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【J1:第20節 鹿島 vs 新潟 プレビュー】DF2人欠場も小笠原復帰で巻き返したい鹿島。連勝で一気に上位浮上を狙う新潟(05.08.24)

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8月24日(水)J1 第20節 鹿島 vs 新潟(19:00KICK OFF/カシマ)
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 主将・小笠原満男の出場辞退に加え、岩政大樹、大岩剛という守備の要2人が退場し、J1再開後の大事な初戦・広島戦を落としてしまった鹿島。勝点4差で追う2位・G大阪が負けたことが幸いだったが、今季最大の苦境の立たされたのは言うまでもない。明日の新潟戦での取りこぼしは何としても避けたいところ。移籍問題に悩む小笠原もチームの危機を察知。気持ちを切り替えてピッチに立つという。とはいえ、今季9ゴールをマークするエジミウソンら得点力ある新潟攻撃陣を、鹿島の急造守備陣がいかに抑えるのか。この一戦は今後のタイトル争いを左右する重要なゲームになりそうだ。
 
 J1第20節・鹿島対新潟戦が24日19時からカシマスタジアムで行われる。現時点では鹿島が12勝4敗3分・勝点39で首位をキープ。新潟は7勝7敗5分・勝点26で9位まで順位を上げてきた。チーム状態と勢いでは新潟にやや分がありそうだ。しかし3シーズンぶりのタイトル獲得に燃える鹿島としては、今こそ踏みとどまらなければいけない。前節・広島戦では負傷で長期離脱していた名良橋晃とアレックス・ミネイロが復帰。名良橋が積極的なオーバーラップを見せ、アレックス・ミネイロが鋭い得点感覚を発揮して同点ゴールを叩き込むなど、チームには明るい材料もあった。結果的に敗れはしたが、怒涛の攻めで相手を押し込む時間帯もあり、常勝軍団らしい粘り強さが印象的だった。これで小笠原がピッチに戻れば、攻撃陣はかなり充実した陣容となる。ボールポゼッションをしつつ攻撃を組み立てるという本来のパターンで早い時間帯の先制点を狙いたい。アレックス・ミネイロという高い決定力を誇るFWがピッチにいるのはトニーニョ・セレーゾ監督にとっても心強い。
 
 その反面、懸念されるのが守備陣である。出場停止となる岩政と大岩の代役には羽田憲司とボランチの青木剛が入る見通し。今季に入り羽田もようやく本来の的確な読みとポジショニングを取り戻しつつあるが、残念ながら岩政と大岩ほどの安定感はない。青木も高さとフィード力には定評はあるが、エジミウソンや鈴木慎吾と1対1で互角に勝負できるスピードという意味では不安もある。2人のコンビも熟成されていない。さらに言うと、ボランチに入るであろうフェルナンドとリカルジーニョの守備力も磐石ではない。今季の新潟は通算得点29で、浦和と磐田の30に匹敵するレベルにある。何とかしてこの高い攻撃力を阻止することが、鹿島の連敗ストップへの絶対条件だ。
 
 明日の予想スタメンはGK曽ケ端準、DF名良橋、青木、羽田、新井場、ボランチ・リカルジーニョ、フェルナンド、2列目・小笠原、本山、FWアレックス・ミネイロ、鈴木(隆)。今季5得点の野沢拓也はスーパーサブとしてベンチに控えることになりそうだ。
 対する新潟は、前節・G大阪戦に続く下克上を狙いたい。分析家かつ策士の反町康治監督は徹底した準備と戦術徹底で、昨季の鹿島とのホームゲームに勝利。今季もホームで引きわけている。常勝軍団に対する苦手意識は全くない。しかも彼らが目指す「ムービングフットボール」も着実に完成へ近づいている。中断期間に十日町で行ったキャンプでの走りこみの成果も上がっている。G大阪戦でも運動量で負けることなく、次から次へとカウンターを繰り出して相手を窮地に追い込んだ。明日も前節のようなアグレッシブなサッカーで、守備に不安を抱える鹿島を追い詰めたい。
 
 けれども新潟の方も守りが磐石とはいえない。G大阪戦でアラウージョと大黒将志に2点を許したように、萩村滋則と喜多靖率いる最終ラインには守りきれない弱さがある。4-3-3のシステムを採る反町監督は「1点取られても2点取るサッカーをすればいい」と考えているのかもしれないが、鹿島の攻撃陣はJ1でも抜きん出た破壊力を誇る。相手に先手を取られるようだと、厳しい展開を強いられるのは間違いない。それだけに序盤は手堅いサッカーを意識したいところ。
 
 新潟の予想スタメンはGK野澤洋輔、DFアンデルソン・リマ、萩村滋則、喜多靖、高橋直樹、MF本間勲、桑原裕義、ファビーニョ、FW寺川能人、エジミウソン、鈴木。状況によっては磐田からレンタル移籍してきたアテネ五輪代表MF菊地直哉にも先発のチャンスがあるかもしれない。
 
 両者とも守備より攻撃面に特徴があるだけに、壮絶な打ち合いになる可能性を秘めたこの一戦。ここまで首位を独走してきた鹿島が意地を見せるのか、それとも挑戦者の新潟が一矢報いるのか。今後の戦いを占ううえで見逃せない重要なゲームになりそうだ。

以上

2005.08.22 Reported by 元川悦子
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