9月24日(土)J2 第33節 仙台 vs 湘南(14:00KICK OFF/仙台)
-リアルタイム速報はこちら-
-スターティングメンバーは、試合開始約2時間前に各試合のスコアボード「試合詳細」に掲載されます-
----------
最終コーナーを抜け、各車直線一気の争いという趣の第4クールに向けて、直線の伸びを左右するコーナーの立ち上がりとも形容できる、第3クールの最終節、第33節である。
自動昇格枠の2チームは、若干離れてしまった感があるが、それでも入れ替え戦枠の3位を巡る戦いは、未だ熾烈さを極めている。3位山形から6位仙台まで、間に甲府と札幌を挟み、勝ち点差は6。さらに一度縮まれば、残り試合数を考えても、全く届かない距離ではない。
その3位を狙う集団の中で、離されまいとテールにしがみついているのが、前述の通り仙台である。3位との勝ち点差で言えば、中盤以降で最も離された第30節終了時点での8(3位は札幌)から、水戸、草津相手のアウェイ2連勝を経て、現時点で6まで縮めてきた。このアウェイ連戦の前、徳島、山形を迎えたホーム2連戦で、2引き分けでの勝ち点2を上げるに留まったことを思えば、その失態を(数字上は)取り返す、大きな連勝、そして勝ち点6だったといえる。(試合のプレビューからは逸脱する話かもしれないが、昇格争いのライバルが同じ節に全て勝利を上げるのは稀という前提に立てば、2連勝で3位との勝ち点差が2つ縮まったように、勝ち星1つごとに、上位との勝ち点差を1つ詰められる、という「目安」が考えられる。これはこうした争いの中でよく言われる「残り試合数=挽回可能な勝ち点差」という定説とも合致する)
ともかく仙台からしてみれば、目の前の試合を一つ一つ片付けていかないことには、こうした目安も机上の空論になってしまう。アウェイでは連勝した。ホームではどうか。
湘南を迎えるにあたり、仙台は前節の布陣を極力変えない方向で臨むようだ。だが一つ気になる点がある。それは現在2試合連続得点中のバロンのケガの具合。水曜日は終日別メニュー、木曜日の紅白戦も、前半こそシュウェンクとの2トップで出場したものの、後半はプレーすることなく退いた。
だからというわけではないが、仙台は今週、バロン不在が続いた紅白戦で、新たなシステムを試している。(あくまでバロンがいない場合だが)シュウェンクと大柴で組ませていたトップから、大柴をトップ下へ下げて配置する4−5−1がそれ。しかしながら、これを採用している時間の方が、攻撃面では魅力的に映った。というのも、サイドハーフに入るであろう梁と菅井が、スペースに走る(orスペースに走らせる)意識を持ち合わせ、さらにトップ下に入った大柴も、右ヒザ半月板のケガが影響しプレー自体は重いものの、それでも前線へのフリーランニングからチャンスを生み出すセンスはあることから、紅白戦でも時間帯によっては、まさに流れるような攻撃を見せていたのだ。また、1トップに入っていたシュウェンクも、バロンがこれまでやっていたポストプレーよりさらに広範囲に左右に流れてボールを受けようとするのだが、これがまた攻撃時においては、布陣の流動性を良い意味で生んでいた。ツボにはまれば、草津戦の2点目のようなシーンを頻繁に生み出すことも可能だろう。ちなみに、左サイドハーフに財前を入れるパターンも試していたが、これはこれで、トップ下の大柴が流れて生まれた中央のスペースに、財前が絡んでくるとしたら面白い。
ともあれ、この布陣を採用するか否かも含めて、バロンの体調が、仙台の採る道を決める部分もあり、当日まで未確定な要素は多い。
仙台の大砲、バロンが出場の可否を検討中な一方、対する湘南の大砲、日本人では得点ランクトップ(12得点)に位置する柿本は、前節の警告によって累積が4枚目となり、メンバーから外れることが決まっている。これが如何に大きなことかは、今季これまでの32試合で全試合スタメン出場を果たしてきたというデータを持ち出すまでもなく、むしろ柿本と対峙してきた他チームならば身に染みて感じているはず。きっと仙台と湘南を除く10チームは、柿本抜きの湘南と戦える仙台を、羨望のまなざしで見ているに違いない。
だが、かといって湘南の攻撃力は消散と考えるのは、極めて危険な発想である。
今季、湘南の戦いで目に付くのは、攻撃センスとボールテクニックに優れるメンバーを惜しげもなく並べた中盤である。センターに吉野とゴーラン、右に加藤、左に佐藤という4人は、それぞれ決定的なパス、クロス、ドリブルで、相手守備陣に脅威を与えられる選手。この4人が試合開始から労を惜しまず攻守に駆けずり回り、湘南はリズムを作っていく。柿本の活躍は、センス溢れる中盤が柿本の能力を引き出した、とも考えられる。よって、仙台としては柿本の欠場に油断することなく「優れたフィニッシャーが一人欠けた」くらいに考えることが必要かもしれない。
仙台が目指す(あるいは、目指すべき)流れのある攻撃は、むしろ湘南の中盤の十八番とも言える。仙台は布陣の変更などを通じて、中盤の動きを湘南のレベルに到達させることができるか。
万全でない体調と出場停止程度の差こそあるが、大黒柱としてきたセンターフォワードに依存するわけにはいかない両チーム。ミッドフィールドの働きに、かかる責任は大きい。
以上
2005.09.23 Reported by 佐々木聡
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第33節 仙台 vs 湘南 プレビュー】前線が事情を抱える両チーム。結果を分けるのはMFによる「後方支援」の出来か。(05.09.24)
- 終盤戦特集2025
- アウォーズ2025
- 明治安田J1昇格プレーオフ2025
- 明治安田J2昇格プレーオフ2025
- J3・JFL入れ替え戦
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 月間表彰
- 2025 移籍情報
- 2025 大会概要
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- 2025 Jリーグインターナショナルユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE













