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【J2:第28節 徳島 vs 福岡 レポート】徳島、見事に初の連勝を飾る。福岡は19節以来の敗戦。(05.08.28)

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8月27日(土) 2005 J2リーグ戦 第28節
徳島 2 - 0 福岡 (19:04/鳴門/4,062人)
得点者:'17 片岡功二(徳島)、'67 片岡功二(徳島)
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 徳島の出来が特別によかったというわけではない。確かに守備は90分間集中力を切らさず、厳しさと粘り強さを持続させたが、攻撃においては決していいリズムであったとは言えないだろう。事実、ボール支配率やシュート数はともに福岡に譲り、主導権も試合を通して握られていたように思う。しかし・・・結果は、その徳島がFK2発で強敵・福岡を撃破。徳島は、今シーズン初の連勝、併せてホーム3連勝を飾って貴重な勝点3を手に入れた。

 試合は立ち上がり、両チームがまずペースを握るべく局面で激しい攻防を繰り返し、一進一退の展開を見せた。そして、互いに奪ったボールを早めに前線に供給して相手ゴールに迫る。特に徳島は、本来の中盤での細かなパスワークをあえて省略し、勝負へのこだわりを感じさせた。

 そんな中迎えた17分、徳島がゴールほぼ正面でFKを得る。ゴールまでの距離は約25メートルと若干距離があるようにも思われたが、MF片岡の右足から放たれたシュートは見事な軌跡を描いてゴール右上隅を強襲した。福岡GK水谷が懸命のセーブを試みるものの、ボールはその手をも弾き飛ばしてそのままゴールネットへ。徳島が、のどから手が出るほど欲しかった先制点を奪った。

 しかし、先制は許したものの、自力に勝る福岡が徐々にボールの支配率を高めていく。徳島のロングフィードをしっかりと跳ね返し、自陣からシンプルにつないで徳島を押し込んだ。攻撃の起点をサイドに求め、執拗にそのスペースにボールを流し込み、中村が果敢なオーバーラップを繰り返す。そして、前半こそゴール前での工夫不足から十分な形でのフィニッシュは少なかったが、後半は開始から攻撃を立て直し、「同点か」というきわどい場面を続けざまに作る。また、グラウシオと田中のFWコンビもそれぞれ惜しいシュートを放ち、いよいよ同点の臭いも漂ってきた。

 が、先制による精神的な優位と、何よりホームの意地を持って戦う徳島も簡単にはゴールを許さない。この一戦に勝利するための重要なポイントと思われた「局面での個の勝負」にも決して引けをとらず、常に福岡の選手たちに自由を与えない粘り強い守備で福岡の猛攻を凌ぎ続けた。すると、そのディフェンスの頑張りに応えるかのように攻撃陣が奮起。待望の追加点を奪取する。67分、果敢な仕掛けから今度はペナルティエリアすぐ外でFKを獲得し、先制点を決めた片岡がまたしても素晴らしいキックを見せてそれをゴール左隅に叩き込んだ。

 結局、福岡にはこの2点目が精神的に大きくのしかかることとなる。ボールの支配率は依然として上回るものの、時間の経過とともにチームにはゴールを奪えない苛立ちと焦りが現れ、それによってコンビネーションやシュートの精度にも狂いが生じ始めた。そして結果、福岡は徳島の3倍近いシュートを打ちながらゴールはひとつも奪えず、第19節以来の敗戦、それも完封負けを喫することとなった。試合後の松田監督の「FK2本でやられたという感じ。」という言葉が全てを表しているだろう。

 逆に徳島は、結果としては、少ないチャンスの中でFKを活かし効率的にゴールを奪った強敵・福岡相手の会心の勝利であった。しかもディフェンス面においては、前回対戦(第20節)の時の敗因ともなった「局面での個の勝負」をしっかりと修正したことで、強力な福岡の攻撃を見事に零封した。まさに実りのある勝利であったと言えよう。とは言え田中監督は、「試合前からセットプレーが大切になると思っていたので、その期待に応えてくれてうれしい。」と勝利を掴んだ満足感を感じながらも、「強い相手にでも流れの中で得点できるようにしたい。」と次への課題も語り、すぐに気持ちを引き締めなおしていた。
 
 次節は水曜日にやって来る。今日の結果の余韻からは、すぐに気持ちを切り替えて万全の準備を始めなければ・・・。前節に続く勝利で初の連勝を飾った徳島の今後の躍進と、一方、好調といわれていた中で負傷者も出し、悔しい完封負けを喫した福岡が次節へどう立て直しを図るのかを共に注目していきたい。

以上

2005.08.28 Reported by 松下英樹
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