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【J2:第32節 札幌 vs 福岡 レポート】グラウシオの2得点を含む大勝で福岡が2位をキープ。札幌は今季初の3連敗。(05.09.18)

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9月18日(日) 2005 J2リーグ戦 第32節
札幌 1 - 3 福岡 (14:03/札幌厚別/7,314人)
得点者:'44 グラウシオ(福岡)、'44 千代反田充(福岡)、'57 グラウシオ(福岡)、'71 清野智秋(札幌)
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 この日も札幌はいつものパターン通りの試合展開になった。立ち上がりはOK。しかし点を取れず、一つのほころびがきっかけで先制点を奪われると、そのまま立ち直れず。この日の負けで今季初の3連敗、第3クールは4勝1分け5敗と成績も停滞だ。

 朝まで雨が降ったこの日の厚別。福岡は前節に途中出場で復帰した宮本が中村に代わり右サイドバックに先発。札幌は前の試合で負傷、長期離脱の西澤に代わり加賀が3バック右に入るという陣容でキックオフ。雨で濡れたピッチに両チームの選手が足元のバランスを崩し、ボールを失ったところを相手選手が奪って反攻という様相から次第に、札幌の右サイドで岡田と砂川、福岡の左サイドでアレックスと古賀とグラウシオのお互いの押し合いの図式になってきた。その中でも、立ち上がりの動きが鈍い福岡より、早く優位を得たいという札幌の意思が上回っていく。また岡田がライン際の長い距離を前後行き来して福岡の左サイドにプレッシャーをかけにいき、さらにその背後を加賀がケアするという連動性もできていた。

 だが攻撃がひと段落して守備になると、札幌の中盤は相手にかけるプレッシャーが薄く、福岡にリズムを与えることになる。札幌のトップ下・砂川は、守備時にプレスにいくという動き方でなく、守備から攻撃に転じた時にパスを受けやすくなるよう予備動作をするという動き方になっている。札幌のFWは相川が右ひざ痛でコンディションが悪く、中山が3試合連続先発に入っている。その中山が守備時には後ろに走っていってプレスをかけにボール保持者を追いかけるという、さながら砂川と中山の入れ替わりのようになっているが、この無理なスタイルでは長い時間は難しい。

 札幌の優位が続く前半30分も、古賀が中盤でフリーでボールを持ち、じっくり狙いを定めて中央へ長いボールを出す。それを田中がダイレクトでシュートという福岡のチャンスがあった。危うさはこの頃から見えていた。それでも札幌には猶予も与えられていた。前半7分、CKに池内がフリーでヘッドに当てたり、前半42分、砂川のFKがわずかに上に外れるなど、セットプレイのチャンスもあった。だがいずれも枠内には飛ばずに終わる。

 そうこうしているうちに福岡は、グラウシオなどを中心としたダイレクトパスを駆使して札幌の守備をかき回しにかかる。そうして崩してからの前半44分、宮本、宮崎と中央から右寄りで早いパスワークが展開された後、グラウシオに渡って、シュート。これがDFの脚に当たり、GK林は右に倒れこんだが、ボールは逆の左を飛び、先制ゴール。札幌にとってなんとも不運な軌道となったが、その前に、中盤のプレスの薄さで後方の守備負担が増えてきた影響もあった。

 がっくりきている札幌にさらに追い打ちがかかる。記録上は前半44分、手元の時計ではロスタイムに突入し前半46分。福岡のCKに千代反田が後方から駆け込み、フリーでヘッドに当て、あっという間の2点目。呆然とする札幌。そして前半終了の笛が鳴った。「2点リードの時、次の1点をどちらのチームが取るかが大事」と福岡・松田監督は慎重な面持ちだったが、後半になっても、5分に札幌がCKを一度得たものの、状況はさほど変わらず。早く空気を変えたい札幌は、後半8分に石井を投入して砂川と同じトップ下に置き、中盤の底は2人から鈴木1人に。次いで後半11分にはFWを中山から清野に代えるなど、何とかしようとベンチは動いた。

 ところが反撃の形が整わないうちの後半12分。アレックス、古賀とつながった福岡の攻撃が前がかりの札幌の背後を左サイドから突く。古賀からのクロスに札幌の守備が後手になったところをまたもやグラウシオが飛び込んでヘディング、とどめの3点目が決まった。その後、福岡は3対0になったあたりからようやく足が軽やかになり、持ち味であるサイドからの機敏な動きを発揮し、逃げ切り体勢に。負けている札幌は焦りか疲れか、パスミスや判断の遅れ、ボール保持者にフォローがいかずに孤立するなど、動きが鈍っていく。

 それでも後半26分にデルリスからのスルーパスに清野がリーグ戦で約1年ぶりのゴールを決めて1対3にし、その後もサイドで相手に囲まれながら混戦の中を粘ってマイボールにしていくが、ペナルティエリアで福岡の守備を崩すには至らず。厚別のどんよりした雲は、ホーム・札幌の心境を表すものとなった。立ち上がりのエンジンのかかりが悪かった福岡は、グラウシオの得点力で試合の行方をつかみ、2位をがっちりキープ。もしこの試合に負けていたら3位・山形との勝点差は7から4に縮まり、穏やかならぬ心境になるところだっただろう。「平常心で戦って、最後までハードワークを貫いていきたい」2得点の貢献者・グラウシオはこう語った。次節以降も平常心で立ち向かえる、貴重な勝利をこの日もつかめた。

 札幌は、3位との勝点差が1から4に広がった。リーグを巨視的に見れば、まだまだ詰められる差といえる。しかし冒頭で記したように鳥栖、山形、福岡と上位争いのチーム相手に3連敗というダメージは勝点差以上に大きい、というのが試合後の札幌の雰囲気だ。さらには、こうしたダメージを受けて、次節はアウエーで首位・京都との一戦だ。「順位よりも目の前の1試合1試合、試合に勝つためにどれだけ準備できるかが大事。勝点差が開いたが、ボクは気落ちしていない。まだ1クール残っている」途中出場し、中盤で踏ん張った金子はこうした力強い言葉を残した。苦境において何ができるか。試練はまだまだ、残り12試合分だけ用意されている。

以上

2005.09.18 Reported by 永井謙一郎
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