9月17日(土) 2005 J2リーグ戦 第32節
横浜FC 2 - 3 徳島 (14:01/三ツ沢/6,823人)
得点者:'17 羽地登志晃(徳島)、'31 城彰二(横浜FC)、'51 三浦知良(横浜FC)、'63 大場啓(徳島)、'84 羽地登志晃(徳島)
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後半ロスタイム、横浜FC選手が相手からボールを奪うと、観客席にいる多くのファンは身を乗り出して、手を右から左にあおぐジェスチャーで、「ボールを早く前へ運べ!!」と、熱い気持ちを体全体で表現しながらピッチに声援を送り続けていた。しかし、その約1分後、無情にも試合終了のホイッスルが鳴り響いた。下位で苦しむチーム同士、両チームにとって負けられない一戦は2−3で、横浜FCが逆転負けを喫してしまうカタチで試合を終えた。
横浜FCは今節、大型DFのトゥイードを出場停止で欠いた。最終ラインは左SBに中島、右SBには早川、そしてCBは浮氣、山尾が務めたが、トゥイードのポジションである右SB寄りの位置に浮氣が、左SB寄りには山尾という布陣だった。山尾にとっては26節以来、6試合ぶりのピッチ。トゥイードと組んでいた時は前線に出ていくトゥイードとのバランスを後ろでしっかりと取っていた山尾だが、今日は積極的に前に上がっていく姿が多くみられた。
試合は前半、横浜FCのペースで進んだ。立ち上がり早々、徳島のクリアミスに内田がすかさず反応し城にボールを渡すと、城はそのままドリブルで右サイドに流れ、そこへ走りこんで受けた北村がそのままシュート。その7分後、左サイドを中島がえぐったところから、内田がゴール正面のペナルティエリア外でボールを受け、相手を交わして足を振り切る。枠を捕らえることは出来なかったものの、立ち上がりからゴールに向かう積極的な姿勢が強く見られた。またDFラインも押し上げ、相手陣内にフィールドプレーヤーが全員居るという時間帯もあった。
徳島は途中投入されることの多い小林が先発し、羽地と2トップを組んだ。徳島も立ち上がりから早い攻撃を見せる。その徳島は前半18分、スローインからのボールを受けた小林がペナルティエリア内で浮氣に倒されPKを得る。これを羽地が左足でキッチリ決め、徳島が先制。横浜FCにとっては良い流れで試合に入れていただけに、PKを与えてしまったことがとても悔やまれた。
先制点を与えてしまった9分後、早川から上がったクロスを城が頭で合わせるも右のポストに跳ね返り、そのこぼれたボールをさらに吉武が押し込むも今度はバーに嫌われ、なかなかゴールを割ることが出来ない。しかし前半31分、中央での相手DFのクリアミスを城が拾い、そのままペナルティエリア付近まで持ち込んだ。ゴール前には三浦知がDFとしのぎを削っている。そこにパスを出したいと、フェイントで交わしながらチャンスを伺うものの出すことが出来ず、そのまま自らの右足を振り切ると、見事にゴールネットを揺らした。
試合が振り出しに戻った後半。立ち上がり早々、秋葉から縦に出た早いボールを受けた羽地を山尾が倒し、この日2つ目のPKのチャンスを与えてしまう。これを小林が蹴るもバーに当て、横浜FCはピンチを逃れた。ここからまた横浜FCはボールを支配しはじめ、後半6分、会場がいっきに沸いた。スローインからのボールを中島がドリブルでゴール中央付近まで運ぶ。鎌田と大場に囲まれながらも、その二人のDFの間を抜けた速くて低めのパス。これをゴール前に詰めていた三浦知が右足で滑り込むように決め、逆転に成功した。
「センタリングというよりも、シュート性のあるボールが来ると思っていた」と自らの得点場面を振り返った三浦知は、この得点でカズダンスを披露し、訪れた観客もそのシュートとダンスに酔いしれた。
そのまま勝利へと向かいたいところだったが、徳島はなかなかそうもさせてくれない。後半15分、右サイドを突破する北村が中に入れたボールをゴール前で三浦知がシュートを放つも、相手GK・古田のファインセーブに阻まれ、徳島は追加点を許さない。流れが徳島に傾き始めた後半18分、左から秋葉が中に入れたボールが中央付近に居た羽地の頭にさわり、そのままボールは右サイドに流れ、そこに詰めていた大場が右足で思い切りシュート。同点弾を献上してしまった。羽地と大場の間の位置にいた中島の集中力を欠いたプレーが失点を招いてしまった。
試合はそのまま徳島ペースで進み、横浜FCは北村をうまく捕まえられ出していた。「監督から北村選手を見るように、ボランチと同じくらいの高さでやるようにと指示を受けた。」と片岡(徳島)が話すように、前半作れていた北村のサイドの起点が、これによって作れなくなってきていた。そしてその流れのまま、後半39分に、またもや大場が鮮やかなゴールシーンを演出した。中央にいた小峯から右サイドを上がる大場へ、大場はゴール前中央にいた羽地へピンポイントでクロスを上げ、それを羽地がきっちりと右足で決めた。見事なゴールシーンだった。このシーンを大場は「とにかくボールに触ったら上げることを一番に考えていた。クロスというよりもシュートの様な難しいボールになってしまったので、あれは決めてくれた羽地くんのお陰、彼の技術ですね。」と仲間のゴールを称えた。
羽地は「シュートは不得意な右足でしたけど、トラップが上手くいったので」と逆転弾を振り返った。試合はこのまま終了し、横浜FCは逆転したものの、さらに逆転され、掴みかけた勝ち点を最後の最後で逃してしまうかたちとなった。
横浜FCにとって今日の試合の内容は悪いものではなかった。しかし結果が伴わない。シュートの数は24。15本に留まった徳島を圧倒している。24本放ったシュートの中には何本もの決定的な場面があった。「決定力と集中力不足」。試合終了後、内田はこう振り返った。足達監督も「2点取っても勝てないというのが今のチームの現状。決定力もあげていかないと」としながらも「3失点は重い」と言葉を残し、DF陣も「DFラインが安定しない」と、守備の部分でも大きな課題が残った様子だった。
今日の試合の数日前の練習で、浮氣は徳島の印象を「最後の最後まで諦めずに、後半よく点を取ってくるチーム」と話していた。今日はその姿を改めてまざまざと見せ付けられる試合となってしまった。田中監督も「今日の一番の勝因は、選手が諦めずに取り返そうと、勝ち点3を取ろうと、勝とうという気持ちがプレーになって現れた」と、選手たちの最後まで切れない集中力と勝利への執念を素直に褒めた。
横浜FCはすぐ1週間後に、場所を江戸川に移して、またホームでの試合を迎える。相手は格下のザスパ草津。早く気持ちを切り替えると同時に、もっともっと、最後の最後まで「勝ちたい」という気持ちをピッチで強く表現して欲しいと思わずにはいられない。
以上
2005.09.18 Reported by 浅野有香
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第32節 横浜FC vs 徳島 レポート】逆転勝利で連敗の悪い流れを断ち切ったのは徳島。集中力と勝利への執念が上回った徳島に軍配があがった。(05.09.18)
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