10月15日(土) 2005 J2リーグ戦 第36節
水戸 0 - 3 福岡 (14:03/笠松/2,074人)
得点者:'41 グラウシオ(福岡)、'53 田中佑昌(福岡)、'72 千代反田充(福岡)
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心配された雨は試合開始に合わせるように上がり、『良芝・乾燥』というピッチ状態でゲームは行われた。福岡には天皇杯期間中に傷を癒したグラウシオが戻り、水戸には小椋が故障から復帰した。グラウシオは流石の存在感を魅せつけたし、小椋も持ち前のスピードと運動量で完全復活をアピールした。4ヶ月ぶりに小椋を見れたことは、率直に嬉しかった。
今節改めて感じたことは、『福岡は強い』ということ。グラウシオがどうこうではなく、『福岡のサッカーそのものが勝つ確率が高いサッカー』という強烈な印象を持った。水戸の各選手のコメントにもあるように、福岡は攻守の切り替えがすこぶる早く、2ndボールへのアプローチも早い。マイボールになると前を向いている選手をシンプルに使うからミスも少ないし、少ない手数でゴール前まで持ち込むことができる。必然的にポゼッションも高まるし、いやポゼッション以上に対峙したチームは『押し込まれている』という印象を持つのではないだろうか。先制すれば、相手が前掛かりになるところに攻撃の糸口を探し、カウンターで意図も簡単に決定機を作ってしまう。ミスは絶対に見逃さない。水戸は、ミッドフィールドでの自滅も手伝って、福岡のサッカーに完敗することとなった。これは、おそらくは必然だったのであろうと思えてならない。
キックオフ後15分間、福岡はグラウシオにボールを集めることでペースをつかんだ。攻撃は全てグラウシオを経由することで水戸のディフェンス陣を引きつけ、周辺の田中、古賀、宮崎が自由に仕掛ける。先制は時間の問題ともいうべきこの時間帯を防ぎきったことは、水戸のディフェンスに高い評価を与えてよい。特にセンターの大和田・深津はサイドに引っ張り出されながらも体を張った懸命の守備を見せ、「絶対に得点させない」という執念を垣間見ることができた。14分、ホベルトから左サイドバック山形(辰)に展開し、最後はグラウシオがシュート(ボールはゴール右に逸れaudiに直撃。スゴイ音がしたから凹んでるかも)という局面を凌ぎきったところで、リズムは水戸に傾く。この時「前半の立ち上がりで点が取れず、嫌な感じがした(福岡・松田監督)」と福岡の指揮官は難しいゲームになることを覚悟している。19分には小椋が高い位置での積極的な守備でボールを奪いクロス、ファビオが合わせるもゴールマウスをとらえることはできなかった。
27分には、この日サイドバックに入った森田が秦を追い越し前目でプレー。縦に抜けたファビオにスルーパスを通しゴールの匂いがする場面を演出。続く35分には、小椋から秦→秋田とつながり、最後はファビオがシュート(ボールはゴールをそれvitzに直撃)。水戸のリズムの中で生まれたこの3回のチャンスで得点できなかったことが水戸の敗因。もちろん福岡ディフェンス陣がギリギリのところでプレッシャーを与え続けたからに他ならない。福岡よりに表現すれば『昇格への執念を見せた』というところか。
そして41分、水戸が中盤でボールを奪い、秦を基点に2次攻撃を仕掛けようというその刹那、秦の背後からボールを掻っ攫った福岡は、宮崎→古賀とつなぎクロス。そのクロスにグラウシオが飛び込んで、苦しい局面、しかしながらいい時間帯に先制した。1点以上に重い1点だった。
後半、頭から水戸は磯山を投入して2トップにするが、点を取りに来た水戸のミスを福岡は見逃さず、8分(田中)、27分(CKから千代反田)と加点し勝負を決めた。この両得点とも、中盤での水戸のミスからカウンターを仕掛けたもの。後半の福岡は、『何のリスクも背負わず力の差を魅せつけた』のだ。
試合後、福岡・松田監督は「まだ8試合も残っている」と昇格へ油断がないという姿勢を崩さなかったが、今日のようなゲームを残り8試合続けられれば、かなり高い確率で自動昇格の2位をキープできるだろう。そう思ってしまうほど、今節は抜け目のないサッカーを展開した。サッカーの質の高さ、攻守の切り替えのはやさ、そして頼りになる絶対的なエースの復活。これだけの要素が揃ったのだ。残り8節、勝ち点差が10あるこの状況で、ポジションをキープできないのは嘘だろう。
一方の水戸だが、0−3というスコアでもディフェンス陣には及第点を与えたい。そして、もっとシンプルに(それはただ前に蹴るという意味ではなくて)ゲームを運ぶ中盤作りが課題。今日は永井が出場停止で不在だったが、永井まかせの中盤ではちょっと切ない。難しい時期かもしれないが、このまま立ち止まらないためにも、トライし続けて欲しいものだ。水戸もいつか、福岡のように強いサッカーができるようになるために。
以上
2005.10.15 Reported by 堀 高介
J’s GOALニュース
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