8月31日(水) 2005 J2リーグ戦 第29節
横浜FC 1 - 1 京都 (19:04/三ツ沢/6,597人)
得点者:'13 鈴木悟(京都)、'72 三浦知良(横浜FC)
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「私たちがやっている試合というのは、良い内容だけを見せるのが仕事なのではなくて、勝ち星を取ることが一番大きな仕事です。」横浜FC・足達監督は試合終了後の会見でこう締めくくった。J1昇格に向けまっしぐらに走る首位の京都相手に互角の戦いを繰り広げ、平日にも関わらず三ツ沢に集った6,000人以上のファンを沸かせた。しかし、足達監督のこの言葉は、勝ち点3への強い気持ちが現れているものだった。監督だけでなく、選手たちもそれを口々に話した。
横浜FCは前節右サイドバックに岩倉を置き試合に臨んだが、その岩倉が甲府戦で右すねを骨折。全治4ヶ月と診断され、今回は右サイドバックに河野を置いた。左サイドバックには中島、右サイドに北村、そして左サイドにはここ4試合ベンチから外れていた吉武が入り試合に臨んだ。
試合立ち上がり早々から、京都はドリブルで左サイドを駆け上がった中払が中央に入ってきていたアレモンにパス、アレモンはほとんどフリーの状態でシュートを放つも、菅野がそれをしっかりセーブし、得点を防いだ。横浜FCも京都陣内に果敢に攻め込む姿勢を見せる。8分には内田、12分には吉武が、少し離れた位置からでも積極的にゴールを狙う。
山口がボールを持つと、いっきにチャンスが広がる横浜FCだが、京都はパウリーニョがしっかりとプレスをかけ、ボールを前に出させない。そんな中、試合が動いたのは前半13分。横浜FCは中盤でフリーキックを与えてしまう。鈴木がゴール左を狙ったボールを、菅野は指先で触りながらも、ほんの一瞬反応が遅れてしまい防ぐことが出来ず、先制されてしまう。流れの中からの得点ではないものの、またもや立ち上がりで得点を許してしまう「悪癖」が出てしまう形となった。
そのシーンを「非常に良いフリーキックだった。かなりトレーニングの中でもやっていたので得点に結びついて良かった」と柱谷監督は鈴木を称え、足達監督は「鈴木選手のフリーキックは素晴らしいものだった。しかし、あの時間フリーキックを与えない、もっと相手陣地でサッカーをやることを心がけなくては」と振り返り悔しさをにじませた。
以前までの横浜FCであれば、失点により悪い雰囲気が漂い、その流れに流されてしまうパターンが多かったが、ここ最近の横浜FCは違う。前への意識が非常に高く、速いプレスで相手を苦しめた。吉武も4試合ベンチから外れていた鬱憤を晴らすかの様に、果敢にボールを奪い、そのままゴールに向かうシーンが何度も見られた。しかし1点を必死に守ろうとさらに守備の意識を高めた京都は、最終ラインと中盤のラインをがっちりと作り、横浜FCはボールを持ち込んでもそこで挟まれ、なかなか繋いで割ることが出来ず、遠めからのシュートが多くなった。
「中盤の選手やサイドから、なかなか足元にボールが入らなかった」(三浦知)という状態で試合を折り返した横浜FC。ハーフタイム、足達監督は三浦知に「とにかく真ん中に居てペナルティの幅から出ないように」と動きの幅を制限し、点に集中させようとしたという。
その甲斐あってか、後半5分、奪ったボールを山口が右サイドを上がっていた北村に、そしてそこからペナルティエリア内にいる三浦知に繋いでシュート。しかし左に外れゴールならず。後半11分には中島のクロスをゴール前にいた城が頭でに合わせるもDFに阻まれる。 また後半18分、城がヒールで左サイドを駆け上がってきた中島に落とし、中島がそのままドリブルで持ち込み絶妙なタイミングで上げたクロスに三浦知がゴール前に滑り込むように飛び込んで頭で合わせる。なかなか枠を捕らえられないながらも、ボールの支配率は高く、得点できる雰囲気が漂っていた。ゴールを捕らえられそうなプレーの数々に、三ツ沢に集まったファンは身を乗り出して声援を送っていた。
しかし、京都も後半15分過ぎから攻撃的にシフトし、攻めの時間が増えつつあるような感じがした。「後半交替は、もう一点取りに行こうという選手たちへのメッセージだった。」と星(京都)が話すように、後半19分には右サイドを星から加藤に、左サイドを中払から美尾に替え、前がかりに仕掛けてきた。
そんな中、ファンが総立ちになってスタンドが沸きあがったのは後半27分だった。中島からトゥイードに出たボールに相手DFも反応したが、トゥイードが競り勝ちボールがゴール前にこぼれる。そのボールにトゥイードがすかさず反応し左足でシュートを放つもGK平井に弾かれる。その弾いた所に飛び込んできた三浦知が相手DFを引きずりながら右足でシュート。これがきれいに決まり、横浜FCの貴重な同点弾となった。
「僕はあまり好きじゃないんですけど、ストライカーらしいという言葉が合うゴールだったかなと思います。」と、三浦知はゴールシーンを振り返った。足達監督も「カズ(三浦知)の特徴として、必ずこぼれ球がカズ(三浦知)の所に来るというのはいつも思っている。それが得点に結びついた。」と話し、ハーフタイムでの指示がピタリとはまりゴールに繋がったことを明かした。ここからさらに攻めるムードが高まる横浜FC。京都は簡単なミスが目立ち、横浜FCはすかさずそこから速攻を繰り広げたが、決定的な場面を決めきれず、そのまま1−1の引き分けで勝ち星を分け合う形のまま試合を終えた。
数字をとってみても、横浜FCのシュート数は16。6本に留まった京都を圧倒している。それだけゴールに向かう姿勢が強かったことの証でもあるだろう。首位・京都を相手に互角に戦い、流れの中から1点をもぎ取れただけに、フリーキックからの失点を悔やまずにはいられない。しかし、それ以外にもたくさんチャンスはあった。このチャンスで確実に決められないことが、なかなか勝ちに繋がらない原因の一つにもなっているであろう。前節の甲府戦では精彩を欠いていた内田は「京都の中盤はマークが緩く、楽に前に行かせてもらえたので ある程度はできたかなという感じ。でも、勝ちきりたかった。」と話し、少し清々しい表情ではあったものの、その中にも悔しさがにじんでいた。
京都を苦しめながら勝ち取った勝ち点1は大きなものかもしれない。しかし、横浜FCが今一番欲しいものは白星。 次節に向けて「勝利というものが自分たちにとっても一番力になるので、早く勝ち点3を取れる様にしたい」と語った浮氣。中3日で続く3連戦の次節、「神奈川ダービー」を白星で締めくくりたい。
以上
2005.09.01 Reported by 浅野有香
J’s GOALニュース
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