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【J2:第33節 徳島 vs 山形 レポート】高知でのホームゲームは快勝! 少ないチャンスをモノにした徳島が、3位争いに名乗りを上げる。(05.09.25)

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9月24日(土) 2005 J2リーグ戦 第33節
徳島 2 - 1 山形 (14:04/高知陸/2,687人)
得点者:'38 伊藤彰(徳島)、'66 小林康剛(徳島)、'89 永井篤志(山形)
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試合を通して見れば、多くの時間帯でボールを支配していたのは山形だったと言える。しかし、最も重要な「勝利という結果」を手にしたのは、数少ないチャンスを確実に得点に結びつけた徳島であった。

38分、左サイドの深いスペースでボールを受けた徳島・FW小林が山形のペナルティエリア内に侵入。ゴールライン際へ持ち込み、2人の山形DFを引き付けたところで中央へ折り返す。すると、待ち構えていたMF伊藤が、キーパーの動きを見ながらそのボールを冷静にゴールへ沈めた。…これが徳島の先制したシーンである。そして、この先制点のシーンは、徳島が得た前半唯一のチャンスらしいチャンスでもあった。
「守備では消極的なプレーがあったし、攻撃では動き出しが遅かった。」と田中監督(徳島)が振り返った前半、徳島はこの先制のシーン以外は攻撃の形をほとんど作らせてもらえなかった。サイド、特に左サイドを活かそうという意識こそ垣間見えたが、山形の守備組織を整える早さに、前線へボールを入れるタイミングさえ見つけられず大いに苦しんだ。先制の時間までに徳島が放ったシュートがミドルレンジからの数本だけであったことが、それを如実に物語っている。

逆に山形は、明らかに主導権を握った前半であった。ワイドへのボール回しで徳島DF陣を揺さぶり、スペースへ飛び出す動きで突破を狙う。そして両サイドから繰り返しセンタリングとクロスを供給し、幾度となく徳島ゴールを脅かした。中でも26分に迎えた好機は決定的。山形としては先制を確信したことだろう。しかし、放ったシュートは、徳島・GK古田を抜いたもののカバーに入っていたDF大森にライン上でかき出された。
こうして、攻めながらも得点が奪えなかった山形に対し、唯一とも言えるチャンスをしっかりとものにし、先制した徳島。戦況とは全く相反するスコアで前半を折り返した。

迎えた後半も、攻守の構図は変わらなかった。が、先制点で精神的な余裕が生まれた徳島の動きは前半とは全く違うものとなっていた。
まず守備面では、前半のようには山形にスペースを与えないバランスのいい守りを披露。局面でも積極的にボールへアプローチし、山形の選手たちを自由にさせない厳しいチェックを見せた。また攻撃においても、その変化は明らか。前線へ早いタイミングでボールを出せるようになり、加えて個々の前に出るスピードも格段に上がった。そして、それによって、ボールを奪ってからの効果的なカウンターが見られるようにもなった。
逆に山形は、ボールを支配する時間こそ変わらず多いものの、なかなか突破口を見つけられない。決定機を作らせてもらえないどころか、徐々にサイドから入れるクロスの数も減り、時間の経過とともに攻め手を失っていった。

そしてついに66分、徳島が喉から手が出るほど欲しかった追加点を奪取する。FW羽地が、山形陣内深くまで押し戻したところで得たスローインを受けると、相手を背にしながら巧みに反転しゴール前にグラウンダーのセンタリング。すると、逆サイドから詰めてきたFW小林が山形DFより一瞬早くボールに触ってこれを押し込んだ。これまで何度も追加点を取れず勝利を逃してきた徳島にとっては、何とも価値ある追加点となった。

これで突き放された山形は、前節の鳥栖戦で決勝ゴールを挙げたFW林を投入するなど、選手交代で流れを変えようと試みる。しかし、ボールは回しながらもゴール前での工夫を欠き、それまでの状態を打開するには至らなかった。ようやく終了直前にMF永井が1点を返すも、時すでに遅し…。

徳島にとっては、攻撃陣の『決定力』と、ファインセーブが光ったGK古田を中心とする守備陣の頑張りがガッチリと噛み合った会心の勝利であった。そして迎える第4クールにおいて、現在は7位ながら、勝ち点差で9と迫った3位・山形などとの昇格争いに割って入るだけの勢いを得た大きな勝利ともなったはずだ。さらに加えて言うなら、リーグ全体から見ても、今節の徳島の勝利が今後の3位争いをさらに面白くすることは間違いない。


以上

2005.09.24 Reported by 松下英樹


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