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【J2:第29節 仙台 vs 徳島 プレビュー】今季3度目の対戦は、昇格争いに残りたい仙台の「三度目の正直」なるか。カギは、絶好調の徳島・片岡対策。(05.08.31)

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8月31日(水)J2 第29節 仙台 vs 徳島(19:00KICK OFF/仙台)
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今季のオープニングマッチ。J1再昇格に向けてスタジアムと共に意気上がる仙台に、Jリーグ参入初戦の徳島が強烈な冷や水を浴びせた一戦は、開幕戦における「波乱ランキング」があるとすれば、かなり上位にランクインするであろうインパクトがあった。大場による3点目が決まった瞬間、完全に沈黙した仙台スタジアムのスタンドの一角で阿波踊りのリズムが鳴り響く光景は、仙台側のサポーターには今でも一種の戦慄と共に鮮明に刻まれているはずである。

現時点で、順位としては仙台が上(仙台7位、徳島9位)。だが仙台はこの開幕戦、そして21節のアウェーゲーム(3-3の引き分け)と、2試合あった対決で勝利なし。未だに引きずっている感のある開幕戦の衝撃と共に、順位と対戦成績との間にある「ねじれ感」を解消する上でも、仙台としてはやはり勝利が欲しい。「昇格を狙うチーム」でありながら「新規参入クラブにてこずるチーム」という不安定な立ち位置は良くない。この際はっきりと、今季の己の役どころを決めようではないか。というわけでこの対決、仙台にとっては「昇格を語る以上、乗り越えておかなくてはいかないタスクの一つ」と、考えたい。

さて、チーム状況と共に今節の展望に進もう。
「0-3」のあの開幕戦から約半年。仙台は荒波に飲まれた序盤を越え、何とか中位まで持ち直した。特に第2クールは、首位京都を粉砕したホームでの第20節に代表されるように、結果に内容が伴った、誇るに値する戦いぶりが続いた。
だが第3クールに入り、仙台は再びもがいている。まずゴールが止まった。6試合を終えた第3クールで、1試合平均ゴール数はちょうど1。だがここ3試合で見ればわずか2ゴールと平均1点を割り込む。またこの2点ともにゴールはセットプレーからで、流れからの決定機の少なさは深刻だ。
そしてゴール欠乏症が、前節の京都戦では守備の崩壊に繋がってしまった。前半をほぼ互角の内容で進めるものの、少ない決定機を逃すうちにチーム全体の気力は奪われ、最終的に早いパス回しやカウンターに沈んで後半に2失点。逆転負けした第26節の札幌戦もこれに入るかもしれないが、こうした「終盤に集中が切れた」失点が最近かさんできたのは気になる。

一方徳島は、順位こそ下位にあるも、クラブとしてこれまで経験したことのないレベルでの連戦や長丁場を経験し、疲労を抱えながらも確実に進化を遂げつつあり、特にここ数節で守備が格段に安定してきた印象がある。
正直言うと、戦術的にドラスティックな変化があったとは思わない。だがおそらく、日々の厳しい戦いが選手個々の能力を伸ばしていった部分もあるのだろう。前節の福岡戦も、個々の能力では上回るかに思われた福岡に対して、局面守備での粘り強さで流れをたぐり寄せた。
また、個々の能力のレベルアップという点では、やはりこの男に触れずにはいられない。左サイドに常に張り出す片岡の存在は、今やどの対戦相手も最も警戒するものとなった。
シーズン序盤、昨季のJFLでの戦いと同様、片岡と右の大場を3‐5‐2のウイングバック…と表現するには攻撃的すぎる高い位置に配し、その突破力を最大限に活かしたわかりやすい攻撃で旋風を巻き起こした。が、そこはJリーグ。節が深まるごとに研究も進み、簡単なサイドアタックが機能しなくなるとともに、徳島の成績は一時急激に落ち込んだ。
しかし片岡に関しては、この「包囲網」を自らのレベルアップで文字通り突き破ってしまった。前節は、直接FKで2ゴール。切れ味鋭いドリブルを仕掛け、ファールで止められたら自ら直接FKを狙う…これではアンストッパブルではないか。

仙台は過去2回、開幕戦では富田が、第21節の鳴門での対決では森川が、片岡の進撃を止められなかった。今回、その片岡の前に立つのはサイドバックとしてスタメン3試合目となる(都並監督がスタメン変更なしを明言しているため、これは確定だろう)中田である。以前の2人よりも、より「攻撃寄り」の選手ではあるが、前節の京都戦では右サイドハーフの梁との連係もあり、右サイドにしっかりと鍵をかけた。成長中の守備力に、元々の攻撃力を組み合わせられれば、新たな「片岡対策」の形を作ることができるかもしれない。
おそらくこの試合、カギはこのポジションになる。急成長の「左」と、生まれ変わり中の「右」。タッチライン上で繰り返されるクロスカウンターから、相手の顔面にパンチを浴びせられるのはどちらか。


以上

2005.08.30 Reported by 佐々木聡
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