そのあと続いたのは『さらに追い越し、結果徳島の勝利』。ホーム徳島の見せた「勝ち点3」への強い意欲が、その構図の最後を見事に崩した。
試合は、前半立ち上がりから徳島ペース。中盤の積極的なプレスでボールを奪うと、いつもより早いタイミングで前線に送り、FW羽地のポストプレーを基点に攻撃を組み立てる。そして、その羽地やMF伊藤が惜しいシュートを放ち、チームの勢いを加速させた。
徳島はさらにチャンスを作り続ける。サイドと中央を効果的に使い分けた攻撃を披露し、何度もゴールかと思われるシーンを迎えた。が、MF片岡のFKはポストをかすめ、羽地のヘディングはクロスバーに嫌われるなど、喉から手が出るほど欲しい先制点にはどうしても至らない。とは言え徳島としては、チームとしても、また選手個々にも、この試合にかける意気込みとプレーでの積極性が大いに感じられた内容の前半であった。
逆に鳥栖は、前節快勝した好調さが嘘のように、攻守両面において精彩を欠いた。攻撃は、徳島の早く激しいプレスに思うようなつなぎをさせてもらえず、また守備でもマークの受け渡しや1対1での対応に度々マズさを露呈。前半を通してほとんどチームが機能しなかったと言えるだろう。
迎えた後半も大勢は変わらなかった。攻め込む徳島に対して、ギリギリのところで何とか凌ぐ鳥栖。見ている限りでは徳島の先制点は時間の問題のようにも思えた。ところが、そのような戦況下前記の構図が今節も現実となり始める。
70分、右CKからゴール正面にこぼれたボールをFW新居が押し込み、なんとまたしても鳥栖が先制。前半から数えてもチャンスらしいチャンスがほとんどなかった中で、セットプレーを生かして、してやったりのゴールを奪った。
しかし、先制こそ許したものの、徳島の前へ出る積極性は変わらない。すると、5分後、その猛攻が実りようやく鳥栖ゴールをこじ開けることに成功する。左サイドで得たFKからMF秋葉が逆サイドへ大きなクロスを上げると、MF大場がゴール前へ折り返し、そのボールを羽地が執念さえ感じるダイビングヘッドで押し込んで同点とした。
これで『鳥栖が先制、徳島が追いつく』…。過去の構図がまた繰り返されるのではという想像が頭に浮かんだ。
が、わずか3分後の78分、同点ゴールを奪った徳島・羽地がその想像をあっさりと吹き飛ばす逆転弾を決める。自陣からの長いFKを受け、得意の左足で弾道の低いミドルシュートを鳥栖ゴールに突き刺した。ゴールへ向く見事な胸でのコントロールと、シュートまでの冷静でスムーズな動作が生んだ、圧巻の一発であったと言えよう。
これで2-1。そして、最後まで集中を切らさず好パフォーマンスを持続した徳島がそのまま試合を押し切り、「勝ち点3」をもぎ取った。鋭い出足で何度もインターセプトを見せた谷池、小峯、大森の守備陣の奮起も見逃せない。
しかしながら、勝ちはしたが、徳島には課題も残った。それは、以前から言われ続けている決定力不足が明らかだったことだ。特に前半の決定的なチャンスを決められなかったことが、今節またしても鳥栖に先手を許し、結果厳しい接戦にしてしまったのは間違いない。今後順位を上げていくためには、その解消が不可欠だ。
対して鳥栖は、前節の快勝で掴みかけた勢いをも逃してしまうような残念な内容での敗戦となった。松本監督も、前節とは打って変わって「勝負に生きる男の厳しさが感じられず、これでは満足な結果になるはずがない」と今節のチームの出来を嘆いた。これ以上ズルズルと順位を下げないためにも、鳥栖には選手個々の奮起と、安定感のあるチームへの立て直しが求められる。
これまでの2度の対戦とは違い、勝敗の決した今節のこのカード。しかし、『鳥栖が先制』という構図はまだ生きている。気の早い話ではあるが、次回第4クールでの対戦が今から楽しみである。
以上
2005.08.21 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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