8月28日(日) 2005 J1リーグ戦 第21節
大宮 3 - 2 清水 (18:04/熊谷陸/7,849人)
得点者:'10 佐藤由紀彦(清水)、'43 兵働昭弘(清水)、'48 トニーニョ(大宮)、'51 トゥット(大宮)、'74 久永辰徳(大宮)
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前半終わって0−2。清水エスパルスが一方的に攻め込む展開に、大宮アルディージャ勝利の可能性はほとんどないと思われた。ところが後半が始まるや否や、トニーニョのミドルシュートが決まり、直後には森田浩史が森岡隆三のファウルを誘ってPKをゲット。トゥットが同点弾を叩き込む。そして久永辰徳が決勝点を挙げ、3−2で逆転。劇的な勝利に「サッカーは終わってみないと分からない」と三浦俊也監督も驚いたほど。大宮が公式戦7試合ぶりの白星で9位に浮上した。対する清水はナビスコカップを含めて8試合勝ちなし。順位も15位まで落とし、いよいよJ2降格ゾーンが現実味を帯びてきた。
28日18:04分から熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われたこのゲーム。勝ち点25・12位の大宮と勝ち点22・13位の清水だけに、両者とも下位転落の危機に直面している。しかもここまで大宮は公式戦6試合、清水は同7試合勝ち星がない。どちらも先に苦境から抜け出したいところだ。
大宮・三浦監督は8月のJ1再開後からトライしている4−1−4−1の新布陣をこの試合でも採ってきた。ただし最終ラインは右に冨田大介、左に三上和良、センターに奥野誠一郎と平岡靖成が入ると見られていたが、実際には右に片岡洋介、左に三上、センターに奥野と冨田が入った。一方の清水も予想通りの4−4−2だが、右MFには佐藤由紀彦、左MFに新人の兵働昭弘、FWにはマルキーニョスではなく久保山由清とチョ・ジェジンが入った。
「東京V戦から立ち上がりが悪いので今日は頭からしっかりやりたかった」と言う三浦監督だが、大宮は流動的な中盤が機能せず、相手に主導権を握られてしまう。清水は高い位置でボールを奪い、素早い展開でゴールを狙う。久しぶりに先発出場した佐藤、今季初先発の兵働も積極的にサイドを崩そうとした。迎えた10分、山西尊裕の左サイドからのロングスローをチョ・ジェジンが頭で落とし、久保山がシュート。そのこぼれ球をファーサイドにいた佐藤が見事に決め、清水に幸先のいい先制点が転がり込んだ。
大宮は攻め込まれた右サイドの守備を修正するため、片岡に代えて斉藤雅人を起用。トゥットを完全にトップに上げて4ー4−2に布陣変更した。これで多少バランスは修正されたが、清水の攻めを完全に止めることはできなかった。そして前半43分、与えてはいけない2点目を失ってしまう。
市川大祐のクロスを再びチョ・ジェジンが落とし、ぺナルティエリアの少し外側でボールを受けた兵働が強烈な左足ミドルを叩き込んだのだ。この前半の展開に「素晴らしいプレーができている」と長谷川健太監督も選手たちを大いに賞賛した。
だが三浦監督が「2−0というのは一番危ない点差」と指摘する通り、一方的攻勢が清水の落とし穴だった。久永も「清水は後半と前半では全然入り方が違った」と証言する。2点のリードが大きな油断となり、清水は大宮につけ入るスキを与えてしまったのだろう。後半開始3分、三上からのパスを受けたトニーニョが約30mの距離からミドルシュートを放った。これがDFに当たってコースが変わり、ゴールネットを突き刺した。この2分後には森岡がぺナルティエリア内で森田を押してPKを宣告される。森岡は「クロスを競った時に相手に乗っかる形になっただけ」と不満そうに話したが、判定が覆るはずもない。結局、トゥットが2点目を挙げ、瞬く間に大宮が同点に追いついた。
ここから大宮は一気に畳み掛ける。ディビッドソン純マーカスのシュート、藤本主税の小気味いい動きなどで相手守備陣を翻弄する。清水は前半の勢いが嘘のように消え、運動量ががくっと落ちた。「最近勝っていないから盛り返す元気が欠けている」と長谷川監督も精神面の弱さを口にするしかなかった。
勝負の明暗を分けたのは、後半29分だった。森田〜マーカスとつながったボールを受けた久永が右サイドの角度のないところからシュート。清水の息の根を止める3点目を見事に奪った。このところ清水は後半30分すぎの失点することが多かった。そのパターンをあらかじめ読み、終盤に勝負をしかけた大宮がこの日は一枚上手だった。
クリスティアンが移籍し、桜井直人が負傷するなど、陣容的にも苦しい大宮。7月13日の川崎フロンターレ戦から公式戦6試合勝利がなかった。このままズルズルと下位に落ちかねない状況だっただけに、この1勝で9位浮上を果たしたことは大きな意味がある。藤本は「まだ新しい戦術に慣れきっていないし、我慢しきれない面はある。少なくとも前半は0で抑えて後半勝負という試合ができないとダメ」と苦言を呈していたが、こうした課題に向かっていくエネルギーが沸いてきたことは前向きな材料だ。
逆に清水の方はかなり心配な状況だ。2点のリードをひっくり返され、15位に落ちたことで、選手たちのショックは非常に大きいはずだ。「正直、どうしたらいいか分からない」と森岡からも弱気な発言が出た。8試合未勝利はチームワースト記録。長谷川監督は「まだ13試合あるし、もう1度戦える集団に立て直したい」と気力を振り絞って話した。まずはメンタル面を改善して、しっかりとチームの基盤を固めていくしかない。
以上
2005.08.29 Reported by 元川悦子
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第21節 大宮 vs 清水 レポート】後半45分間で2点差をひっくり返した大宮が公式戦7試合ぶりの白星。勝ち試合を落とした清水は15位転落(05.08.29)
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