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【J1:第21節 東京V vs 鹿島 レポート】今季初の2連勝で暫定ながら降格圏を脱出した東京V。鹿島はチャンスを作りながらも決めることができず。(05.08.28)

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8月27日(土) 2005 J1リーグ戦 第21節
東京V 2 - 0 鹿島 (19:02/味スタ/16,145人)
得点者:'51 ワシントン(東京V)、'57 ワシントン(東京V)
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ピッチに散った東京Vの顔ぶれは大方の予想通り。ワシントン、ジウ、平本の3トップ、中盤右に山田、左に平野。中盤の底には小林大悟と戸田が並び、戸川、林、米山が3バックを形成、体調不良のMF相馬は今回もメンバー外。鹿島はFW鈴木をベンチスタートとし、アレックス・ミネイロとの2トップには野沢、後ろに本山・小笠原を並べる。ボランチにはフェルナンドと青木、最終ラインには新井場、名良橋、岩政、大岩のポジションは前節に引き続き羽田が埋めた。

「勝ちたい気持ちの差が出た」と東京V・小林大悟が振り返った立ち上がり、積極的にゴールを目指したのは東京V。平野のクロスに平本が頭で合わたシュートを皮切りに、立て続けにチャンスを作っていく。12分、ワシントン、平本と繋ぎ、ゴール前走りこんだジウが左足シュート。その1分後、今度は平本とジウで左サイドを崩し、再びジウがシュートを放つ。前線に陣取るワシントンにも2度、3度とボールが供給され、リズムは東京V。
鹿島・名良橋は「スロースターターになった。選手全員が悪かった」と試合の入り方を悔やんだ。
だが、トニーニョ・セレーゾ監督は「上々の立ち上がり」と感じていた。「積極性が欠け、リアクションになっていた」ものの、「試合をこなしていくうちに調子は戻る。勝って終われるという予感がした」と試合後にコメントしている。

実際、20分頃から鹿島のチャンスは増え始める。24分、左SBの新井場がドリブルで駆け上がり、ボールを受けた小笠原がシュート。その3分後、フェルナンドがミドルで狙い、32分にはアレックスミネイロ。セットプレーからのチャンスも作り、今度は東京Vが守備に回る時間が続く。リズムは鹿島に傾きつつあった。

ところが37分、鹿島は自ら東京Vが「完全にゲームを支配できる状況(FWワシントン)」になるきっかけを与えてしまう。

中盤でボールを奪取しゴールへ向かってドリブル突破を図った東京V・平本に対し、鹿島DF岩政が思わずファウル。この日2枚目のイエローで退場となったのだ。これで「完全にプランが崩れた」とDF新井場。「先制を狙っていたけど、仕方なく前半0−0でいこう、と(新井場)」。鹿島は青木の位置をひとつ下げCBにし、小笠原をボランチに下げて対応。数的優位で「パスが繋がり、一気に楽になった(小林大悟)」東京Vを相手に、なんとか前半は無失点で終えた。

ハーフタイム、バドン監督は「サイドをもっと使おう」と指示。また、小林大悟と林のポジションを上げ、4バックにしより攻撃的にシステム変更。後半開始から両サイドを使い鹿島を攻め立てた東京Vにゴールが生まれるのは、まさに「時間の問題だった(FWワシントン)」。
そして訪れたゴールシーンは、ジウ、ワシントン、平本とシュートが続いた後の51分。左サイドに流れた平本のクロスにワシントンが頭で合わせ1点目。更に続く57分、今度は同じく左サイドをドリブル突破したジウからのパスを受けた中央・ワシントンが、右足シュート。球は相手DFの足元をかすめながらゴールネットに吸い込まれ追加点、東京Vが2−0と鹿島を突き放した。

この戦況に、トニーニョ・セレーゾ監督は60分、本山と野沢を下げFW鈴木、MFリカルジーニョを投入。まず1点を取りにかかる。加えて63分、今度は東京V・戸田が2枚目のイエローで退場。残り時間30分間弱、鹿島ベンチからは「まだ時間がある」の声が飛び、すぐさまFW深井を準備。DF名良橋を下げ、右SBに青木、左SBフェルナンジーニョを配し、CBは羽田と新井場という布陣、こちらも攻めの意識を強くする。

だが、入った深井が何度かチャンスを作り出したものの、ラストの精度が悪く、また東京Vの集中した守備に阻まれボックス内に入り込めない。そのまま時間は刻々と過ぎ、最後は最終ラインに羽田1人を残し、新井場を含めリスク覚悟でゴールを目指したが、結局鹿島に得点は生まれなかった。

一方、その後もMF玉乃・FW町田と攻撃的な交代選手をピッチに送り出した東京V・バドン監督。選手もメッセージを受け止め、後半22分に投入した玉乃がロスタイムに退場処分となり9人となるまで、終始攻めの姿勢を崩さなかった。
その試合内容にも満足感があったのだろう。試合終了のホイッスルを聞いたバドン監督は、ベンチのコーチ陣とがっちりと握手を交わしながら満面の笑みを浮かべていた。

これで東京Vは今季初の2連勝、暫定ながら降格圏を脱出した。敗れた鹿島はそれでも首位をキープ。ただ、勝利した2位・G大阪との勝ち点差はわずかに1。G大阪のみならず、続く広島や浦和の足音がすぐそこまで聞こえてきた。

以上

2005.08.28 Reported by 高木聖佳
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