10月1日（土）J1 第26節 東京Ｖ vs 磐田（15:00KICK OFF/味スタ）
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降格圏の１７位に位置する東京Ｖの勝ち点は現在２４。バドン監督は「安全圏に入る為にはあと５勝しなくてはいけない」と話している。
チーム関係者の間では、去年の降格ゾーンを考慮すると最低でも手にしたい勝ち点は３５、という意見で一致。その数字はバドン監督も口にしていたが、「勝ち点が並んだ場合、得失点差で不利な立場になる。通常より高めに設定した（バドン監督）」のが、この「あと５勝」という目標だ。

残り９試合のうちの５回勝つことが、現在の東京Ｖにとって難しいチャレンジか否かは判断が難しい。
少なくともバドン監督はここまでの試合内容には手応えを感じているようで「（ここ４試合白星を挙げてはいないが）選手は自信を持ってプレーしている。あとは結果だけ」としている。
この言葉を「チャンスは作っている。あとは得点だけ」と言い換えることもできるだろう。このところ守備が随分と安定したことは間違いない。バドン監督就任以降、２失点を喫したのは川崎Ｆ戦のみであとは１失点以下に抑えている。
しかし一方で、攻撃面の不調が顕著になってきた。ここ４試合で２得点、１試合１得点以下しか取れておらず、これでは毎試合完封を続けて行かない限り勝ち点３を奪うことは至難の業だ。

しかし、決してチャンスが作れていないわけではなく、むしろチャンスの数では相手を上回っていることが多い。
となると課題は決定力か。ＦＷワシントンが実に１７得点を挙げているにも関わらず、ここまでの総得点数は２８（リーグワースト３）。まず『ワシントン頼み』の状況を打開していかなくてはならない。
そこでバドン監督は今週、毎日のように攻撃陣にシュート練習を課していた。
通常の練習メニューの後に行われるシュート練習は１時間近くに渡り延々と行われたが、その量はＦＷ平本が「今まで（シュート練習を）やらな過ぎたと反省しています」と話すほど。
同時に様々なパターンが繰り返し試された『サイドからフィニッシュまで』の形が実を結べば、磐田の固いＤＦをこじ開けることができそうだ。

その磐田戦でのメンバーだが、現時点では読めない部分が多い。イ・カンジン、戸川といったＤＦ陣の離脱もあり、木曜の紅白戦では４バックを試していた。
が、バドン監督は「（別メニュー調整中の）ＤＦ米山の膝の回復次第ではいつも通り３バックでスタートする」との考えだ。ただ、その紅白戦では今季初めてＦＷ平本が控え組みでプレーするなど、メンバーの入れ替えの可能性も。
別メニュー組のＤＦ戸田を含め、試合直前の様子を見て、ということになりそうだ。

怪我人もおり、チームは万全とは言えないかもしれないが、そんな事を言っている場合じゃないのが現実。いずれにしても、この苦境を乗り切らなければ名門の二文字に泥を塗る結末が待っている。バドン監督も早々と磐田をビデオで分析。「個人についても注意が必要だが、1番注意しなくてはいけないのは組織としてのプレー。全員で守って全員で攻撃する。セットプレー時も常に人が動いているのでここも気をつけなくてはいけない」とコメントしていた。

対する磐田もここからの９試合、逆転優勝に向け負けられないのは同じだ。
チームは「勝たなくては次はない（山本監督）」という並々ならぬ決意のもと東京Ｖ戦に臨む。怪我人が続出し苦しかった台所事情も、ＭＦ西、ＭＦ河村、ＤＦ茶野ら復帰し、ぐっと楽になりそうだ。
気になるのは前節戦線復帰したばかりのＤＦ鈴木が再び右ひざを痛めたとの情報だが、後ろには前節の完封勝利に貢献したＤＦ金珍圭が控えている。ＦＷ前田の離脱も痛いが、久しぶりの先発出場で得点を挙げたＦＷ中山も好調を維持しており、チームとしてのマイナス材料は多くはなさそう。現在４位、虎視眈々と首位を狙える位置まで来たこれからが磐田にとって本領発揮といったところ。この東京Ｖ戦でも確実に勝ち点３を挙げる試合運びを見せるだろう。

前回のこの対戦では大量６得点を挙げた磐田。しかし「前は東京Ｖの状況が悪い時で参考にはならない」と山本監督。「天皇杯決勝では負けているし、サポーターの為にも勝ちたいね」としたうえで、「優勝争いと残留争いの真っ只中のチームの戦い。あの決勝の時のようなすごい試合になると思う」と表情を引き締めていた。

尚、この熱戦を生で観ようと、当日は今季最高の４００００人近いサポーターが味の素スタジアムに集結予定。スタジアムでは豪華商品の当たる大抽選会など盛りだくさんのイベントが企画されている。

以上

2005.09.29 Reported by 高木 聖佳