10月1日（土）J2 第34節 札幌 vs 徳島（13:00KICK OFF/札幌厚別）
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　今季がJ2ファーストシーズンの徳島は、第1〜2クールでは未経験だった連勝を、第3クールでは2度経験。チーム自体はJ2最初の年でも、選手にはJ1、J2を経験した人が多く、試合巧者ぶりが徐々ににじみ出ているといったところだ。

　前々節から前節にかけての2連勝の際も、得点者がFW羽地2点（うち1点はPK）、FW小林、右ウイング・大場、トップ下・伊藤が各1点ずつと、攻撃的選手がまんべんなくゴールを決めているという手応えの良さがある。
　左ウイング・片岡も含めて、イキのいい彼ら前めの選手が横からグイグイ来るという印象がある徳島。特に前節は、少ないチャンスを2度ものにして山形に2対1で勝ったという粘りもある。こうして築かれた2連勝の勢いが続いているかどうかが見どころだ。徳島の順位は7位だが、3位・山形との勝点差は9。今節で勝って、他の上位チームが総コケすると、徳島の第4クールはがぜん面白くなる。

　逆に勢いを欠いているのが札幌。現在4連敗と、長い停滞状態だ。加えて今節は、トップ下・砂川と右ウイング・岡田が出場停止。また試合3日前の練習でデルリスが左ひざを痛めて、翌日の練習には不参加。練習終了後に姿を現したデルリスの表情は明るかったが、試合当日に出場するかどうかは微妙だ。

　こうした状況でメンバーをどうやりくりするか。試合2日前の紅白戦では、FWの相川がトップ下のポジションに約1年ぶりに入り、2トップは清野と中山。右ウイングにはDF加賀が入り、左ウイングには前節途中出場で札幌での初登場を果たした西谷が立った。DFでは、加賀がいた3バック右には池内が左から回って入り、和波が左ウイングから3バック左に下がって立つという、全体的に大幅な変動が見られた。さらに紅白戦の途中からは、西谷が左からトップ下に移り、2トップは清野と相川。和波が左サイドに戻り、権東が3バック左に。さらにその後、加賀が3バック右に戻り、徐が右ウイングに入るという、いろいろな陣容が見られた。

　ただどの形でも、軸となりそうなのが西谷だ。落ち着きがありミスの少ないボールさばきは、個として上手く、札幌の攻撃を助けている。西谷は「サイドは（今まで）やっていたポジションだけど、トップ下がやりにくいということではない。先発となった時には、最初からいけるので自分の思っているプレイを出したい」と抱負を述べている。チームメイトも、相川が「西谷さんは一人で打開できる」と、和波も「ボールを持てるので、やりやすい」と信頼を寄せる。

　柳下監督は先週、「西谷が周りに合わせるのでなく、周りが西谷に合わせることも必要」と語り、西谷の攻撃性を促すことを目論んでいる。その上で、「ウチは一人一人が上手いというのでなく、全員で戦わないと勝てないチーム。原点に戻ってしっかりやりたい」と和波が思いを語るように、4連敗の間に札幌が忘れている自分たちのサッカーを取り戻せるかどうかに、停滞からの脱出がかかっている。
　この対戦カードは、第1クール1対1、第2クール0対0、第3クール1対1といずれも引き分け。ちなみに1対1の試合はいずれも札幌が先制し徳島が追いつくというパターンだった。第4クール、今季ラストとなる厚別での試合で、果たして白黒はっきりつくか。

2005.9.30　Reported by 永井謙一郎